y=xについて対称な2曲線【式で攻めるか、図で攻めるかの判断】【1989年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) シンプルな問題です。 こういう問題はいったん手が止まってしまうと、ムキになって冷静さを失いかねませんから、試験場だと難易度とは別に危険なタイプの問題ですね。 時間無制限で取り組む分には得られる教訓も多く、いい問題です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む まずは、 本問の選択肢 図形的に攻める 式から攻める という2路線の検証ですが、図形的に攻めるのは得策ではないでしょう。 曲 ...
内積についての論証問題【必要性と十分性の論証】【1987年度 東京水産大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 内積は値(スカラー)だという認識が弱い数学が苦手な受験生は \(\vec p\) の形を見て心を閉ざしてしまいます。 一方である程度数学に前向きな人から見ると、本問は巡回性があるキレイな設定なので解く気を「そそります。」 ざっくり分けると (1) , (2) と (3) , (4) で話題が分かれています。 なので、今回の解答は(1) , (2) で一度流れを切って分けています。 (以下ネタバレ注意) &nb ...
整数問題【評価の工夫】【行き詰まったときのリカバリー】【2007年度 大分大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) パッと見の見た目としては「例題チック」な印象を受けます。 ある程度の演習をこなして、色々な「凝った問題」に触れてきた人からすると、本問の見た目は「そそる」ようなものではないかもしれません。 実際 (1) はテンプレ的な問題です。 ただ、(2) は結構難しいと思います。 閃き一発系の方針もあれば、愚直に前進していくルートもあります。 そういった意味で、勉強にはなると思いますし、得られるものもあると思います。 ぜひ一度考えてみてくだ ...
式の個性【式の形のもつ意味について考える】【2010年度 埼玉大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 見た目は座標平面の円に関する問題に見えますが、とるべき解法によって見た目の分野とは違う分野の処理が必要になってきます。 まずは初見で考えてみてほしいと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む \(ac+bd\) という式の形から放たれる強烈な「作為の匂い」を嗅ぎ取ることができれば \(P \ (a \ , \ b)\) , \(Q \ (c ...
和の極限【形から次の一手を見出す】【2003年度 京都大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) シンプルな中に芯がある、京大らしい問題です。 和に関する極限についてインスピレーションするものとしては 和の極限の有力方針 ①:求められない \(\sum_{ \ }^{ \ } \) → 面積評価 ②:区分求積法 などが考えられます。 ① についてですが、面積評価をするにあたって \(y=(-1)^{x} (\displaystyle\frac{x}{2n})^{100}\) のグラフがかけません。 ② についても直接の運用 ...
相反多項式【関数方程式への対応】【2008年度 東北大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 見た目は「これ満たす \(f(x)\) なぁ~んだ」という「関数方程式」です。 (1) で、この \(f(x)\) が高々 4 次であることを示させるということでだいぶ親切です。 次数の決定については、ノーヒントであることも多いので、誘導を期待せず自分でも考えるように準備しておきましょう。 問題は (2) です。 様々な解法が考えられますので、まずはしっかりと手と頭を動かして考えてみてください。 (以下ネタバレ注意 ...
複素数平面における幾何的な考察【1次分数変換による実軸の像】【2003年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 複素数平面に関する幾何的な考察問題です。 こういった図形を扱う分野としては 図形を扱う分野 幾何的な分野(三角比や平面図形、初等幾何など) 座標 ベクトル 複素数平面 が挙げられますが、見た目通りの分野の問題として解き進めていくのが最善とは言えないということが多々あります。 ベクトルの問題だけど座標を導入してみたり、座標の問題だけど、幾何的に見たら早かったり \(\cdots\) といった具合です。 この4分野については相互横断 ...
タクシー数【3次の不定方程式】【ラマヌジャンの逸話】【2009年度 一橋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 問題自体は不定方程式を解くという整数問題における典型的な話題です。 ただ、この問題の背景にある逸話が面白く、「ラマヌジャンのタクシー数」という逸話をもとにした問題です。 (どちらかというと読み物的な感じです) 【総括】のあとにその逸話について載せておきましたので、ぜひご覧ください。 一応ここでも折りたたんでおくので、興味があれば+マークをクリック(タップ)して読んでみてください。 + ラマヌジャンのタ ...
等比数列と等差数列がかみ合った数列【構造を把握する力を試す】【1986年度 一橋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 連続3項間の関係が等比数列、等差数列を繰り返しているという、数列を扱った問題です。 構造的には 前の2項の情報が分かったら、その次が分かる という構造です。 色々な考え方や方針がありますので、まずは自由に考えてみてください。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 具体的に実験してみると 初期条件が \(a_{1}=1\) , \(a_{2}=2\) ですから、\(a_{3}\) ...
2次方程式の整数解【整数問題の3大手法】【2003年度 千葉大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2次方程式が整数解をもつように仕組んでください、という問題は整数問題として頻出です。 本問は整数問題の基本手法 整数問題の有力方針 積の形から約数の拾い上げ 余りで分類 評価する(範囲を絞る) を念頭に置きながらどのように進めていこうか考える訓練として非常にいい問題です。 これについては、詳しくは折りたたんでおきますので、基本をしっかりと確認したい方は以下の「+マーク」をクリック(タップ)して読んでください。 + ...