三角形の正射影【ベクトルと座標の解法選択】【2019年度 名古屋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 空間における三角形を平面に正射影した三角形について考える問題です。 段階的に誘導がついているため、完答するのにそこまで無茶な問題でもないはずです。 実際に、この年の名古屋大受験生の声を聞きましたが、この問題を確保している受験生の合格率が高かったという記憶があります。 (この2019年度の名古屋大は割とハードなセットでした。) 差が付くレベルの問題でしょう。 力試し的に取り組んでみてください。 (以下ネタバレ注意) ...
立体射影に関する点の軌跡【リーマン球を題材とした問題】【1980年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 空間座標における点の軌跡の問題であり、リーマン球を題材に作成したと思われます。 もちろん、そんなパワーワードを知っているか知っていないかで差が付くようなことはないので、ご安心ください。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む まずは状況把握 ざっくりと絵を描いてみると といった感じでしょうか。 とりあえず絵的にイメージがつかめるだけでも安心感が出ます。 イメージとしては N を北極 , S を ...
二等分線上の点の位置ベクトル【長さと方向をどう準備するか】【2004年度 京都大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 二等分線上の点の位置ベクトルをどのように扱うかという問題です。 結局は 長さと方向をいかに準備するか ということにエネルギーを注ぐことになります。 様々な考え方ができ、どれも教訓となる内容を含んでいると思いますので、実戦的な演習として良問です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 分野の選択について 見た目ベクトルの問題ですが、どの分野の問題として考えるかは別問題です。 図形問題の分野の選択 見た目通りベ ...
3頂点が動いたときの三角形の重心の存在範囲【2006年度 京都大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) シンプルな設定ではありますが、簡単ではありません。 分野の選択も含めて、どの道具を駆使して解き進めていくかの判断も求められます。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 座標を導入すると まずは、\(A\)\((0 \ , \ 0)\) , \(B\)\((b \ , \ 0)\) , \(C\)\((c \ , \ d)\) などとおいてみます。 \(\overrightarrow{ AP }=p\ov ...
外心に関する論証【誘導なしで方針を考える】【2002年度 名古屋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 外心に関する論証問題です。 本問は名古屋大学の問題ですが、雰囲気は京大に近い感じですね。 昔の名古屋大学って結構切れ味が鋭い論証を要求していた時代もあって、個人的に割と好みだったりします。 最近の名古屋大学の問題はスタミナが必要な問題が多くて、昔と比べると問題の雰囲気も変わってきているなと感じます。 本問は誘導がないので、方針を自分で立てる必要があります。 普段の学習においては場当たり的に解くことなく、こういった方向性で進めようという構想をも ...
四面体の外接球の存在証明【三脚錐の活用】【2011年度 京都大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 四面体の外接球の存在を証明させる問題です。 パッと見て思うこととしては 平面バージョン 平面上に三角形 \(ABC\) を考える。 このとき3頂点 \(A\) , \(B\) , \(C\) を同時に通る円が存在する。 という2次元での話です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 2次元での話では言ってみれば、 3点 \(A\) , \(B\) , \(C\) からの距離が等しい点 ...
反転変換【軌跡の有名問題】【2007年度 名古屋大学ほか】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 表向きは座標の標準問題、あるいは軌跡の問題の標準問題に見えますが、円の反転変換を題材にした問題で、入試においては高い頻度で登場する話題です。 古典的な内容であるため、考え方や流れにおいて、それなりにクセがあります。 特にオチである点 \(Q\) の軌跡については、一歩間違えると「どないすんねん」と身動きがとれなくなってしまいかねません。 逆に勉強してきた人からすれば「いただきます」と美味しく完答できるでしょう。 以 ...
空間ベクトルと三角関数【座標における角度の扱い】【2017年度 一橋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 平面座標における角度の扱いと言えば 座標平面上で角度を扱うときの方針 ベクトルの内積を用いて、cos の服を着せて角度を扱う tan の加法定理を用いて、傾きとtan の関係を用いる 複素数平面として考えて、極形式を用いて回転させる というのが一般的です。 ただ、今回のような空間座標となってくると、ベクトルの内積を用いる方針しか使えないでしょう。 あとは幾何的に翻訳するとかも考えられるかもしれませんが、本問において ...
幾何・座標・ベクトル【別解の宝庫】【2002年度 京都大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 難関大の問題では図形を扱う際、どの分野で解き進めるかという選択を迫られることが多いです。 その分野として多いのが 図形を扱う代表的分野 幾何(三角比や初等幾何) 座標 ベクトル 複素数平面 という4分野です。 そして、見た目通りの分野が最短の解法になるとは限らないところが厄介です。 見た目ベクトルの問題だけど、座標で解いたり、見た目座標の問題なんだけど幾何的に見た方が早かったり \(\cdots\) といった具合です。 本問は非常に多くの戦略 ...
内積についての論証問題【必要性と十分性の論証】【1987年度 東京水産大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 内積は値(スカラー)だという認識が弱い数学が苦手な受験生は \(\vec p\) の形を見て心を閉ざしてしまいます。 一方である程度数学に前向きな人から見ると、本問は巡回性があるキレイな設定なので解く気を「そそります。」 ざっくり分けると (1) , (2) と (3) , (4) で話題が分かれています。 なので、今回の解答は(1) , (2) で一度流れを切って分けています。 (以下ネタバレ注意) &nb ...