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実践演習 幾何・ベクトル系

トレミーの定理【様々な証明】【2011年度 熊本大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

トレミーの定理の証明を問題形式で考えてみます。

本問の (2) の内容がトレミーの定理です。

トレミーの定理は「裏技」的な位置づけで紹介されることが多いです。

今回は「トレミーの定理を使えば早い」といった類の問題ではなく、トレミーの定理そのものを導出することを趣旨とします。

証明はできないけど裏技として使用していた人は、これを機に今後気持ちよく使えるようにしてみてください。

(以下ネタバレ注意)

 

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(1) について

という図において、\triangle{\mathrm{ABD}}\triangle{\mathrm{BCD}} において余弦定理を用いると

  • \cos{A}=\displaystyle \frac{a^{2}+d^{2}-y^{2}}{2ad}
  • \cos{C}=\displaystyle \frac{b^{2}+c^{2}-y^{2}}{2bc}

となり、半分は解決です。

残る \cos{B}\cos{D} については

という図において、\triangle{\mathrm{ABC}}\triangle{\mathrm{ACD}} において余弦定理を用いて

  • \cos{B}=\displaystyle \frac{a^{2}+b^{2}-x^{2}}{2ab}
  • \cos{D}=\displaystyle \frac{c^{2}+d^{2}-x^{2}}{2cd}

を得て、解決です。

(2) について

四角形 \mathrm{ABCD} が円に内接するという条件は

  • \angle{A}+\angle{C}=\pi
  • \angle{B}+\angle{D}=\pi

として翻訳するのがポピュラーでしょう。

(1) を誘導と見るのであれば、この式を \cos{ \ } の形まで落とし込み

  • \cos{A}=-\cos{C}
  • \cos{B}=-\cos{D}

という形で、(1) の結果をぶち込むことになります。

この後は手なりに進んでいくはずですが、人によっては、まごつく人も出てくるかもしれません。

そのあたりの考え方については【総括】の中で少し触れてあります。

その他の証明法について

トレミーの定理は様々な証明法があり、深追いしだすとキリがないところもありますが、いくつか【総括】のあとに別証明という形で紹介してあります。

以下は概略です。

別証明1

という補助線 \mathrm{AM} をひきます。

さらに

という三角形にも注目し、

  • \triangle{\mathrm{DAM}}\triangle{\mathrm{CAB}} が相似
  • \triangle{\mathrm{ABM}}\triangle{\mathrm{ACD}} が相似

ということを利用します。

別証明2

トレミーの定理は

対角線の積に関する定理

です。

そこに注目し

という

  • 対角線の長さが kl
  • 対角線のなす角が \theta

という四角形の面積が

\displaystyle \frac{1}{2}kl\sin{\theta}

となることを利用していく方針もあります。

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