解答速報

2021年度 京都大学理系第3問【三角関数についての無限級数】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

 

かわいい顔をしていますが、割と棘のある問題だと思います。

無限級数の問題では、

無限級数の鉄則

部分和をとって、その極限を取る

というのが鉄則です。

その鉄則は京大受験生であればクリアーして然るべきでしょう。

そこで、\(\displaystyle \sum_{k=0}^n (\displaystyle \frac{1}{2})^{k}\cos{\displaystyle \frac{k\pi}{6}}\) などと部分和を考えます。

 

その部分和の処理として、目につく方針は

①:\(\cos{ \ }\) の周期性を利用して、\(k\) を 6 で割った余りで分類していく

②:複素数平面とド・モアブルの定理を活用する

という2路線ありますが、方針②は経験が必要だと思います。

注意

方針①については厳密には周期12ですが、符号の調整をする分には6で割った余りで分類すれば十分です。

加えて、京大らしく誘導がないノーヒントでの出題です。

「いかに京大受験生と言えどもノーヒントではキツイのでは」

「京大受験生ならば、準備していて当然だ」

「準備しているとかしていないとかそういう次元でなく、京大は賢い奴が欲しいからそういう出題の仕方をしているだけだ」

という意見に分かれると思います。

私個人の意見は、3つめの意見に近いです。

とは言え、入試には「努力の軌跡を測る」という側面もあることは否定できません。

つまり、たとえ天才的な閃きがなくても、様々な解法を勉強し、曲がりなりにも視野を広げるべく努力してきた受験生も多いはずで、1つ目、2つ目の意見に含まれる、「経験値を積んでいるか否か」という観点で出来が左右されてしまうということも部分的には否定はできないとも考えています。

そういった様々な観点から総括すれば、複素数平面の解法はともかく、周期性から愚直に調べ上げていく路線も残されていると考えて、標準と言いたいところです。

それに、今回準備した2路線の解答以外にも、素晴らしい解答があるかもしれません。

ニュアンスとしては「決して易しくはない」という感覚に近い感想です。

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