積分変数の変換【2017年度 富山大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(t\) に依存する3次方程式の解 \(\alpha\) , \(\beta\) , \(\gamma\) に関する定積分の値を考える問題です。 完答できるかどうかの差はつきやすい問題で、解決する人はあっという間に解決してしまうと思います。 「簡単な難問」、「難しい易問」という言葉がありますが、どちらかというと個人的には難しい易問だと感じました。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について \(x^{3 ...
3次方程式と整数解【違和感や作為を読み取る】【1970年度 防衛大学校】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 古い問題ですが、3次方程式が整数解をもつという設定はよくある設定であり、今でも十分に演習価値のある問題です。 本問は手なりに進めていくと、「ん?」と思う部分が自然に出てくるはずです。 基本的には違和感やこの問題の作為を見落とさない観察力の問題なのですが、見るべきところを見る経験に裏打ちされる要素も若干は含んでいるでしょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 方程式と解に関する路線 方程式と解に関する問題 ...
3文字の対称式の値【2003年度 慶應義塾大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 3文字の基本対称式の値から、4乗和と5乗和という対称式の値を導出するという内容です。 なめてかかると、5乗和の方で「ん?」となるかもしれません。 確かな力があればそのまま押し切ることもできますし、エスケープしてリカバリーすることもできます。 様々な解法があるため、色々考えてみてほしいと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 基本対称式の値 解と係数の関係から $$\begin{eqnarray} \left\{ ...
4次方程式の解法【オイラーの手法】【2008年度 横浜市立大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 元々4次方程式の解法についてはフェラーリの方法が有名ですが、今回はオイラーさんにスポットが当たっています。 4次方程式の解法について 「オイラーさんがこういう方法を考えたんだけど、一緒に解いてみよう」 というN◎K的な問題です。 逆に言えば、言われたことをやっていればできてしまうとも言えます。 根号が次から次へと飛び交うため、整理力がモノを言います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について ...
内積と軌跡【軌跡の範囲】【2002年度 名古屋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 本問の料理名は 軌跡のベクトル風味仕立て~範囲のスパイスとともに~ でございます。 定番の味付けの中に、ピリッとアクセントの効いた味わいをお楽しみください。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について まずは前菜でございます。 点 \(\mathrm{A}\) \((a \ , \ a^{2})\) , \(\mathrm{B}\) \((b \ , \ b^{2})\) という設定により、 ...
四角柱の切断【天国と地獄】【2014年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 東大にしては珍しく図を付けてくれており、状況が読み取りやすくなっています。 ただ、解法の良しあしははっきりと分かれ、差が付くと思います。 沼に嵌まると第1問という位置づけも相まって平常心を失う恐れもあります。 難易度としてはできれば確保したいレベルでしょう。 当時教えていた受験生で受かった人たちのほとんどはきっちりと本問は確保していました。 というと、プレッシャーを感じるでしょう。 そのプレッシャーの中で標準問題を確保するという重みを実感する ...
係数を入れ替えても整数解をもつ2次方程式【2011年度 名古屋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(x\) , \(y\) という 2 文字使っていますが、結局は \(x^{2}+ax+b=0\) と \(x^{2}+bx+a=0\) がそれぞれ整数解をもつような、2次方程式を考える問題です。 パッと見の直感では \(x^{2}+6x+5=0\) の解 \(x=-5 \ , \ -1\) \(x^{2}+5x+6=0\) の解 \(x=-2 \ , \ -3\) が予想されますが、これ以外にもあるかもしれません。 (1) ...
2021年度 九州大学理系第2問【2次方程式の虚数解についての複素数平面上での考察】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2次方程式の虚数解をもとに複素数平面上で様々なことを考察する問題です。 (1) で困る人はいないでしょうから、実質は (2) からの勝負ということになると思います。 実際この問題を見たときの私のメモです。 大体見た感じでこのあたりまで読み解いて、あとは詰めていくか、といった感じで解き進めました。 詰めの作業のときに、最後の (3) で出した \(\tan{\theta}\) の値が (1) の \(\theta\) ...
ポンスレの閉形定理【放物線上の3点によってできる三角形の内接円】【1988年度 名古屋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 問題を読んでみると、「えっ、マジ?」と言いたくなる結果です。 まぁそれもそのはずで、「ポンスレの閉形定理」というものが背景にあります。 ポンスレの閉形定理 2つの2次曲線 \(C_{0}\) , \(C_{1}\) , \(3\) 以上の自然数 \(n\) について \(C_{1}\) 上のある点を1つの頂点として \(C_{0}\) に外接し , \(C_{1}\) に内接する \(n\) 角形が1つでも存在 ...
存在条件とその処理【斜辺の長さがa、面積がbとなる直角三角形】【2011年度 群馬大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) シンプルな問題ゆえに、とっかかりがつかめずに固まってしまう人もいるかと思われます。 まずは自分の中で進める部分まで進んで考えてみましょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む まず、直角三角形の斜辺が \(a\) と与えられていることから、残る辺の長さを \(s\) , \(t\) とでも置きます。 このように自分で文字を設定することで議論を進めるということは大切です。 こ ...