ピタゴラス数 第1講【平方剰余】【2004年度 旭川医科大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(a^{2}+b^{2}=c^{2}\) を満たす自然数 \((a \ , \ b \ , \ c \ )\) の組をピタゴラス数と言い、特に \(a\) , \(b\) , \(c\) のどの2つも互いに素であるとき、原始ピタゴラス数と言います。 原始ピタゴラス数に関する入試問題は頻出であり、今回は何題かピックアップしてシリーズものとして取り上げたいと思います。 シリーズ一覧はこちら 今回は第1講ということで ...
フェルマーの小定理【2項定理からのアプローチ】【2011年度 関西大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) フェルマーの小定理 \(p\) を素数 , \(a\) を任意の自然数とするとき \(a^{p} \equiv a\) (mod \(p\)) また、\(a\) と \(p\) が互いに素であるとき \(a^{p-1} \equiv 1\) (mod \(p\)) というフェルマーの小定理をオチにした問題であり、様々な大学で類題が出題されています。 高校生で扱える範囲で、この話題を扱おうと思うとどうしても似通った問題となって ...
整数問題【評価の工夫】【行き詰まったときのリカバリー】【2007年度 大分大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) パッと見の見た目としては「例題チック」な印象を受けます。 ある程度の演習をこなして、色々な「凝った問題」に触れてきた人からすると、本問の見た目は「そそる」ようなものではないかもしれません。 実際 (1) はテンプレ的な問題です。 ただ、(2) は結構難しいと思います。 閃き一発系の方針もあれば、愚直に前進していくルートもあります。 そういった意味で、勉強にはなると思いますし、得られるものもあると思います。 ぜひ一度考えてみてくだ ...
タクシー数【3次の不定方程式】【ラマヌジャンの逸話】【2009年度 一橋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 問題自体は不定方程式を解くという整数問題における典型的な話題です。 ただ、この問題の背景にある逸話が面白く、「ラマヌジャンのタクシー数」という逸話をもとにした問題です。 (どちらかというと読み物的な感じです) 【総括】のあとにその逸話について載せておきましたので、ぜひご覧ください。 一応ここでも折りたたんでおくので、興味があれば+マークをクリック(タップ)して読んでみてください。 + ラマヌジャンのタ ...
2次方程式の整数解【整数問題の3大手法】【2003年度 千葉大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2次方程式が整数解をもつように仕組んでください、という問題は整数問題として頻出です。 本問は整数問題の基本手法 整数問題の有力方針 積の形から約数の拾い上げ 余りで分類 評価する(範囲を絞る) を念頭に置きながらどのように進めていこうか考える訓練として非常にいい問題です。 これについては、詳しくは折りたたんでおきますので、基本をしっかりと確認したい方は以下の「+マーク」をクリック(タップ)して読んでください。 + ...
素数の扱いと観察力【隠れた条件や事実をいかに見出すか】【2014年度 一橋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(a \ , \ b \ , \ c\) 自体も素数、\(a-b-8 \ , \ b-c-8\) も素数、と素数祭りです。 整数問題の基本は 整数問題の有力方針 積の形から約数の拾い上げ 余りで分類 評価する(範囲を絞る) です。 簡単な例を以下に折りたたんでおきますので、確認したい方は以下の「+マーク」をクリック(タップ)して読んでください。 + クリック(タップ)して続きを読む 積の形から約数の拾い上げ 例題:\(x ...
連続する自然数の和【連続自然数の和で表せるための条件】【2015年度 横浜国立大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 連続する自然数の和で表せるかどうかを考える問題で、しばしば出題される話題です。 その中でもテーマになりやすい内容を一通り盛り込んでいる本問を選びました。 どうせなら2020年度入試で出題すればよかったのに。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む \(n\) から始まる連続自然数の和として \(S=n+(n+1)+(n+2)+\cdots+(n+m)\) ( \(m\) は自然数 ) と設定し ...
指数型の不定方程式【整数問題の基本的手法の運用】【2010年度 千葉大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) まずは整数問題の有力方針を確認します。 整数問題の有力方針 積の形から約数の拾い上げ 余りで分類 評価する(範囲を絞る) これについては、詳しくは折りたたんでおきますので、基本をしっかりと確認したい方は以下の「+マーク」をクリック(タップ)して読んでください。 + クリック(タップ)して基礎を確認する 積の形から約数の拾い上げ 例題:\(x , y\) は自然数とする。\(xy+2x+3y=6\) ...
桁数と1の位【仮分数の扱いについて】【1989年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 問題のインパクトが強いためか、結構有名な問題です。 桁数については、難関大志望者であれば落としたくはないレベルです。 問題は1の位です。 自分がこの問題と向き合ったときの印象は ①:この数字に意味はあるのか? ②:\(3^{21}\) って何だ?どこでどう使う? ということでした。 もし、この数字に意味があり、「この数字じゃなきゃできない」ということであれば、この問題や数字のもつ「特殊性」を見出す必要が出てきます。 逆にこの数字 ...
ペル方程式 第3講【ペル方程式とブラーマグプタの恒等式】【1998年度 お茶の水女子大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 「ペル方程式」シリーズ第3弾です。 このシリーズの一覧はこちら 併せて学習すると、理解が深まると思います。 さて、今回はペル方程式を不思議な恒等式(ブラーマグプタの恒等式)からアプローチするという問題です。 このブラーマグプタの恒等式をどう使っていくか、という活用力が問われます。 式の形を観察する力や、その形から次の一手をインスピレーションする力など、脳の様々な場所が刺激されると思います。 ぜひトライしてみてください。 &nbs ...