2^x=x^2の有理数解【曲線と曲線の位置関係】【2015年度 名古屋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(2^{x}=x^{2}\) という指数関数に関する方程式の有理数解を求めるという分かりやすい題意です。 その過程で色々教訓になることを含んでいますので、本問を題材としてその教訓について見ていきたいと思います。 丁寧な誘導がついていますから、問題を解くこと自体は無理がないレベルで入試問題としては標準的な問題です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 微分するだけと言ってしまえばそれまで ...
サイコロの目による漸化式【2012年度 京都大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) サイコロの目によって決まっていく漸化式から得られる値がある範囲内に収まっている確率を求める問題です。 いかにも何かありそうな設定ですが、切り崩すために必要なものは 10%の工夫と90%の泥臭さ です。 この問題のオチは「表向き」と「裏向き」の2種類のオチがあります。 どちらも京大が度々用意するオチです。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む この漸化式の構造 今回の \(Y_{n}\) は \(Y_{n}= ...
三角関数の対称式【ノーヒントで解ききる】【2009年度 琉球大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 三角関数に関する対称式の問題です。 方針自体は (1) で立式し、(2) でその立式した式の最大最小を考える というシンプルな流れです。 ある程度の力をもった受験生であれば、腕力でねじ伏せること自体はそこまで難しくはないでしょう。 ただ、糧となる工夫についてはぜひとも身につけたい工夫です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 状況を図示すると 与えられた状況を図示すると というような図がかけるでしょう。 ...
対偶の威力【1998年度 大阪府立大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2次不等式の運用に関しての問題ですが、まともにぶつかると泥沼に嵌まる可能性が十分にあります。 一度は泥沼に嵌まるのも悪くはないです。 その経験は今後にむけて大きな糧となると思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む まともに解くと 条件 \(p\) が \(q\) であるための十分条件ということは 命題 \(p \Rightarrow q\) が真である ということです。 厳密には言葉足らずの部分もあ ...
四面体の切断と体積【カバリエリの原理】【2018年度 京都大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 京大が定期的に出題する四面体に関する論証問題です。 幾何・座標・ベクトルという3分野が考えられますが、本問は必要に合わせてどの分野のまな板の上で調理するかを柔軟に対応する力が養えます。 難易度としてはやや難でしょうが、得られるものは大きい問題です。 美しく解く方法もありますが、愚直にやってできないことはありません。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 色々考えられますが、ベクトルを導入し ...
2変数の確率【シンプルな難問】【1998年度 九州芸術工科大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 題意はメチャクチャシンプルなのですが、やってみると結構手こずります。 本問は元々誘導があったのですが、今回は方針決定から組み立てる力を磨くことを目的としたいと思い、心を鬼にして誘導をカットしました。 悩んだ挙句に解ききった快感は大きいでしょうし、たとえ途中でギブアップしてしまってもそこまでに頭を沸騰させていればそれは無駄にはなりません。 ぜひ考えて見てほしいと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む ...
三角形の内角に関する不等式【cosα+cosβ+cosγ≧1】【2005年度 京都大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 三角形の内角に関する不等式で、シンプルな題意です。 解法も様々考えられ、京大らしい問題だと思います。 試験場では愚直に解くのが現実的ですが、時間無制限で頭を鍛えるという点においては別解を考えるいい題材となるでしょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 方針1:和積公式 目標 \(\cos{\alpha}+\cos{\beta}+\cos{\gamma}-1 \geq 0\) が目標であるこ ...
3次方程式の解の絶対値【2004年度 岡山大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) ある一定以上の「確かな力」がないと、色々振り回される問題です。 ただ、いたずらな難問ではなく、戦略的に見通しを立てる力を鍛える題材としてとてもいい問題です。 場当たり的に解いてしまった人は 「何かグチャグチャやってたら解けた」 という人と 「グチャグチャやって手詰まりになっちゃった」 という人で分かれると思います。 つまり、見通しをもたずに場当たり的に解いてしまうと、結論まで辿り着けるかどうかがギャンブル的要素に左右されかねません。 (以下ネ ...
重心・垂心・外心・内心の位置ベクトル【2016年度 滋賀医科大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) これ1題で 重心・垂心・外心・内心の位置ベクトル の導出について学べるめちゃくちゃコスパの良い問題です。 三角形の代表的な点の位置ベクトルについての基本的な理解を確認するとともに、その特徴を活かして自力で導出できることを本問の目標としたいと思います。 この数字設定は解き進めていくと、 「めんどくさっ」 と思えてきますが、反面 「これ狙って作ったとしたらすげぇな」 というちょっとした驚きも含まれており、この話題をマスターしている人も確認のために ...
有名曲線【アルキメデスの螺旋(渦巻線)】【2002年度 京都大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) アルキメデスの螺旋(渦巻線)と呼ばれる有名曲線を扱った問題です。 アルキメデスの螺旋 \(a\) を \(a \gt 0\) なる定数としたとき、極方程式 \(r=a \theta\) で与えられる曲線をアルキメデスの螺旋(渦巻線)と言います。 本問はアルキメデスの螺旋の弧長について計算させる問題です。 結局差が付くのは最後の積分計算でしょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 良くも ...