2023年度 東北大学理系第3問【2項間漸化式(変数倍)の一般項とその和】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2項間漸化式に関する一般項とその和についてを扱った問題です。 (1) で一般項が出せないと、連動して (2) も失うことになります。 しかも、(1) が出せれば (2) も勢いに乗って完答しやすいレベルであるため、差が付きやすい問題だと言えましょう。 漸化式が \((n+2)a_{n+1}=na_{n}+2\) という形で与えられているのはまだ親切で、 \(a_{n+1}=\displaystyle \frac{n}{n+2}a_{n}+\d ...
フィボナッチ数列とリュカ数列 第1講【ビネの公式と黄金比】【フィボナッチ数列の和】【1994年度 関西医科大学ほか】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 今回のテーマ別演習ではフィボナッチ数列、及びリュカ数列にまつわる話題を取り扱っていきます。 古典的な内容となるため、いいか悪いかは別として知っている人からすればアドバンテージになり得る内容です。 細かな知識を事細かに逐一全て覚えなきゃと身構える必要はなく、高校で学習する基本事項の運用で訊かれていることを導出できればそれで構いません。 一つのストーリーとして気がついたら頭に入っていたという状態となれば幸いです。 シリーズ一覧 第1講はフィボナッ ...
抽象的な事象の確率と漸化式【1985年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 玉を取る、カードを取る、サイコロを投げる、といったいかにも確率の題材となる具体的試行ではなく、ある変数が整数 \(n\) という値をとる確率が \(p_{n}\) という抽象的な設定の問題です。 基本的な処理力だけでなく、その場力も加えた総合的な力が必要な良問です。 試験場ではキッチリと差がつく問題で、確保できればアドバンテージになる難易度だと言えましょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 条件の立式 ...
シグマ計算基本方針 第7講【3つ飛ばしの二項係数の和】【1997年度 岐阜大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) このシリーズの一覧はこちら 今回扱うのは3つ飛ばしの二項係数の和について扱います。 原題ではもう少し段階的な設問がありましたが、言われたことをやっているうちに終わってしまい、作業感が強かったため、考えてもらいたい部分については一部カットしました。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 二項定理の活用により仕留める方針が第一感です。 \((1+x)^{n}={}_{n} \ma ...
2変数の漸化式【1996年度 北海道大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(n\) , \(m\) という2変数が絡む漸化式の問題です。 試験場だと「ウッ」となるやもしれません。 ふたを開ければ、難関大受験生にとっては基本の処理となりますが、 ふたがそれなりに重い ふたが開けられても、その後の処理は差がつく という要素をもっており、完答するためには「確かな力」が必要となります。 試験場で見慣れない未知の問題に出会ったら、という耐性をつけるという想定で臨んでみてください。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タ ...
折れ線と直線で囲まれる図形の面積【1994年度 工学院大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) シンプルだけどフィルターがちゃんとかかっていて、見るべき部分を見なければ解けない という良問の要素を含んでいます。 今回の題意の面積は所詮三角形の面積の総和です。 とは言え、誘導もないため、構想から組み立てる必要があり、なめてかかると想定外の負荷がかかるかもしれません。 「解説を聞いてしまえばそれまで」というタイプの問題なので、ひとまずは自力で解き進めていきましょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む ...
仮想難関大(オリジナル予想問題)【順列記号Pの和】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 仮想難関大シリーズということで、東大、京大をはじめとする旧帝大、東工大、国公立大学医学部医学科などの難関国公立大を想定したオリジナルの自作問題です。 「手垢の付いていない問題で力試しがしたい」 という方はぜひご活用ください。 今回はシグマ計算に関する問題です。 よくある問題としては、コンビネーション \({}_n \mathrm{ C }_k\) に関するシグマ計算ですが、 パーミュテーション \({}_n \mathrm{ P }_k\) ...
ラグランジュの三角恒等式【ド・モアブルの定理の応用】【1971年度 富山大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 三角関数の和の導出について考える問題です。 少し古い問題ですが、今回の話題を扱うにあたりよい例題ということでもってきました。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む ラグランジュの三角恒等式について ラグランジュの三角恒等式 \(\displaystyle \sum_{k=0}^{n}\cos{k\theta}=\displaystyle \frac{\cos{\displaystyle \frac{n\th ...
tanとフィボナッチ数列【マチンの公式との関連】【2013年度 京都府立医科大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) tanとフィボナッチ数列が面白く絡んでいる問題を見てみます。 tanとはタンジェントです。炭治郎ではありません。 ただ、全集中で解いてみてください。 筋が悪いと過呼吸になります。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 目に優しく \(b_{n}=a_{n}(a_{n+2}+a_{n+1})-a_{n+1}a_{n+2}\) とおき、 \(b_{n}=-(-1)^{n}\) であることを目指します。 つま ...
n桁以下の自然数を並べてできる数【1997年度 慶応義塾大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) ルール自体はシンプルなルールな問題です。 難易度自体も標準的な難易度だと思いますが、 急所を抽出する 抽出した急所を処理する のどちらの力が欠けていても完答は遠のくでしょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 具体的な場合の検証的設問です。 イメージとしては というイメージを持ち、並んでいる数字の個数が桁数であることを考えると \(1\cdot 9+2 \cdot 90+3 \cdot 900\) ...