極限・微分積分系

2021/5/7

eが無理数であることの証明【微分の利用、定積分の利用】【1997年度 大阪大学ほか】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   ネイピア数 \(e\) が無理数であることを証明させるという、先人の重みを感じるような問題です。 もちろん、誘導なしで証明しろという問題が入試として出題されたとしたら、大半の人はひとたまりもないでしょう。 今回持ってきた問題は、受験の項目として大事な考え方などを含むような路線の誘導がついているということで勉強になると思います。 それに加えて、ネイピア数 \(e\) の無理数性を証明するという、学問的な事実としての面白さもあると思 ...

2021/5/1

折れ線と極限【階差数列と無限等比級数の運用】【1988年度 東京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 座標平面上において折れ線状に動く点の動きを考察する問題です。 「点 \(P\) が \(x=b\) を横切る」ということを式的に論じるにはどうすればよいか について翻訳力が問われるでしょう。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む イメージの把握 のように \(y\) の値が整数になるごとに傾きが \(s\) 倍になっていきます。 イメージとしては媒質の異なる層を光が屈折していくような感じでしょうか。 確かに ...

2021/4/29

有名曲線【アステロイド】【陰関数の微分】【1982年度 岐阜大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 本問は教科書的な項目で言えば 陰関数の微分に関する力を見る問題 ということができるでしょう。 これから述べる背景的なものや、経験的な部分でアドバンテージをもてることはありますので是非今後の糧にしておきたい問題です。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 接線の式を出すために まずは接線の式を出すために \(\displaystyle \frac{dy}{dx}\) を出す必要があります。 今回は \(y=f ...

2021/4/26

円錐を切断した立体の体積【円錐面の立式から計算まで】【2019年度 名古屋大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 円錐を切断した立体の体積について考える問題です。 立式する力から、それを計算しきる計算力まで、ある程度の総合力が必要です。 所々に散りばめれられたヒントがありますから、それを活かしきりましょう。 ただし、難関大受験生は、ヒントがなかったとしても解ききりたい内容ではあると思うので、そのつもりで学習していただければと思います。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む (1) について \(\displaystyl ...

2021/4/25

和の評価方法【面積評価とはさみうちの原理】【1996年度 大阪大学ほか】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 今回のキーワードは「面積評価」です。 特に、和に関する評価、とりわけ ポイント 「計算できない \(\displaystyle \sum_{ \ }^{ \ }\) は面積評価」 というセオリーを心に刻んでほしいと思います。 このシグマは計算できないと判断した場合、等式を諦めて不等式を繋いでいきます。 計算できるかできないかの判断をつけるようにするためには できるものはできる と言える状態を作ることです。 勉強不足によって計算できないのか、人 ...

2021/4/25

積分漸化式と極限【積分漸化式の作成】【不定形の解消】【2006年度 京都大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 積分漸化式の作成からスタートし、その漸化式によって定まる数列についての様々な極限を考える問題です。 積分漸化式の作成法、極限を求める方針決定、不等式評価のポイント、漸化式との絡み、など様々なポイントが凝縮していますから、非常に勉強になる問題です。 ただし、ポイントが沢山あるがゆえに消化不良も起こしやすいので注意しましょう。 理系の現役生にとっては数Ⅲの完成度が合否に大きく影響します。 このぐらいのレベルになってくると、単元学習の段階で学習する ...

2021/4/17

方程式の解に関する極限【視覚化による予想】【不定形の形からの判断】【2019年度 東京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 方程式の解に関して、様々な考察をさせる良問です。 この年にこの問題を解いたとき、教材として使いたいなと思った記憶があります。   (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 意外と侮れません。 機械的に差を取って微分して \(\cdots\) という態度では、はじき返されるでしょう。 下手に移項せず、\(x^{2n-1}=\cos{x}\) のまま見て、\(y=x^{2n-1}\) , ...

2023/6/11

調和級数とその応用【ケンプナー級数】【ある数字を含む項を除いた級数】【2021年度 東京工業大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 記号で書かれているために、読み取りづらい部分はありますが、 \(\displaystyle \frac{1}{1}+\displaystyle \frac{1}{2}+\cdots +\displaystyle \frac{1}{8}+\displaystyle \frac{1}{10}+\displaystyle \frac{1}{11}+\cdots \cdots \) というように、分母に数字 \(9\) を含む項を除いてできる級数は ...

2021/4/29

指数関数と対数関数の共有点【逆関数同士の交点について注意】【2018年度 名古屋大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(y=a^{x}\) と \(y=\log_{a}x\) という逆関数同士のグラフの交点について論じる問題です。 まずは何も見ずにノーヒントでこの問題に対峙してみてください。 恐らく、落とし穴にはまると思いますので。 落とし穴に嵌まりすらせずにギブアップしてしまったという人はそれはそれで問題ですが。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む この年の多くの受験生は (1) の問題において 「逆関数だから \( ...

2021/4/21

変数の設定【一般性を失わない設定をする工夫】【2000年度 東京工業大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   問題文を見ると、変数らしい設定が何もありません。 自分で分野や変数を設定し、その設定の中で立式・処理を進めていく力は言うまでもなく重要です。 標準的な問題では「~~を \(x\) とする」というように、変数の設定が問題の中で与えられており、どんな文字をベースに立式していくかが明確であることが多いです。 しかし、問題が難しくなってくると、この変数の設定が解く側に課せられることになります。 問題を作る方からすれば、「問いかけ方」とい ...

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