従属n変数関数の最小【エントロピー】【2016年度 お茶の水女子大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 一般に、\(x_{1}+x_{2}+\cdots+x_{n}=a\) という従属な関係式をもつ正の \(n\) 変数 \(x_{1}\) , \(x_{2}\) , \(\cdots\) , \(x_{n}\) に対して \(x_{1}\log{x_{1}}+x_{2}\log{x_{2}}+\cdots+x_{n}\log{x_{n}}\) の最小値を考える問題です。 例題では、2変数、3変数という具体的なバージョンで考えてみてくださ ...
群数列の基本と運用【良問集合】【2002年度 山形大学ほか】
問題1はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 問題2はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 問題3はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 群数列の基本とその運用に関して確認し、足固めする問題です。 基本的に群数列は「めんどくさい」と思う人も多いです。 確かに 「何?何?何?ちょっと待て、え~っと」 と、設定が複雑な問題も多々あります。 群数列の目の付け所や話の進め方は基本的に一本道です。 今回は極力設定がシンプルで、その目の付け所や話の進め方に集 ...
格子点の個数についての基本【2014年度 中央大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(x\) 座標と \(y\) 座標がともに整数であるような点を「格子点」と言います。 領域が与えられて、その領域内の格子点の個数を数え上げる問題は定番のテーマです。 格子点の個数を数える基本 \(x=1\) 上の格子点が \(a_{1}\) 個 \(x=2\) 上の格子点が \(a_{2}\) 個 \( \ \ \ \ \ \ \vdots\) と数えていき、全て足し合わせればよいわけです。 つまり、\(x=k\) ...
レピュニット数【1が並んだ自然数】【2008年度 東京大学】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) レピュニット数と呼ばれる、\(1\) が並んだ自然数についての問題です。 通知表では見たくない数です。 本問は \(\overbrace{ 11 \cdots 1 }^{ n個 }=\fbox {n}\) という記号で表現されていたのですが、いちいち \(\fbox{n}\) という見慣れない記号で表現するのがイヤだったのと、\(1\) が並ぶ個数 \(n\) によって定まるという関数的な意味合いを込めて \(f(n)\) と表現させてもらい ...
分数関数の極値【安田の定理】【2007年度 青山学院大】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 問題自体は標準レベルの問題で、方針面では躓くことなく進めてほしい問題です。 今回は、分数関数の極値を計算する際の 計算上の工夫について考える というのが趣旨です。 とりあえずは自力で解き進めていってほしいと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 内接円の半径を導出する際、三角形の面積を絡めて導出するという方法が有名です。 \(\triangle{ABC}=\displaystyle \frac ...
蛇経路【経路問題の難問】【1994年度 千葉大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 定番の経路問題をベースとして、プラスアルファの思考要素が入った問題です。 (1) は落としたくないレベルですが、(2) は難問です。 東大に現役で合格するような受験生でも、このタイプは初見だと四苦八苦します。 逆に、割合は少ないですが、あっさりと解決してしまう人もいるので見える人には見えるのでしょう。 なお、(2) のモデルケースを考えてみると、蛇みたいな経路に見えるので、蛇経路と呼んでいます。 (私が勝手に呼んでいるだけで市民権はありません ...
1,z,z^2を3頂点にもつ鋭角三角形【2016年度 東京大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 複素数平面において \(1\) , \(z\) , \(z^{2}\) あるいは \(z\) , \(z^{2}\) , \(z^{3}\) といった、公比が \(z\) の等比数列をなるような値を頂点にもつ三角形についての考察をする問題です。 類題も様々な大学で出題されています。 正三角形や二等辺三角形など名前がついている特徴的な三角形となるケースを考えさせる出題が多く、図形的特徴を複素数平面上で立式する力が問われます。 例題は、鋭角三角形 ...
ラメの定理【ユークリッドの互除法の計算回数】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) ラメの定理と呼ばれる、ユークリッドの互除法のアルゴリズムの回数に関する上限を与える定理について考えてみます。 今回はラメの定理の主張を、誘導を付ける形での問題形式として考えてみることにします。 ユークリッドの互除法のアルゴリズムが最も長引くケースにフィボナッチ数列が関わってくる部分に面白さを感じます。 ユークリッドの互除法って何?という方は ユークリッドの互除法が何なんだ?という方は 確認 で原理とイメージ寄りの話をしています。 ユークリッド ...
ユークリッドの互除法【原理の証明とイメージ】【2005年度 広島市立大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2つの正整数の最大公約数を求めるときに用いられる「ユークリッドの互除法」と呼ばれるアルゴリズムについて、原理と証明を考えてみます。 古典的な手法による証明だけでなく、ユークリッドの互除法の原理が主張している内容が「当然じゃん」と思えるようなイメージをもつことで身近に感じてもらうとともに、自分の中にしっかりと落とし込むことを目的とします。 ユークリッドの互除法とは 以下 , 2 つの整数 \(a\) , \(b\) の最大公約数を \(G(a ...
サイコロの出た目の最大公約数と最小公倍数【2020年度 北海道大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) サイコロを \(n\) 回投げ、出た目の最大公約数を考える問題です。 1991年度筑波大学、2007年度大阪大学、2016年度九州大学などでも出題されています。 特に、最大公約数が \(1\) となる場合をどのように処理するかはきっちりと差がつくでしょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 最大公約数が 3 とは 最大公約数が \(3\) ということは 毎回 \(3\) か \(6\) が出る というの ...