幾何・座標・ベクトル【別解の宝庫】【2002年度 京都大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 難関大の問題では図形を扱う際、どの分野で解き進めるかという選択を迫られることが多いです。 その分野として多いのが 図形を扱う代表的分野 幾何(三角比や初等幾何) 座標 ベクトル 複素数平面 という4分野です。 そして、見た目通りの分野が最短の解法になるとは限らないところが厄介です。 見た目ベクトルの問題だけど、座標で解いたり、見た目座標の問題なんだけど幾何的に見た方が早かったり \(\cdots\) といった具合です。 本問は非常に多くの戦略 ...
内積についての論証問題【必要性と十分性の論証】【1987年度 東京水産大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 内積は値(スカラー)だという認識が弱い数学が苦手な受験生は \(\vec p\) の形を見て心を閉ざしてしまいます。 一方である程度数学に前向きな人から見ると、本問は巡回性があるキレイな設定なので解く気を「そそります。」 ざっくり分けると (1) , (2) と (3) , (4) で話題が分かれています。 なので、今回の解答は(1) , (2) で一度流れを切って分けています。 (以下ネタバレ注意) &nb ...
式の個性【式の形のもつ意味について考える】【2010年度 埼玉大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 見た目は座標平面の円に関する問題に見えますが、とるべき解法によって見た目の分野とは違う分野の処理が必要になってきます。 まずは初見で考えてみてほしいと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む \(ac+bd\) という式の形から放たれる強烈な「作為の匂い」を嗅ぎ取ることができれば \(P \ (a \ , \ b)\) , \(Q \ (c ...
複素数平面における幾何的な考察【1次分数変換による実軸の像】【2003年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 複素数平面に関する幾何的な考察問題です。 こういった図形を扱う分野としては 図形を扱う分野 幾何的な分野(三角比や平面図形、初等幾何など) 座標 ベクトル 複素数平面 が挙げられますが、見た目通りの分野の問題として解き進めていくのが最善とは言えないということが多々あります。 ベクトルの問題だけど座標を導入してみたり、座標の問題だけど、幾何的に見たら早かったり \(\cdots\) といった具合です。 この4分野については相互横断 ...
内積と面積【巡回性をもった形】【ベクトルの式変形の勘所】【1985年度 東北大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 巡回性をもったキレイな設定で、最後の面積を与える式もキレイな形をしています。 パッと見て思わず解いてみたくなる問題です。 結果よりも、本問を通じてベクトルの式変形の勘所や、内積の取り扱い方の勘所を得てほしいと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) は \(a=0\) または \(b=0\) または \(c=0\) のときを考えます。 ...
回転曲面の扱い【回転放物面について】【2020年度 東京慈恵会医科大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 回転放物面を扱った問題で、昔より出題は控えめになりましたが、一度は扱っておきたい話題です。 3頂点 \(A , B , C\) が曲面 \(S\) 上にあるという条件は 曲面 \(S\) の方程式を出して、パラメータ表示する と翻訳するのが最もストレートな方針でしょう。 この回転曲面 \(S\) の方程式を出す方法を本問を例にとって手順化すると以下のようになります。 step1\(S\) 上の任意の点\( ...
ベクトルとしての視点or幾何的な視点【分野の選択】【2009年度 大阪大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 図形の問題は「ベクトル」「幾何」「座標」など、様々な分野からのアプローチが考えられます。 難関大志望者は、問題に応じて「どの分野のまな板の上で料理するか」を日頃から意識し、訓練しておくことが大切です。 本問は \(\vec{ a } \cdot \overrightarrow{ OP }=-\vec{ b } \cdot \overrightarrow{ OP }\) という条件をどう料理するかが山場であり、考えがいのあるポイ ...