2022年度 京都大学 理系第4問【四面体の各種考察】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 四面体に関する各種考察問題です。 京大は過去、対称性を意識したような四面体に関する論証を割とよく出題していました。 本問はパッと見ただけでは対称性というのは見えませんが、よくよく観察してみると結構対称性が隠れています。 ただ、本問の場合、機械的にベクトルでゴリゴリ進めていって何の問題もありません。 試験場においても、下手に時間を失うリスクを考えれば確実にベクトルで処理した方がよいと思います。 ベクトルで処理していって処理量が爆発するようだと考 ...
仮想難関大(オリジナル予想問題)【幾何~主要定理のオンパレード~】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 仮想難関大シリーズということで、東大、京大をはじめとする旧帝大、東工大、国公立大学医学部医学科などの難関国公立大を想定したオリジナルの自作問題です。 「手垢の付いていない問題で力試しがしたい」 という方はぜひご活用ください。 今回は幾何に関する問題です。 出来る限りシンプルな設定で、欲張りなほど基本事項を詰め込みました。 ただ、どちらかというと昔のセンター試験っぽいなと思います。 座標やベクトルなどの代数幾何に比べて、この手の計量問題は演習量 ...
オイラー線【外心と重心と垂心の位置関係】【1999年度 山梨大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) オイラー線と呼ばれる有名な話題について扱います。 1993年度札幌医科大、2006年度岩手大、2018年度上智大など、出題校をあげていくとキリがありません。 今回は最も標準的な訊き方をしている問題を例題としてもってきました。 本問の流れやストーリー、結果は難関大を目指すにあたり記憶に値します。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む オイラー線について オイラー線 三角形 \(\mathrm{ABC}\) の ...
三角形と長方形の面積に関する論証【1994年度 名古屋大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題2はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 内包関係にある三角形と長方形の面積に関する論証問題で、ある意味「そりゃそうだろ」的な主張です。 ただ、こういった論証問題の場合どこまで掘り下げて示せばよいのかが難しいものです。 加えて、配置が自由であるため 「あんたが描いた絵だったらいいかもしれないけど、こういうケースはどうすんの?」 的な突っ込みに耐えられるかど ...
三角形と整数問題【1990年度 京都大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 三角形の長さに関する整数問題です。 図形ならではの隠れた条件などに目を光らせないと、手が止まってしまったり、手際が悪くなってしまったりします。 京大の「らしさ」が感じられる良問です。 スムーズに式変形ができれば、問題ないですが、手が止まってしまったときのリカバリーについても触れてあります。 結論から言えば、セオリーに基づいて式変形すればできなくはないので、諦めずに粘り勝ちを狙っていくことも可能です。 (以下ネタバレ注意) + ク ...
四面体の切断と体積【カバリエリの原理】【2018年度 京都大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 京大が定期的に出題する四面体に関する論証問題です。 幾何・座標・ベクトルという3分野が考えられますが、本問は必要に合わせてどの分野のまな板の上で調理するかを柔軟に対応する力が養えます。 難易度としてはやや難でしょうが、得られるものは大きい問題です。 美しく解く方法もありますが、愚直にやってできないことはありません。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 色々考えられますが、ベクトルを導入し ...
円に外接する四角形の面積【図形量の最小】【2015年度 京都大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 円に外接する四角形の面積の最小を考える問題です。 テーマとしては「図形量の最大最小」であり、今回は面積を何かしら数式化し、その関数の最小について捉えることになります。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 条件(a)について 最低2つあるという直角の位置関係によって、今回は という2パターン考えられます。 変数の導入 大枠としては 長さ 角度 について変数導入の余地があります。 特に、角度を導入するとなると ...
トレミーの定理【様々な証明】【2011年度 熊本大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) トレミーの定理の証明を問題形式で考えてみます。 本問の (2) の内容がトレミーの定理です。 トレミーの定理は「裏技」的な位置づけで紹介されることが多いです。 今回は「トレミーの定理を使えば早い」といった類の問題ではなく、トレミーの定理そのものを導出することを趣旨とします。 証明はできないけど裏技として使用していた人は、これを機に今後気持ちよく使えるようにしてみてください。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを ...
複素数平面上の4点が同一円周上にある条件【2001年度 名古屋大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 複素数平面上の4点が同一円周上にあるための条件を考えるという問題で、この分野の有名事実の一つです。 幾何的な見方と、複素数を道具として使いこなす力とがバランスよく盛り込まれています。 問題のために作られた問題という作為めいたものはなく、どちらかというと古典的な内容です。 本問そのものが出題されるかどうかという目先の問題ではなく、本問に含まれる教訓を吸収してやるという意気込みで取り ...
フェルマー点【3頂点までの距離の和が最小となる点】【2000年度 東北大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) フェルマー点と呼ばれる有名テーマについての問題を考えます。 例題では、フェルマー点の取り方と、なぜそう取ればよいのかについての証明を扱います。 類題は、フェルマー点を題材とした求値問題です。 特に断りがない限り、解答や戦略は「フェルマー点の知識を前提とせずに解くとしたら」という視点で解説してあります。 ひとまず以下はフェルマー点の概略について記しておきます。 フェル ...