仮想難関大(オリジナル予想問題)【ベクトル~三角形の内部に点が存在する条件~】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 仮想難関大シリーズということで、東大、京大をはじめとする旧帝大、東工大、国公立大学医学部医学科などの難関国公立大を想定したオリジナルの自作問題です。 「手垢の付いていない問題で力試しがしたい」 という方はぜひご活用ください。 今回はベクトルに関する問題です。 条件を数式でどのように立式するかということを考える問題です。 難易度は標準設定です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 内積につ ...
四面体の切断と体積【カバリエリの原理】【2018年度 京都大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 京大が定期的に出題する四面体に関する論証問題です。 幾何・座標・ベクトルという3分野が考えられますが、本問は必要に合わせてどの分野のまな板の上で調理するかを柔軟に対応する力が養えます。 難易度としてはやや難でしょうが、得られるものは大きい問題です。 美しく解く方法もありますが、愚直にやってできないことはありません。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 色々考えられますが、ベクトルを導入し ...
重心・垂心・外心・内心の位置ベクトル【2016年度 滋賀医科大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) これ1題で 重心・垂心・外心・内心の位置ベクトル の導出について学べるめちゃくちゃコスパの良い問題です。 三角形の代表的な点の位置ベクトルについての基本的な理解を確認するとともに、その特徴を活かして自力で導出できることを本問の目標としたいと思います。 この数字設定は解き進めていくと、 「めんどくさっ」 と思えてきますが、反面 「これ狙って作ったとしたらすげぇな」 というちょっとした驚きも含まれており、この話題をマスターしている人も確認のために ...
放物線の平行移動による通過領域【2018年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 東大お得意の通過領域を絡めた問題で、「動くもの」をどのように数式として立式するかという運用力が求められます。 領域を出すだけでも一苦労なのですが、その後の面積計算においても工夫なしでやろうと思うと少し溜息が出ます。 本問は、上記の運用力に加え、構造を的確にとらえて処理する力を鍛えられると思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 構造の把握 いきなりで分からなかった場合、例えば \(k=1\) などと ...
四角柱の切断【天国と地獄】【2014年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 東大にしては珍しく図を付けてくれており、状況が読み取りやすくなっています。 ただ、解法の良しあしははっきりと分かれ、差が付くと思います。 沼に嵌まると第1問という位置づけも相まって平常心を失う恐れもあります。 難易度としてはできれば確保したいレベルでしょう。 当時教えていた受験生で受かった人たちのほとんどはきっちりと本問は確保していました。 というと、プレッシャーを感じるでしょう。 そのプレッシャーの中で標準問題を確保するという重みを実感する ...
正四面体の重心【共線条件と対称性の活用】【1999年度 東北大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 四面体において、各頂点と対面の重心を結んだ線分は 1 点で交わります。 三角形において、各頂点と対辺の中点を結んだ線分が 1 点で交わり、その点を三角形の重心と呼ぶのに倣って、これを四面体の重心と言います。 \(\mathrm{A}(\vec{a})\) , \(\mathrm{B}(\vec{b})\) , \(\mathrm{C}(\vec{c})\) , \(\mathrm{D}(\vec{d})\) によってできる四面体の重心 \ ...
垂心と逆数【2009年度 岡山大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(y=\displaystyle \frac{1}{x}\) というシンプルな直角双曲線上の3点によってできる三角形の垂心もこの \(y=\displaystyle \frac{1}{x}\) 上にあるというキレイな性質について確かめてみようという趣旨の問題です。 座標計算で解析的に進めて確かめる分にはそこまでの話ではありません。 ただ、幾何的に腑に落ちる説明をつけようと思うと深みに嵌まります。 ここでは、入試の基本事項をおさえつつ、垂心と ...
フェルマー点【3頂点までの距離の和が最小となる点】【2000年度 東北大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) フェルマー点と呼ばれる有名テーマについての問題を考えます。 例題では、フェルマー点の取り方と、なぜそう取ればよいのかについての証明を扱います。 類題は、フェルマー点を題材とした求値問題です。 特に断りがない限り、解答や戦略は「フェルマー点の知識を前提とせずに解くとしたら」という視点で解説してあります。 ひとまず以下はフェルマー点の概略について記しておきます。 フェル ...
図形版予選決勝法【どちらの文字を先に固定するか】【1997年度 名古屋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) シンプルな問題です。 本問は試験場においては確保したいレベルの問題なのですが、確保するにしても手際の良さがわかれる要素を含んでいます。 本問を通じて持って帰りたい教訓は2点ほどあります。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 状況を図示すると 与えられたシチュエーションを図示すると のような状況となります。 多分、この絵をかくときに、 \(P\) をまずかいて、その次に \(Q\) をかく という順番でかくと思います。 ...
グラムシュミットの直交化法【2012年度 東京農工大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) いかにも「何かありそう」な雰囲気を感じるでしょう。 グラム・シュミットの直交化法と呼ばれるものが背景にありますが、知らなくても解けるように、最初から設定してくれています。 「解く」という観点から言えば、基礎がしっかりしていれば言われていることをやっているうちに終わってしまうと思います。 そういった意味で、表面的には計算問題の側面が強いと思います。 ただ、せっかくなので、これらの設定がどのようになされたのかという部分まで触れようかと思います。 ...