実践演習 方程式・不等式・関数系

円を折り返した折り目の存在範囲【1992年度 千葉大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

円を折り返したときの折り目の存在範囲を考える問題です。

シンプルな題意ですが、解き進めていくといくつかの上級テーマが次から次へと襲い掛かってくるため、完答するためにはそれらを払いのけるだけの確固たる力が必要です。

(以下ネタバレ注意)

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座標の設定

まずは座標の設定です。

自然に設定するとしたら

\(\mathrm{A}\)\((-1 \ , \ 0)\) ,  \(\mathrm{B}\)\((1 \ , \ 0)\)

と設定し、接点を

\(\mathrm{T}\)\((t \ , \ 0)\)

とします。

もちろん、この \(t\) は \(-1 \leq t \leq 1\) として設定します。

ひとまずの目標は

直線 \(\mathrm{PQ}\) の方程式を Get すること

です。

そうなってくると

のように、折り返した円弧の全体像を復元し、

2円の交点を通る直線

として求めればよいでしょう。

元々の半円 (上図における \(C\)) は

\(x^{2}+y^{2}=1\)

と即答です。

また、折り返した円弧の全体像の円 (上図における \(C'\)) は

  • 元々は \(C\) の体の一部

であることを考えると

ポイント

\(C\) ,  \(C'\) の半径は等しい

ということが言えます。

\(C'\) は \(x\) 軸に接しているということも考えると

\((x-t)^{2}+(y-1)^{2}=1\)

と、円 \(C'\) が表す方程式が得られます。

2円の交点を通る直線

円 \(C\) ,  \(C'\) の交点を通る直線は

$$\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
x^{2}+y^{2}-1=0 \\
x^{2}+y^{2}-2tx-2y+t^{2}=0
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}$$

の辺々を引いて得られる

\(2tx+2y-t^{2}-1=0\)

として得られます。

これが目標の直線 \(\mathrm{PQ}\) の方程式ということになります。

交点に直接触れずに「交点を通る図形」を立式するスキルについては

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などで解説しています。

線分の通過領域

直線 \(\mathrm{PQ}\) の式が得られたら、次は \(t\) を \(-1 \leq t \leq 1\) の範囲で動かしたときの

線分 \(\mathrm{PQ}\) の通過領域

を求めることに目がいくことになります。

ただ、線分の通過領域については範囲的なものもあり、まともにぶつかると厄介なことになります。

そこで一旦

直線 \(\mathrm{PQ}\) の通過領域

を求め、そのうち

$$\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
x^{2}+y^{2} \leq 1 \\
y \geq 0
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}$$

という

半円の内部

としてとらえるのが得策です。

直線の通過領域については様々な解法が考えられますが、今回は

逆像法

で倒します。

逆像法については

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なども活用してみてください。

解の配置

\((X \ , \ Y)\) が直線 \(\mathrm{PQ}\) の通過領域に含まれる点かどうかについては、

\(2tX+2Y-t^{2}-1=0\)

を満たすように \(t\) を仕組めるかどうかが問題です。

つまり、

\(t\) の2次方程式

\(t^{2}-2Xt-2Y+1=0\)

が \(-1 \leq t \leq 1\) の範囲に少なくとも 1 つ実数解をもつ

となるような \(X\) ,  \(Y\) の条件について考えることになります。

2次方程式の解に関して注文が入る問題は俗に「解の配置」と言われ、その中でも

「少なくとも1つ~~」

というタイプは少々鬱陶しいタイプです。

このあたりでアタフタしないためには、ある程度「少なくとも1つ型」の解の配置問題について手際よく捌けるだけの練習を積んでおきたいところです。

それについては

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などで場数を踏んでみてほしいと思います。

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