幾何

2021/8/16

正三角形を折ってできる六角形【1982年度 法政大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 図形を折るこの手の問題は想像力が必要で、中学受験を経験している中高一貫校の生徒は割とそういう訓練を積んでいる人が多いです。 それがいいか悪いかはおいておきます。 見え方が鋭い人はそれを活かせばいいと思いますし、急所に辿り着くのに時間がかかるという人は多少時間がかかっても地に足つけて解ければいいと思います。 ただ、見える人には何が見えているのかということを意識しながら勉強していくことが大切です。 本問は見える人にはパッと見えるのでしょう。 戦略 ...

2021/8/15

正方形を折ったときの重なりの五角形【2001年度 東京工業大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 正方形の折り紙を折り曲げたときの重なりの部分が線対称な五角形になるときを考える幾何的な問題です。 このあたりの幾何的な考察はマニュアル的態度でどうこうするというよりは、観察力、洞察力を含めたその場力が必要です。 試験場においてこの問題自体が合否を左右するかというと、そこまで差がつかないと思います。 (確保できれば結構アドバンテージをとれるというレベル) (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して下さい 実際に折ってみる 実 ...

2021/7/6

1,z,z^2を3頂点にもつ鋭角三角形【2016年度 東京大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 複素数平面において \(1\) , \(z\) , \(z^{2}\) あるいは \(z\) , \(z^{2}\) , \(z^{3}\) といった、公比が \(z\) の等比数列をなるような値を頂点にもつ三角形についての考察をする問題です。 類題も様々な大学で出題されています。 正三角形や二等辺三角形など名前がついている特徴的な三角形となるケースを考えさせる出題が多く、図形的特徴を複素数平面上で立式する力が問われます。 例題は、鋭角三角形 ...

2021/6/26

正多面体の色の塗り分け【双対構造の利用】【2016年度 久留米大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 正多面体の色の塗り分け問題です。 よくあるのは立方体の色の塗り分けですが、本問は少しそれを発展させて正八面体の塗り分けを考えてみます。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 円順列の基本 円順列(回転による一致)を考える際の基本は 誰か一人の眼から見て、他がどうなっているか ということです。 例えば、遊園地にあるコーヒーカップというアトラクションがありますね。 あれに、お父さん、お母さん、息子の3人が乗ると思ってください ...

2021/6/14

等面四面体【体積計算と存在証明】【2014年度 早稲田大学】【1999年度 京都大学】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   4つの面が全て合同である四面体のことを「等面四面体」と言います。 この等面四面体については初見でぶつかると、ほとんどの人がはじき返されることになります。 初見であれば、ひとまずは全力で考えてみてください。 脳に汗をかいて脱水症状になりかけたら、知識として糧にしてしまうのも仕方ありません。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む まともにぶつかると 真正面からぶつかると、体積計算をするにあたり、底 ...

2021/4/23

18°絡みの三角比 第2講【正五角形の利用】【1997年度 岐阜大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 18°絡みの三角比という話題で、様々な切り口からこのテーマが扱われます。 代表的な登場シーンを一通り経験することで、ストーリーを体感し、対応できるようにしましょう。 このシリーズの一覧はこちら   第2講は 正五角形の利用 という話題です。   正五角形はゴールドラッシュ 正五角形の中には第1講で扱った「黄金三角形」が至る所に散りばめられています。 まさに「ゴールドラッシュ」な状態です。 黄金三角形については第1講 で扱っ ...

2021/4/23

18°絡みの三角比 第1講【黄金三角形の黄金分割】【2009年度 大阪教育大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 18°絡みの三角比という話題で、様々な切り口からこのテーマが扱われます。 代表的な登場シーンを一通り経験することで、ストーリーを体感し、対応できるようにしましょう。 このシリーズの一覧はこちら 第1講は 黄金三角形の黄金分割 という話題です。 黄金比について 長方形 A から正方形を切り取って 残った長方形を B とします。 A と B が相似であるとき、長方形 A を黄金長方形といい、その縦横比を \(1 : x\) とすると、 \(1 : ...

2021/4/20

二等分線上の点の位置ベクトル【長さと方向をどう準備するか】【2004年度 京都大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 二等分線上の点の位置ベクトルをどのように扱うかという問題です。 結局は 長さと方向をいかに準備するか ということにエネルギーを注ぐことになります。 様々な考え方ができ、どれも教訓となる内容を含んでいると思いますので、実戦的な演習として良問です。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 分野の選択について 見た目ベクトルの問題ですが、どの分野の問題として考えるかは別問題です。 図形問題の分野の選択 見た目通りベ ...

2021/3/21

2021年度 北海道大学理系第1問【正射影ベクトル、対称点】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 平面ベクトルの問題で、基本的には2本の主役ベクトル(基底)\(\vec {a}\) ,  \(\vec {b}\) を用いてゴリゴリ進めていく路線でいけば間違いないとは思います。 ただ、今回は至る所に現れる「垂直」であったり、それに付随する相似な関係など、適宜幾何的な目線で処理することで、処理を少しでも軽くするように工夫したいところです。 (1) の正射影ベクトルについては、手垢の付いた話題であり、巷では「公式化」しているかのように解説されて ...

2021/3/16

2021年度 東北大学理系第2問【面積比】【2変数の扱い】【整数問題】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   三角形の面積比という話題から始まり、その面積比を与える2変数関数のとり得る値を考え、最後は整数問題に帰着させるという欲張りな問題構成になっています。 各分野に関する総合的な力が必要で、幾何の話題→関数の話題→整数の話題、と目線の移動も激しいです。 (1) を落とすと、それに連動して (2) ,  (3) も失ってしまう問題なので、(1) は慎重に確保したいところです。   のような角度 \(\theta\) を共有する ...

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