1の累乗根とド・モアブルの定理【2003年度神戸大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題1はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題2はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 1の累乗根とド・モアブルの定理の運用に関する問題は、入試においてよく登場する話題で、深入りしだすとキリがありません。 基本を押さえつつ、少しずつオチのつけ方で味わいが違う3題をもってきました。 このあたりの年代(2005年度入試まで)は複素数平面が数学Bに入っていた時代であり、センター試験でも出題され、文系の方も ...
最大公約数についての数列【2012年度 東京都立大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 最大公約数についての数列を考え、和などを考える問題です。 標準的なレベルの問題で、野球で例えるなら135km/h 真ん中ちょい高めのストレートって感じですかね。 要するに長打が狙える打ちごろの球なので、できれば打ち損じることなくはじき返してほしいですが、記述面で書きづらさを感じるかもしれません。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 最大公約数に迫る一つの大きな武器が ユークリッドの互除法 ...
二項係数の逆数の和【誘導なし】【2013年度 千葉大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 二項係数の逆数の和を求める問題です。 シグマ計算の基本については以前 テーマ別演習:シグマ計算基本方針 というシリーズで扱っています。 今回は、基本がしっかり身についているということは前提で、手持ちの武器の中で何をどう選び活用していくかという運用力を試すという目的で実践演習で扱います。 なお、原題は誘導がありましたが、方針も含めて考えるという意味で誘導は外しました。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 今 ...
格子点の個数についての基本【2014年度 中央大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(x\) 座標と \(y\) 座標がともに整数であるような点を「格子点」と言います。 領域が与えられて、その領域内の格子点の個数を数え上げる問題は定番のテーマです。 格子点の個数を数える基本 \(x=1\) 上の格子点が \(a_{1}\) 個 \(x=2\) 上の格子点が \(a_{2}\) 個 \( \ \ \ \ \ \ \vdots\) と数えていき、全て足し合わせればよいわけです。 つまり、\(x=k\) ...
sinの和【導出過程から応用例まで】【1994年度 和歌山大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(\displaystyle \sum_{k=1}^{n} \sin{k\theta}\) について考える問題で、テーマとしては比較的シンプルな話題です。 例題では結果を数学的帰納法で証明するというスタイルで出題されていますが、ノーヒントで導出しろといった場合にどのように導出すればよいのかについてもプラスアルファで考えてみたいと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) につい ...
シグマ計算基本方針 第6講【二項係数の交代和】【2005年度 山形大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) このシリーズの一覧はこちら 今回扱うのは二項係数の符号が入れ違いになっている和(交代和)について考えます。 前半部分は第3講で扱った「二項定理の活用」という話題です。 「\((1+x)^{n}\) の展開式を用いて」というのはここまで勉強してきた人からすると正直余計なお世話でしょう。 (ii) の偶数番目だけを取り出したい、奇数番目だけを取り出したい、という問題についても (i) で考えた \(a\) , \(b\) を利用 ...
シグマ計算基本方針 第5講【二項係数の2乗和】【経験値が必要】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 初見かつノーヒントであれば厳しいと思います。 まずはノーヒントで粘れるだけ粘ってみてください。 どうにも埒があかないな、となったら誘導付きの問題も用意しましたので、そちらで再チャレンジしてみてください。 + クリック(タップ)して誘導付きの問題でチャレンジする 誘導付きはこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \((1+x)^{2n}\) という式を考えるという部分が見えるだけでも、気持ち的には楽でしょう。 と ...
シグマ計算基本方針 第4講【応用実践】【2005年度 大分大学ほか】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 【1】(以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 連続自然数の積のシグマ計算は工夫の余地があります。 バラバラに展開してしまった人は「ジェイソン」と呼ばせていただきます。 バラバラにして\(\displaystyle \sum_{k=1}^n k\) , \(\displaystyle \sum_{k=1}^n k^{2}\) , \(\cdots\) などを使って計算していくのは流石にシンドイと思います。 和の中抜けを ...
シグマ計算基本方針 第3講【二項定理の活用】【2007年度 大阪府立大学ほか】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) テーマ別演習「シグマ計算基本方針」第3講です。 このシリーズの一覧はこちら シグマ計算の基本方針は次の3つです。 シグマ計算基本方針 公式利用とその延長 差分解からの和の中抜け 二項定理の活用 今回の第3講では 二項定理の活用 を扱います。 二項定理を活用してシグマ計算する場面は特徴的であり、 二項定理を使うシグマ計算 コンビネーションのシグマ というのが見落としてはならない特徴であり、キーワードです。 ただ、単純に代入すればいいだけでなく、 ...
2021年度 京都大学理系第3問【三角関数についての無限級数】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) かわいい顔をしていますが、割と棘のある問題だと思います。 無限級数の問題では、 無限級数の鉄則 部分和をとって、その極限を取る というのが鉄則です。 その鉄則は京大受験生であればクリアーして然るべきでしょう。 そこで、\(\displaystyle \sum_{k=0}^n (\displaystyle \frac{1}{2})^{k}\cos{\displaystyle \frac{k\pi}{6}}\) などと部分和を考えま ...