2024年度 東京大学理系第1問【空間座標における角度の処理】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 空間座標における角度の扱いをシンプルに訊いています。 座標において角度を扱う手法としては、様々な方法がありますが、空間座標においては ベクトルの内積を用いて \(\mathrm{cos}\) 経由で処理する という路線が最有力の路線です。 今回の角度は符号付きの角度ではないため、\(0\) から \(\pi\) までの角度で考えればよく、この範囲で\(\mathrm{cos}\) は単調減少ですから 条件 (ⅱ) は \(\cos{\angl ...
2023年度 大阪大学理系第4問【座標空間における点の軌跡】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(xz\) 平面上の点 \(\mathrm{A}\) と、\(xy\) 平面上の点 \(\mathrm{P}\) を結ぶ直線を原点を通るように垂直に切った平面 \(\alpha\) と、その切り口である点 \(\mathrm{Q}\) を考えます。 お絵描きが中々難しいですが、完ぺきに律儀な図を書かなくても、必要な情報さえ抽出できればよいでしょう。 (1) は式的に攻めるか、図から攻めるかという2路線が考えられますが、ある程度ラフな絵でも情 ...
放物線の3接線による三角形の外接円【シムソンの定理の応用】【1962年度 東京農工大】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 放物線の任意の3接線による三角形の外接円が、必ずその放物線の焦点を通るという美しい性質の証明です。 そそる見た目をしていますが、うまく頭を切り替えないと泥沼に嵌まりそうです。 (1) の設問が絶妙なヒントになっていますが、これをヒントと捉えられるかが問題です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 放物線の焦点からの垂足曲線を考える問題です。 \(y^{2}=4px\) の両辺を \(x\) で微分する ...
楕円の法線と焦点【光学的性質の証明】【2009年度 鹿児島大学】
問題(改作)はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 楕円の法線と焦点に関する美しい比率に関する性質の問題です。 原題は次のようでした。 原題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 原題では、(2) で考える特別な点 \(\mathrm{P}\) に関して、 \(\displaystyle \frac {\mathrm{PF_{1}}}{\mathrm{PF_{2}}}=\displaystyle \frac {\mathrm{QF_{1}}}{\mathrm{QF_ ...
双曲線の接線【2017年度 大阪大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 双曲線の接線に関する基本問題です。 難易度面で言えば、基礎の位置づけになると思いますが、本問が主張する内容的な部分も味わってみると興味深いものがあります。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 双曲線の接線公式 双曲線の接線公式 双曲線 \(\displaystyle \frac{x^{2}}{a^{2}}-\displaystyle \frac{y^{2}}{b^{2}}=1\) 上の点 \((x_{0} \ , \ ...
放物線の焦点を通る直交2直線【2007年度 名古屋工業大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 放物線の焦点を通る直交2直線のもつ美しい性質を体感する問題です。 学習内容的には 極が原点でない場合の極座標の扱いと、極方程式の運用 斜めの距離に対する極座標・極方程式の威力 という2点を学ぶことになります。 入試においてもちょくちょくネタにされる話題です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 状況を図示すると という状況です。 \(\theta\) の設定の仕方から、\(\mathrm{F}\) を極と ...
双曲線と幾何的性質【双曲線の各種基本】【2010年度 東京理科大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 双曲線とその性質について確認する問題です。 本問は 双曲線の焦点についての導出 双曲線の幾何的な性質 双曲線と直線の連立と、その後の処理 双曲線の漸近線 というように、この1問の中でこれだけの各種基本事項を含んでいるコスパの良い標準問題です。 何かいい問題ないかなぁという指導者側からすれば「あ~ざ~す」的問題です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について:双曲線の焦点の導出 一般に、 双曲線 ...
離心率【定点と定直線からの距離の比】【2000年度 宇都宮大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2次曲線 ( 放物線、楕円、双曲線 ) の統一的な幾何的性質を象徴する「離心率」についてを考える問題です。 離心率の定義は以下のようになります。 定点 \(\mathrm{F}\) と定直線 \(l\) がある。 また、点 \(\mathrm{P}\) から \(l\) へ下ろした垂線の足を \(\mathrm{H}\) とする。 点 \(\mathrm{P}\) と点 \(\mathrm{F}\) の距離 \(\mathrm{PF}\)と、 ...
焦点を共有する楕円と双曲線の性質【楕円と双曲線の光学的性質】【2007年度 北海道大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 有名な2次曲線の性質の問題です。 背景には「楕円と双曲線の光学的性質」があります。 楕円の光学的性質 \(F\) から出た光は \(F'\) に向かって反射します。 つまり、接線 \(l_{1}\) は \(\angle FPF'\) の外角の二等分線です。 双曲線の光学的性質 \(F\) から出た光は \(\overrightarrow{ F'P }\) 方向に反射します ...
全称命題 第5講【楕円についての論証】【1990年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 全称命題シリーズ第5講です。 シリーズ一覧はこちら そもそも、今は「全称命題」というシリーズとしての問題としてこの問題と向き合っているから頭が全称命題モードになっていて、屁理屈を言おうと思えるかもしれません。 しかし実際試験場では何が出題されるか分かりません。 色々な問題に紛れてポンとおいてあったときに、冷静に全称命題だと見抜いて必要条件を出せるのかといった難しさがあると思います。 分野的にも整数や数 ...