4次方程式の解法【オイラーの手法】【2008年度 横浜市立大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 元々4次方程式の解法についてはフェラーリの方法が有名ですが、今回はオイラーさんにスポットが当たっています。 4次方程式の解法について 「オイラーさんがこういう方法を考えたんだけど、一緒に解いてみよう」 というN◎K的な問題です。 逆に言えば、言われたことをやっていればできてしまうとも言えます。 根号が次から次へと飛び交うため、整理力がモノを言います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について ...
三角形と整数問題【1990年度 京都大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 三角形の長さに関する整数問題です。 図形ならではの隠れた条件などに目を光らせないと、手が止まってしまったり、手際が悪くなってしまったりします。 京大の「らしさ」が感じられる良問です。 スムーズに式変形ができれば、問題ないですが、手が止まってしまったときのリカバリーについても触れてあります。 結論から言えば、セオリーに基づいて式変形すればできなくはないので、諦めずに粘り勝ちを狙っていくことも可能です。 (以下ネタバレ注意) + ク ...
内積と軌跡【軌跡の範囲】【2002年度 名古屋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 本問の料理名は 軌跡のベクトル風味仕立て~範囲のスパイスとともに~ でございます。 定番の味付けの中に、ピリッとアクセントの効いた味わいをお楽しみください。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について まずは前菜でございます。 点 \(\mathrm{A}\) \((a \ , \ a^{2})\) , \(\mathrm{B}\) \((b \ , \ b^{2})\) という設定により、 ...
自然数の和分割【2002年度 大阪教育大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 自然数を和として分割する方法について考える問題です。 シンプルでキレイな題意は、アレンジしようにもそれ以上手を加える余地があまりなく、それ以降出題を考えても二番煎じになってしまうためかえって出題を敬遠されるかもしれません。 ただ、シンプルで分かりやすく、難易度が適度におさまり、かつ手垢の付いていない良問というのはそう簡単には生み出せるものではありません。 本問は上述の良問要素を含んでいると思います。 (もちろん見る人が見たら手垢はついていると ...
等式の扱いと文字消去【2002年度 名古屋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 中々の強面です。 与えられた関係式そのものも強面ですが、「存在条件」というのもパッと見でこわいものがあるでしょう。 そもそも問題文の意味を正しく捉えられるかという点でも結構強力なフィルターがかかっていると思います。 ただ、強面ですが、根はいいやつなので仲良くしたい問題です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 題意の把握 よく分からなければ具体例で実験してみましょう。 下手くそな \(a\) , \(b ...
複素数の実数条件と軌跡【2004年度 岡山大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 複素数の実数条件と、それを満たすような点 \(z\) の集合について考える問題です。 試験場で遭遇したと想定したら、確保したい標準的な難易度でしょう。 複素数平面の問題は様々な解法が考えられ、方針によって労力が変わってくることも珍しくありません。 方針というのは、ある意味「翻訳の仕方」と言ってもよいと思いますが、今回は複素数が実数であるということをどのように翻訳するかという部分を確認していきます。 (以下ネタバレ注意) + クリ ...
円周上の3点による直角三角形【ベクトルの論証】【2001年度 大阪市立大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 円周上の3点によって直角三角形ができるための必要十分条件を考える論証問題です。 幾何的に言えば \(\triangle{\mathrm{ABC}} が直角三角形 \Leftrightarrow \mathrm{AB} \ , \ \mathrm{BC} \ , \ \mathrm{CA} のどれかが直径\) という同値性は言えるでしょう。 それをもう少し高級に主張しています。 勉強している人からすれば、今回主張されている同値性は 「そりゃそう ...
定積分の難問【対称な積分区間】【2019年度 静岡県立大学】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 定積分の計算というシンプルなオチですが、ノーヒントではほとんど差がつかないでしょう。 特に (3) で誘導の使い方が分からないと、頭に血が昇り、ムキになって 誘導に頼らずやってやる と、ますます深みに嵌まってしまうかもしれません。 そこまで複雑そうな関数にも見えないので尚更です。 最近では、こういったあまりに技巧的な要素を含む問題を嫌う傾向にありますが、芸術鑑賞と考えれば本問の話の進み方は初見の方にとっては感動的です。 (以下ネタバレ注意) ...
放物線と2直線で分けられる部分の面積【2003年度 大阪大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 放物線と直線により囲まれる面積についての処理について扱った問題です。 言われたことを言われたとおりにしかやれない人はさようなら という大阪大学の声が聞こえてきそうです。 ボリューミーな問題が特徴の阪大ですが、本問は切れ味一発系統のパズル的問題です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 状況の把握 与えられたシチュエーションを図示してみると の青色の部分が題意の等しいと言われている部分の面積です。 これらの面積を \(S ...
確率と極限【1987年度 2003年度 東京大学】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 確率と極限の融合問題ですが、実質的にはまずは確率をきちんと計算できるかが要求されます。 正六角形の頂点に印をうっていき、直角三角形ができるできないを考えるという、よくありそうな設定です。 ただ、意外と「ウッ」となる受験生は少なくないでしょう。 よくある設定のなかで、考えづらい要素を含むボディーブローのような問題です。 東大って結構そういう出題が特徴的だったりしますね。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む ...