解けない漸化式と不等式証明【1984年度 高考】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 高考(ガオカオ)という中国の入試問題からの問題です。 ある友人に解いてくれと言われ、解いてみたわけですが味付けが日本のものとは異なり、不思議な味わいをもった問題でした。 (1) , (2) , (3) までは日本の入試問題でもよくあるような問題なのですが、(4) が言葉にできない不思議な気持ちよさがあります。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 漸化式が与えられている状況であり、 数 ...
和から一般項【1977年度 徳島大学ほか】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 和の情報から一般項の情報に辿り着く 「和から一般項」 という話題です。 本問は1960年に当時高校生であった鹿野健氏が新作し、雑誌のコンテストで入賞したことで、後に様々な大学で出題されるようになったとのことです。 見た目の簡潔さ、教育的な内容、適度な難易度、といったバランスがよく、演習題材としてはとてもよい題材です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 和から一般項 \(S_{n}=a_ ...
絶対値付きの2項間漸化式【1986年度 九州大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 受験生にやらせてみると 「絶対値さえなければ」 と、慌てふためく人が多い問題です。 機械的な解法暗記に頼ってきた人や、Mr.丸暗記さんは残念ながら試験場で本問と出会った場合、退場を余儀なくされるでしょう。 当たり前のことが当たり前にできる ということが前提の上で、ちょっとしたイレギュラーに対応するある種の「逞しさ」を要求する問題だと言えましょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 得体 ...
相加平均と相乗平均の差【1997年度 滋賀大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(x \gt 0\) , \(y \gt 0\) のとき相加平均と相乗平均の関係 \(\displaystyle \frac{x+y}{2} \geq \sqrt{xy}\) は基本中の基本ですが、この相加平均と相乗平均の誤差について考えていく問題です。 結論が示されている証明形式であるため、問題を解くこと自体は標準的な難易度です。 まずは例題でウォーミングアップをして、同じテーマを扱ってはいますがより手ごわい類題にもチャレンジしてみてく ...
等差中項に関する論証【2005年度 三重大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 等差中項に関する論証問題です。 本問はヒントなんだけど、ヒントになりすぎない絶妙な誘導が付いており、入試問題としてはよく練られた設計です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 一般に \(a\) , \(b\) , \(c\) がこの順に等差数列である \(2b=a+c\) ということは同値 ということが言えます。 このとき、\(b\) を \(a\) , \(c\) の等差中項と言います。 ...
2項間不等式【2003年度 京都大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2項間漸化式ならぬ2項間不等式です。 本問で扱う2項間の関係は「不等式」であり、数列 \(\{a_{n}\}\) を具体的に定めていく規則性のある等式ではありません。 そのあたりの言われれば当然のことをしっかりと意識しているかで偶然解けるか、必然的に解けるかが分かれるでしょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む ホントかよという気持ち もちろん、問題文で言われている主張は本当なのですが、 \(a_{n+1} \gt ...
周期性をもつ3項間漸化式【1992年度 早稲田大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) ある漸化式の特性方程式が虚数解をもつときに、その漸化式によって定まる数列が周期性をもつような条件を考える問題です。 睨めっこしだすと頭に血が昇ってしまいますが、色々手を動かしていくうちに打開策が見えてきます。 一難去ってまた一難という感じで、山場が次々とやってきますので、それらを払いのけ、完答するためには確かな力が必要です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む ひとまず実験 この3項間漸化式を「解きにいく ...
2変数の漸化式【1996年度 北海道大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(n\) , \(m\) という2変数が絡む漸化式の問題です。 試験場だと「ウッ」となるやもしれません。 ふたを開ければ、難関大受験生にとっては基本の処理となりますが、 ふたがそれなりに重い ふたが開けられても、その後の処理は差がつく という要素をもっており、完答するためには「確かな力」が必要となります。 試験場で見慣れない未知の問題に出会ったら、という耐性をつけるという想定で臨んでみてください。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タ ...
等差数列の和の最大【2004年度 群馬大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 数列分野の中で一番最初に学習する基本的な数列である等差数列。 その等差数列と和について扱った問題です。 大抵この分野の問題は難易度的には基本レベルの問題になりがちですが、本問は定番の話題である等差数列の和の最大問題をベースとした運用力の上に 洞察力 構想力 処理力 などが求められる難問です。 各種スタミナが必要であり、機械的な態度だけでは完答するには厳しいでしょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 等 ...
折れ線と直線で囲まれる図形の面積【1994年度 工学院大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) シンプルだけどフィルターがちゃんとかかっていて、見るべき部分を見なければ解けない という良問の要素を含んでいます。 今回の題意の面積は所詮三角形の面積の総和です。 とは言え、誘導もないため、構想から組み立てる必要があり、なめてかかると想定外の負荷がかかるかもしれません。 「解説を聞いてしまえばそれまで」というタイプの問題なので、ひとまずは自力で解き進めていきましょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む ...