恒等式

2021/10/10

多項式の剰余問題【重解型】【1997年度 文教大】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 多項式を多項式で割ったときの余りについて考える問題で、話題としてはよくあるものです。 その中でも「重解型」という差が付くトピックスを取り上げます。 単元学習の段階ではラスボス的な位置づけの話題だと思います。 ただ、演習段階においては 経験で差が付く標準問題 という位置づけです。 序盤ラスボスと見せかけて、後々モブだったという意味で言えばドラクエⅥで言うムドーのようなものでしょう。 重解型は細かく言えば様々な解法がありますが、ここではよくある方 ...

2021/9/10

合成関数と割り算【複2次式の割り算とその発展】【1999年度 防衛大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 題意はすぐに読み取れるでしょう。 例題に関しては正直煮るなり焼くなり色々出来ると思います。 どちらかというと例題は噛ませ犬的な立ち位置で、実際に考えてもらいたいのは類題の方です。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 例題について 例題はこちら(再掲)(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 方針1:頭とケツを見て因数分解 ひとまず、 ...

2021/8/21

4次関数を2つの2次関数の合成で表す【2006年度 京都府立医科大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) オマージュ問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 一般性の高い4次関数を2つの2次関数の合成で表すということをテーマとした問題です。 原題の (2) は (1) をヒントにして地道に解くこともできますが え、ナニコレ、オシッコちびる という解法もあります。 私は最初ちびりました。 当時ちびった勢いで作ったオマージュ問題もあったので、よかったらどうぞ。 オマージュ問題だけだとただの自己満足になってしまいますので、原題と併 ...

2021/7/27

三角形の成立条件と判別式【覚えるべき部分とその場で判断する部分の線引き】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) なめてかかると火傷するタイプの問題です。 「判別式とるだけだろ?なめんなよ」 と威勢よく取り組みだすと、だんだん青ざめていく人が増えていくと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 最初の一手はもちろん判別式 \(y=bx^{2}+(b+c-a)x+c\) という下に凸の放物線が \(x\) 軸と交点をもたなければ、全ての実数 \(x\) で \(bx^{2}+(b+c-a)x+c \gt 0\) ということが言 ...

2021/5/28

多項式に関する整数問題と論証【1992年度 東京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 多項式に関する問題で、受験生に解かせてみると四苦八苦する生徒が多い一方で、あっさりと解く生徒もいます。 体感の難易度の温度差は大きい問題だと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1)について ここから差がついてしまいかねません。 帰納法路線だと その場合 \(P_{n+1}(x)=xP_{n}(x)+1\) というように、前段仮定を用いるために\(P_{n}(x)\) に関する漸化式を作ります。 問題の主張 ...

2021/4/22

【解答速報】2021年度 東京大学理系第6問【因数分解と恒等式】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   因数分解と恒等式に関する本格的な問題です。 本問は ( 2 次式 ) × ( 2 次式 )  という因数分解ができるように \(a\) を仕組んでください。 という問題でしたが、 「( 1 次式 ) × ( 1 次式 )  という因数分解ができるように」という問題であれば、東大受験生なら一度は経験したことがあると思います。 そういった典型問題をベースに発展させた問題だと思いますが、本問の難しさは発想面というよりも、 何が問われて ...

2021/4/29

全称命題 第1講【恒等式として等号が成立するための条件】【1990年度 東京工業大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   「全称命題」というテーマ性のある話題を扱います。 これは分野は関係なく、「考え方」に難しさがあり、独特な議論の進め方をします。 対応を知らないと、白紙になってしまったり、見当はずれなことを場当たり的に書いて終了してしまいかねません。 全称命題だと見抜く「眼」と、見抜いた後の「対応」の両輪をきちんと揃えておき、ライバルに差をつけましょう。 シリーズ一覧はこちら 今回は恒等式となるための条件を考えるという問題です。 見た目が仰々しく ...

2021/4/18

等式・不等式の証明【差がつく有名な形】【2009年度 東北大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)     等式・不等式の証明問題の問題として、本問は要点が凝縮されています。 そのためか練習問題として様々な問題集に収録されています。 演習の初期としては手ごろなレベルだと思います。 経験の有無に左右されるポイントや急所を含んでいますが、逆に言えば勉強していれば試験場では確保できる問題です。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む パッと思いつく方針としては 重要 \(x^{3}+y^{3} ...

2021/4/18

相反多項式【関数方程式への対応】【2008年度 東北大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   見た目は「これ満たす \(f(x)\) なぁ~んだ」という「関数方程式」です。 (1) で、この \(f(x)\) が高々 4 次であることを示させるということでだいぶ親切です。 次数の決定については、ノーヒントであることも多いので、誘導を期待せず自分でも考えるように準備しておきましょう。 問題は (2) です。 様々な解法が考えられますので、まずはしっかりと手と頭を動かして考えてみてください。   (以下ネタバレ注意 ...

2021/4/17

ペル方程式 第3講【ペル方程式とブラーマグプタの恒等式】【1998年度 お茶の水女子大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 「ペル方程式」シリーズ第3弾です。 このシリーズの一覧はこちら 併せて学習すると、理解が深まると思います。   さて、今回はペル方程式を不思議な恒等式(ブラーマグプタの恒等式)からアプローチするという問題です。 このブラーマグプタの恒等式をどう使っていくか、という活用力が問われます。 式の形を観察する力や、その形から次の一手をインスピレーションする力など、脳の様々な場所が刺激されると思います。 ぜひトライしてみてください。 &nbs ...

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