1の累乗根とド・モアブルの定理【2003年度神戸大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題1はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題2はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 1の累乗根とド・モアブルの定理の運用に関する問題は、入試においてよく登場する話題で、深入りしだすとキリがありません。 基本を押さえつつ、少しずつオチのつけ方で味わいが違う3題をもってきました。 このあたりの年代(2005年度入試まで)は複素数平面が数学Bに入っていた時代であり、センター試験でも出題され、文系の方も ...
1,z,z^2を3頂点にもつ鋭角三角形【2016年度 東京大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 複素数平面において \(1\) , \(z\) , \(z^{2}\) あるいは \(z\) , \(z^{2}\) , \(z^{3}\) といった、公比が \(z\) の等比数列をなるような値を頂点にもつ三角形についての考察をする問題です。 類題も様々な大学で出題されています。 正三角形や二等辺三角形など名前がついている特徴的な三角形となるケースを考えさせる出題が多く、図形的特徴を複素数平面上で立式する力が問われます。 例題は、鋭角三角形 ...
仮想難関大(オリジナル予想問題)【複素数平面における合成関数】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 仮想難関大シリーズということで、東大、京大をはじめとする旧帝大、東工大、国公立大学医学部医学科などの難関国公立大を想定したオリジナルの自作問題です。 「手垢の付いていない問題で力試しがしたい」 という方はぜひご活用ください。 今回は複素数平面における合成関数を扱った問題を作りました。 作為が作為なだけに、一度ネタバレしてしまうとチープに見えてしまうと思いますので、まずは自力でどこまでいけるのかを試してみてほしいと思います。 (以下ネタバレ注意 ...
点が三角形の内部に存在するための条件【ガウス・ルーカスの定理】【2000年度 京都大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 複素数は 数値として扱えつつ、ベクトルとして幾何的にも扱える という性質をもっているがゆえに、様々な解法が考えられる分野です。 多くの問題では \(z=x+yi\) などと「実部、虚部」を持ち出し、\(xy\) 平面の話に帰着させることで、慣れ親しんだ座標の話題に帰着させて考えても押し切れてしまいます。 複素数を複素数のまま扱うのか、実部、虚部を持ち出して処理するのかについては、この分野の方針決定上大きな路線選択です。 (以下ネタバレ注意) ...
sinの和【導出過程から応用例まで】【1994年度 和歌山大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(\displaystyle \sum_{k=1}^{n} \sin{k\theta}\) について考える問題で、テーマとしては比較的シンプルな話題です。 例題では結果を数学的帰納法で証明するというスタイルで出題されていますが、ノーヒントで導出しろといった場合にどのように導出すればよいのかについてもプラスアルファで考えてみたいと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) につい ...
単位円上の複素数【条件をどう効かすか】【2005年度 弘前大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 単位円上にある複素数 \(\alpha\) , \(\beta\) , \(\gamma\) についての性質について考える問題です。 \(|\alpha|=|\beta|=|\gamma|=1\) という条件をどう効かすかという部分について考えてみてください。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 基本路線 \(z=\displaystyle \frac{(\alpha+\beta)(\beta+\ga ...
仮想難関大(オリジナル予想問題)【フィボナッチ数列を係数にもつ2次方程式の解】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 仮想難関大シリーズということで、東大、京大をはじめとする旧帝大、東工大、国公立大学医学部医学科などの難関国公立大を想定したオリジナルの自作問題です。 「手垢の付いていない問題で力試しがしたい」 という方はぜひご活用ください。 今回はフィボナッチ数列をテーマにした問題です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 元々は カッシーニ・シムソンの定理 \(f_{1}=f_{2}=1\) という条件の下で \(f_ ...
フィボナッチ構造の数列と複素数平面【2001年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 一見何かあるのだろうかと疑わせるような設定です。 フィボナッチ構造が見える分、何かあるのか?と疑ってしまいますね。 注意 厳密には、\(f_{1}=f_{2}=1 \ , \ f_{n+2}=f_{n+1}+f_{n}\) と初期条件が 1 , 1 であるものをフィボナッチ数列と呼びます。 今回は初項が違うので「フィボナッチ構造」という呼び方をすることにします。 東大は一見して、「何かあるのか?」と思わせるような出題がよくあります。 た ...
複素数平面における対称移動【実部虚部を持ち出すか否か】【2018年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2018年度東京大学理類の第5問で、複素数平面に関する対称移動という話題からスタートし、そこから肉付けがしてあります。 今でも記憶にあるのは、この年に参加した研究会の分析会議で「本問がこの年における最難問である」という意見が多数を占めていたということです。 確かに決して簡単ではないと思いますが、 通常東大受験生が学習しているであろう範囲内の学習で、十分対応可能である内容であるということ 突拍子もない発想を要求されるわけでもないこと 上手い解法 ...
2021年度 東北大学理系第5問【複素数平面上の二等辺三角形についての考察】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 複素数平面に関する共線条件から始まり、二等辺三角形をなすための条件を求め、その二等辺三角形の面積が最大となるときをとらえるというオチです。 (1) は基本の話題なので、落としてはならないでしょう。 (2) も素直「OA=OB」または「AO=AB」または「BO=BA」であることを式的にとらえればよく、特に無理のないレベルでありこれも落としたくはありません。 (3) については頭では分かるかもしれませんが、それを説明する部分にもどか ...