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トレミーの定理の証明を問題形式で考えてみます。
本問の (2) の内容がトレミーの定理です。
トレミーの定理は「裏技」的な位置づけで紹介されることが多いです。
今回は「トレミーの定理を使えば早い」といった類の問題ではなく、トレミーの定理そのものを導出することを趣旨とします。
証明はできないけど裏技として使用していた人は、これを機に今後気持ちよく使えるようにしてみてください。
(以下ネタバレ注意)
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(1) について

という図において、\triangle{\mathrm{ABD}} と \triangle{\mathrm{BCD}} において余弦定理を用いると
- \cos{A}=\displaystyle \frac{a^{2}+d^{2}-y^{2}}{2ad}
- \cos{C}=\displaystyle \frac{b^{2}+c^{2}-y^{2}}{2bc}
となり、半分は解決です。
残る \cos{B} と \cos{D} については

という図において、\triangle{\mathrm{ABC}} と \triangle{\mathrm{ACD}} において余弦定理を用いて
- \cos{B}=\displaystyle \frac{a^{2}+b^{2}-x^{2}}{2ab}
- \cos{D}=\displaystyle \frac{c^{2}+d^{2}-x^{2}}{2cd}
を得て、解決です。
(2) について
四角形 \mathrm{ABCD} が円に内接するという条件は
- \angle{A}+\angle{C}=\pi
- \angle{B}+\angle{D}=\pi
として翻訳するのがポピュラーでしょう。
(1) を誘導と見るのであれば、この式を \cos{ \ } の形まで落とし込み
- \cos{A}=-\cos{C}
- \cos{B}=-\cos{D}
という形で、(1) の結果をぶち込むことになります。
この後は手なりに進んでいくはずですが、人によっては、まごつく人も出てくるかもしれません。
そのあたりの考え方については【総括】の中で少し触れてあります。
その他の証明法について
トレミーの定理は様々な証明法があり、深追いしだすとキリがないところもありますが、いくつか【総括】のあとに別証明という形で紹介してあります。
以下は概略です。
別証明1

という補助線 \mathrm{AM} をひきます。
さらに

という三角形にも注目し、
- \triangle{\mathrm{DAM}} と \triangle{\mathrm{CAB}} が相似
- \triangle{\mathrm{ABM}} と \triangle{\mathrm{ACD}} が相似
ということを利用します。
別証明2
トレミーの定理は
対角線の積に関する定理
です。
そこに注目し

という
- 対角線の長さが k , l
- 対角線のなす角が \theta
という四角形の面積が
\displaystyle \frac{1}{2}kl\sin{\theta}
となることを利用していく方針もあります。
解答はコチラ