eの関数的な評価【微分による不等式証明の工夫】【2016年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2016年度東京大学理系第1問です。 ネイピア数 \(e\) の定義である \(\displaystyle \lim_{ x \to \infty } (1+\displaystyle \frac{1}{x})^{x} = e\) という定義をもとにした問題であろうことは分かると思います。 この年あたりから東大の第1問は「きちんと勉強してきましたか?」というメッセージが聞こえてきそうな基本的な問題が続いていました。 とは言え、「 ...
縦軸回転体の体積【バームクーヘン分割】【2004年度 京都工芸繊維大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 縦軸回転体の体積をシンプルに問いかけている潔い問題です。 もちろん 単調性のある\(y\) 軸回転体の体積については \(\displaystyle\int_{a}^{b}\pi x^{2} dy\) という \(y\) 軸回転体の体積の公式をそのまま使えばいいのですが、単調性のある曲線ばかりではなく、「くり抜き」が必要な問題も多く出題されています。 手際よく処理していくことが求められます。 さすがに \((\lo ...
斜軸回転体の体積【傘型積分】【コーン積分】【2006年度 横浜国立大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 斜軸回転体の体積というテーマ性のある話題です。 通常の \(x\) 軸回転体、\(y\) 軸回転体に加え、マスターしておきたい話題のひとつでしょう。 斜軸回転体の試験場(記述式)での倒し方は次のいずれかです。 斜軸回転体の倒し方 ①:回転軸に対して垂直に切り、変数変換(置換積分) ②:回転軸を回転させて \(x\) 軸に重ねる。 ※ 傘型分割というイキった解法もありますが、順番的には① , ② をきちんとマスターすべきです。 ...
1/n乗の対数の極限【logの服を着せる】【1991年度 北海道大学ほか】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 今回の話題は \(\displaystyle\frac{1}{n}\)乗の対数の極限 です。 昔 \(\displaystyle\frac{1}{3}\) の純情な感情 という曲がありました。 響きが似ていますね。 これが言いたかっただけです。 今回の話題は個人的に壊れるほど愛しているのですが、\(\displaystyle\frac{1}{3}\) も伝わればいいなと思います。 今のくだりが \(\displaystyle\f ...
空間座標における回転体【ベビースターラーメンの回転体】【2003年度 東北大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 空間座標における回転体は出題されれば差が付くトピックスです。 難関大を目指すにあたってはしっかりと準備しておきたい話題ですので、しっかりとマスターして周りの受験生に差をつけましょう。 一般に 空間座標における回転体の扱い方 全体像を捨てろ 切ってから回す(先に回すな) 回転の中心からの最大距離・最小距離を捉える がポイントになる点です。 全体像については「仮に分かったとしても、それが体積を求めることに役に立つのか?」ということを ...
有名曲線【カージオイド】【複素数平面からの問いかけ】【2005年度 早稲田大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 複素数平面の顔をしていますが、一皮むけば、有名曲線が現れます。 もちろん、その有名曲線特有の知識がなければ解けないとかはないのでご安心ください。 少しぼやくと 今回 \(|z|=1\) を動くとしか書いていません。 \(z\) が半径 1 の円をグルグル動けば、\(w\) も際限なく動き、点 \(w\) の描く曲線の長さは特定されません。 今回は非常に好意的に解釈し、 「重なっていない部分を曲線の長さとみなして」 考えました。 ...
オイラーの無限積 ヴィエトの公式【2005年度 名古屋大学ほか】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) オイラーの無限積やヴィエトの公式などを背景とした問題を集中的に扱って、一度この話題を整理したいと思います。 問題を解けるようにするということはもちろんですが、一つの事実に対して様々なアプローチがあり、それを糧とするような学習をしていただければと思います。 丁寧な誘導がありますから、何をすればよいのか皆目見当もつかない、といったことにはならないとは思います。 難関大学を目指すにあたっては一度は経験しておきたい話題であ ...
サインカーブの等分【面積の等分問題】【2013年度 日本女子大学】
今回は登山コースを3コース用意しました。 上級コース 問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 上級コースは面積の2等分という定番問題のシナリオがきちんと自分のものになっていることを前提に、3等分という拡張版を考える問題です。 難関大受験生からすると、解くこと自体は容易いかもしれません。 それよりも本問を解く過程の中で現れる事実に驚きます。 もし、躓いた場合は、まずは本問のベースとなる2等分問題を確認してみましょう。 その場合中級コースを確認するとよいでし ...
微分と不等式証明【誘導を活用するための工夫】【2007年度 大阪大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 不等式の証明がテーマとなっていますが、オチの問題で使いそうなものが (1) , (2) に散りばめられています。 (1) , (2) 自体は完答が狙える問題です。 試験場においては(1) , (2) までは確保したいところです。 ただ、緊張した試験場では何が起こるか分かりません。 「試験場補正」がかかってもおかしくはないでしょう。 本問はまさに実践演習といった感じです。 特別な何かがあるわけではありませんが、大切な手法や考 ...
空間座標における回転体【ズレて刺さった団子の回転体】【2014年度 名古屋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 空間座標における回転体というトピックスで、難関大を目指すにあたっては避けては通れない話題です。 一般に 空間座標における回転体の扱い方 全体像を捨てろ 切ってから回す(先に回すな) 回転の中心からの最大距離・最小距離を捉える がポイントになる点です。 全体像については「仮に分かったとしても、それが体積を求めることに役に立つのか?」ということを考えれば、考えるだけ無駄です。 むしろ混乱するだけなので、考えない方がいいぐらいです。 ...