幾何・ベクトル系

2021/7/6

1,z,z^2を3頂点にもつ鋭角三角形【2016年度 東京大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 複素数平面において \(1\) , \(z\) , \(z^{2}\) あるいは \(z\) , \(z^{2}\) , \(z^{3}\) といった、公比が \(z\) の等比数列をなるような値を頂点にもつ三角形についての考察をする問題です。 類題も様々な大学で出題されています。 正三角形や二等辺三角形など名前がついている特徴的な三角形となるケースを考えさせる出題が多く、図形的特徴を複素数平面上で立式する力が問われます。 例題は、鋭角三角形 ...

2021/6/27

折れ線の長さの最小値【2次元の問題と3次元の問題】【2007年度 愛知教育大学ほか】

平面の問題【問題1】はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 空間の平面上を動く問題【問題2】はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 空間の直線上を動く問題【問題3】はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2つの定点 \(A\) ,  \(B\)  と、動点 \(P\) があり、折れ線の長さ \(AP+BP\) の最小値を考える問題で、テーマとしては割と手垢の付いた話題です。 ただ、難しくする余地が多々あり、今回は段階を踏んで徐々にレベルアップして ...

2021/6/14

等面四面体【体積計算と存在証明】【2014年度 早稲田大学】【1999年度 京都大学】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   4つの面が全て合同である四面体のことを「等面四面体」と言います。 この等面四面体については初見でぶつかると、ほとんどの人がはじき返されることになります。 初見であれば、ひとまずは全力で考えてみてください。 脳に汗をかいて脱水症状になりかけたら、知識として糧にしてしまうのも仕方ありません。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む まともにぶつかると 真正面からぶつかると、体積計算をするにあたり、底 ...

2021/6/9

3辺の巡回ベクトル【隠れた条件と1次独立性】【2016年度 東京海洋大学】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   巡回性をもった設定であり、「そそる」香りが漂ってくる問題です。 アッサリと終わってしまう人もいれば、右往左往する人も出てくると思います。 キレイなバラには棘がある とはよく言ったものですが、本問は若干棘があるように思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 「\(\triangle{ABC}\) が正三角形 ならば \(\vec{p}=\vec{0}\)」の証明 について まずは \ ...

2021/6/8

点が三角形の内部に存在するための条件【ガウス・ルーカスの定理】【2000年度 京都大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 複素数は 数値として扱えつつ、ベクトルとして幾何的にも扱える という性質をもっているがゆえに、様々な解法が考えられる分野です。 多くの問題では \(z=x+yi\) などと「実部、虚部」を持ち出し、\(xy\) 平面の話に帰着させることで、慣れ親しんだ座標の話題に帰着させて考えても押し切れてしまいます。 複素数を複素数のまま扱うのか、実部、虚部を持ち出して処理するのかについては、この分野の方針決定上大きな路線選択です。 (以下ネタバレ注意) ...

2021/6/6

空間座標の設定の工夫【立方体を対角に切断した面上の円】【1988年度 信州大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 空間図形の問題ですが、料理の仕方によっては差が出るでしょう。 設定力が完答できるかどうかに直結します。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 立方体の問題で座標を設定しようと思うと 通常、立方体に対して座標を設定するとなると といったように、立方体の辺に沿って座標軸を設定するのが普通です。 しかし、今回はそれだと題意の円上の点 \(P\) の座標を表現するのが大変です。 題意の円を簡潔に表現するためには 動 ...

2021/6/3

極と極線【調和点列に関する話題】【1981年度 大分医科大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 極、極線という有名な構図があります。 その構図に関する有名事実をネタにした問題です。 工夫なしで立ち向かうとなると厳しい計算に襲われるかと思います。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む まずは座標設定 とりあえずは座標を設定したいところです。 \(P\)\((p \ , \ 0)\) \((p \gt 1)\) などと設定するのが自然でしょうか。 \(P\) ,  \(Q\) ,  \(R\) ,  \( ...

2021/5/17

動点の存在範囲【直線のベクトル方程式の拡張】【1976年度 東京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 本問は当時の受験生が試験直後、 「これどうやって解くの?」 とざわついた問題だそうです。 確かに一見、掴みどころのない問題に見えますが、手を動かしていくうちに「要領」は分かってくるでしょう。 ただ、それをうまく言語化する、あるいは式に落とし込む部分が難しく、腕の見せ所です。 本問は東大お得意の「これは基本だよね?じゃあこうなったらどうする?」という味付けの問題で良問です。 ただ、ストレートではなく、少々薄皮一枚かぶせたような聞き方(問い方)を ...

2021/5/17

ベクトルと整数問題【正射影ベクトルの扱い】【1989年度 新潟大学ほか】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   正射影ベクトルの扱いから入り、そこから整数問題チックなオチに着地するという気持ちの良い問題です。 ただし、(1) の正射影ベクトルの扱いで躓いてしまうと、(2) ,  (3) まで進めないため、最後のオチのキレイさを感じることはできません。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 正射影ベクトルについて というように \(\vec{b}\) を \(\vec{a}\) の方向に正射影した正射影ベ ...

2021/5/2

歪んだ八面体【空間把握するための工夫】【2019年度 東京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 3次元空間における歪んだ八面体を、ある平面で切った切り口について考察する問題です。 東大はこういった空間把握力を試すような問題を好んで出題する傾向にあります。 本問も、空間把握力を真正面から問いかけています。 苦手意識をもつ人も多い話題だとは思いますが、少しでも見やすくする工夫を考えてみるきっかけとなる機会となればと思います。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 全体像は 問題のシチュエーションを軽く図示 ...

© 2024 MathClinic