微分法

2021/3/10

2021年度 大阪大学理系第5問【複接線が引けるための必要十分条件】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   (1) は \(f(x)=x-\tan{x}\)  ( \(-\displaystyle \frac{\pi}{2} \lt x \lt \displaystyle \frac{\pi}{2}\) )  と設定し、微分すれば \(f(x)\) が単調減少であることが即座に分かります。 あとは任意の実数 \(a\) に対して \(y=f(x)\) のグラフと \(y=a\) が 1 点のみで共有点をもつことが言えればよく、この \ ...

2021/3/7

2021年度 大阪大学理系第1問【従属2変数関数の最小】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   パッと見た印象は (2) の \(\displaystyle \frac{t}{s}\) が (1) の結果から \(a\) ,  \(b\) の 2 変数関数で、条件から \(b=\displaystyle \frac{9}{4}-3a^{2}\) という従属性をもっている従属2変数関数の最大最小になるなと、読み取れました。 大体の方針はもう見えているので、あとは計算していくのみです。 実際の細々とした注意点については【戦略】 ...

2021/3/6

2021年度 京都大学理系第6問【素数についての証明問題】【抽象的な関数の論証】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   第6問も独立した2つの問いの形式ということに軽く驚きましたが、そこは「そういうこともあるのか」程度のものでしょう。 問1はメルセンヌ素数( \(2^{n}-1\) という形の素数 )についての有名事実 \(n\) を正の整数として、\(2^{n}-1\) が素数であるならば ,  \(n\) も素数である。 というものの延長的な話題だと思われます。 シナリオについても決め手が \(x^{n}-y^{n}=(x-y)(x^{n-1 ...

2021/3/4

2021年度 京都大学理系第2問【x切片と接点の距離】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   一見して、すぐに 接点を設定して、接線の式を立式 \(x\) 切片を求めて \(Q\)  の座標を出す \(PQ\) の長さである \(L\) の式を出す あとは煮るなり焼くなり・・・ と、方針面で困ることはないと思いますので、基本的には計算勝負となるでしょう。 落ち着いて計算ミスに気を付けて進めていきましょう。 ただ、計算してみると分かると思いますが、2 乗につぐ 2 乗が登場しますので、全集中して処理してください。 置き換え ...

2021/4/22

【解答速報】2021年度 東京大学理系第5問【関数の増減に関する考察】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 関数の増減に関する考察をさせる問題です。 今回は \(\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} x = \theta+\sin{\theta} \\ y=\cos{\theta} \end{array} \right. \end{eqnarray}\) というパラメータ表示された曲線と点 ( \(-\alpha\) ,  \(-3\) ) との距離の2乗として \(f(\theta)\) が与えられて ...

2021/4/22

【解答速報】2021年度 東京大学理系第3問【接線と共有点 , 定積分の計算】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   急ぎで作成したので、誤りや打ち間違いなどがあるかもしれませんが、ご了承ください。 (誤りが発覚し次第、訂正版をアップしていきます。) また、時期が来たら、戦略なども含めた完全版を出したいと思います。 【追記】詳細版に差し替えました。 2021年度東大理系の問題はこちら 曲線から接線を引き、接点と異なる共有点を求める定番の問題です。 連立して出てくる 3 次方程式を解くだけですから、(1) は落とせないでしょう。 その際闇雲に因数 ...

2021/4/21

変数の設定【一般性を失わない設定をする工夫】【2000年度 東京工業大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   問題文を見ると、変数らしい設定が何もありません。 自分で分野や変数を設定し、その設定の中で立式・処理を進めていく力は言うまでもなく重要です。 標準的な問題では「~~を \(x\) とする」というように、変数の設定が問題の中で与えられており、どんな文字をベースに立式していくかが明確であることが多いです。 しかし、問題が難しくなってくると、この変数の設定が解く側に課せられることになります。 問題を作る方からすれば、「問いかけ方」とい ...

2021/4/21

eの関数的な評価【微分による不等式証明の工夫】【2016年度 東京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   2016年度東京大学理系第1問です。 ネイピア数 \(e\) の定義である \(\displaystyle \lim_{ x \to \infty } (1+\displaystyle \frac{1}{x})^{x} = e\) という定義をもとにした問題であろうことは分かると思います。 この年あたりから東大の第1問は「きちんと勉強してきましたか?」というメッセージが聞こえてきそうな基本的な問題が続いていました。 とは言え、「 ...

2021/4/18

微分と不等式証明【誘導を活用するための工夫】【2007年度 大阪大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   不等式の証明がテーマとなっていますが、オチの問題で使いそうなものが (1) ,  (2) に散りばめられています。 (1) ,  (2) 自体は完答が狙える問題です。 試験場においては(1) ,  (2) までは確保したいところです。 ただ、緊張した試験場では何が起こるか分かりません。 「試験場補正」がかかってもおかしくはないでしょう。 本問はまさに実践演習といった感じです。 特別な何かがあるわけではありませんが、大切な手法や考 ...

2021/4/18

同次式(斉次式)の扱いと絶対不等式としての処理【2016年度,1990年度 立命館大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   特徴のある式についてはその個性を活かした扱い方をします。 もちろん、そんな個性のある式はそんなに沢山あるわけではありません。 対称式、交代式、相反式 \(\cdots\) など名前がある式については、個性があるから名前がついています。 今回はその中でも「同次式(斉次式)」というものを扱います。 同次式とは、各項の次数が同じ式のことです。 同次式の例 ①:\(3x^{2}+4xy-y^{2}\) ②:\(4x^{3}+5x^{2} ...

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