実践演習 方程式・不等式・関数系

不動点を利用した合成方程式【f(f(x))=x の解】【2011年度 日本女子大ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

合成関数が絡んだ高次方程式を解く問題です。

誘導があるため、難易度としては標準と言ってもよいでしょう。

場当たり的に雰囲気で解けてしまったという人も多いと思いますが、見通しを持ちながら解き進めることができるかどうかについてをチェックしてほしいと思います。

(以下ネタバレ注意)

 

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不動点について

\(f(x)=x\) を満たすような \(x\) を不動点と言います。

\(f(x)=x\) という数式を日本語で噛み砕いて言えば

\(f\) という操作を施しても、結果が元の値と変わらないという性質をもった値

ということです。

(1) について

\(f(x)=x\) の解が \(x=\alpha \ , \ \beta\) なので

\(f(\alpha)=\alpha\) ,  \(f(\beta)=\beta\)

を満たします。

いってみれば、\(\alpha\) ,  \(\beta\) は不動点です。

\(f\) を施しても値が動かない(変化しない)ということは、別に \(1\) 回だけでなく、

何回 \(f\) を施しても値は動かない

ということです。

したがって

\(f(f(\alpha))=\alpha\) ,  \(f(f(\beta))=\beta\)

ということになります。

ですから、結局 \(\alpha\) ,  \(\beta\) そのものが分かればそれで解決です。

そして、\(\alpha\) ,  \(\beta\) については \(x^{2}-\displaystyle \frac {4}{5}=x\) , すなわち

\(x^{2}-x-\displaystyle \frac {4}{5}=0\)

という \(2\) 次方程式を解けば得られます。

\(f(f(x))=x\) という方程式について

(2) では \(f(f(x))=x\) という方程式を解くという明快な問いです。

もちろん、何の考えもなしに

\(f(f(x))\) をガチンコ計算して

\(x^{4}-\displaystyle \frac{8}{5}x^{2}-\displaystyle \frac{4}{25}\)

と出して

\(f(f(x))=x\) を整理して

\(x^{4}-\displaystyle \frac{8}{5}x^{2}-x-\displaystyle \frac{4}{25}=0\)

としても、ここで手が止まるでしょう。

ここから手が進むかどうかについては、解く前からある程度の見通しをもっている必要があります。

「\(f(f(x))=x\) を満たす \(x\) 集まれ~!」

「\(f(f(x))=x\) を満たす \(x\) 集まれ~!」

と呼びかけて、不動点が集まってこないわけがありません。

(もちろん、そもそも不動点が存在しなかったらヤバいですが、(1) によって不動点が実数として存在することは保証されています。)

つまり、\(f(f(x))=x\) ,  すなわち  \(f(f(x))-x=0\) を満たす \(x\) の中に、

\(x=\alpha \ , \ \beta\) が紛れ込む

ということになるわけです。

つまり、今回求める解のなかに\(x=\alpha \ , \ \beta\) が紛れ込むわけですから、

\(f(f(x))-x\) は \(x-\alpha\) ,  \(x-\beta\) を因数にもつ

ということになります。

なので、\(f(f(x))-x\) は \((x-\alpha)(x-\beta)\) , すなわち \(x^{2}-x-\displaystyle \frac {4}{5}\) で割り切れます。

そうなってくると、先ほどの

\(x^{4}-\displaystyle \frac{8}{5}x^{2}-x-\displaystyle \frac{4}{25}=0\)

という \(4\) 次方程式の次なる変形の見通しが立つと思います。

類題について

類題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

基本的にはシナリオは例題と変わりません。

ただ、例題と違って、ちょっとだけ \(f(x)\) の形がうるさいです。

腕力で押し切るのもいいですが、\(f\) を崩さずに式変形していくという方法についても考えてみて、今後の糧にしてほしいと思います。

例題の解答はコチラ

類題の解答はコチラ

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