いずれかが成り立つ不等式【1987年度 早稲田大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(A \geq n\) , \(B \geq n\) の少なくともどちらかは成り立つということを証明するという問題です。 方針面で「こうしてみようかな」という構想は出てくると思います。 解き終わってみると、ワンポイントレッスンのような問題に感じるでしょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 第一感は背理法 \(A \geq n\) または \(B \geq n\) が成り立つことを示すにあたり、少なくとも一方が成 ...
三角形の成立条件と判別式【覚えるべき部分とその場で判断する部分の線引き】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) なめてかかると火傷するタイプの問題です。 「判別式とるだけだろ?なめんなよ」 と威勢よく取り組みだすと、だんだん青ざめていく人が増えていくと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 最初の一手はもちろん判別式 \(y=bx^{2}+(b+c-a)x+c\) という下に凸の放物線が \(x\) 軸と交点をもたなければ、全ての実数 \(x\) で \(bx^{2}+(b+c-a)x+c \gt 0\) ということが言 ...
2次同次式の不等式証明【次数に注目】【1997年度 島根大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 条件付きの不等式証明の問題ですが、見かけほど簡単ではないでしょう。 基本レベルだとは思いますが、スジが悪いと右往左往しかねない要素もあります。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 手なりに(愚直に)進める方針 条件1つで1文字消去 ひとまず愚直に手を進めるとなると ポイント 条件1つで1文字消去 という言葉にしたがって \(c=3-a-b\) などと文字を消す方針が考えられます。 手なりに差をとって \( ...
2次不等式の整数解【両端が動く】【2006年度 中京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2次不等式の解の中に含まれる整数の個数について考える問題です。 単元学習の段階では、2次不等式の解の両端のうち、片側が具体的な数値であるものが例題として与えられることが多いと思います。 例題 \(a\) を定数とする。 \(2x^{2}-(a+2)x+a \lt 0\) を満たす整数 \(x\) が \(3\) 個となるような \(a\) の範囲を求めよ。 解答 題意の2次不等式は \((x-1) (2x-a) \lt 0\) (i) \( ...
ラグランジュの補間法【1989年度 関西大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) ラグランジュの補間法に関連する問題を扱ってみます。 一見するとゴッツい形になりますが、中身を見て見ると心地よさを感じる内容です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 高々2次の整式 \(f(x)\) に対して、 \(f(\alpha)=0\) , \(f(\beta)=0\) , \(f(\gamma)=0\) という相異なる3つの代入値が \(0\) となるなら、恒等的に \(f( ...
不動点を利用した合成方程式【f(f(x))=x の解】【2011年度 日本女子大ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 合成関数が絡んだ高次方程式を解く問題です。 誘導があるため、難易度としては標準と言ってもよいでしょう。 場当たり的に雰囲気で解けてしまったという人も多いと思いますが、見通しを持ちながら解き進めることができるかどうかについてをチェックしてほしいと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 不動点について \(f(x)=x\) を満たすような \(x\) を不動点と言います。 \(f(x)=x\) という ...
上二桁の値【最高位の数字の次の値】【2018年度 早稲田大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 桁数、最高位の数字、1の位など、このあたりは定番の話題ですが、本問はそれに加えて 最高位の次の数字 を聞いています。 一見面食らうかもしれませんが、基本をキッチリとおさえていれば対応できる範疇です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 1 の位について 自然数の累乗の 1 の位 ( 10 で割った余り ) については周期性をもちます。 詳しくは以下の記事で取り扱っています。 今回の \(3^{n}\) に ...
2の累乗の最高位の数【2004年度 早稲田大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2 の累乗に関して最高位の数について考察する問題です。 桁数問題と併せて最高位の数についても問われることが多いのですが、今回は2の累乗にスポットを当てて考えてみます。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 桁数や最高位の数を求める基本 例えば、 \(3^{2021}\) の桁数を求めよ。 ただし、\(\log_{10} 3=0.4771\) とする。 という問題があったとします。 これについては、色々な書き ...
放物線と円の共有点の個数【方程式の解の意味】【2015年度 大阪市立大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 放物線と円の共有点の個数について直球で訊いている問題です。 放物線と円の共有点については結構ウルサイので、場当たり的になってしまうことも多いかと思います。 直感的に処理できる部分や、式に教えてもらう部分が混在するところもあるため、一つずつ丁寧に整理していきましょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 共有点を考察するにあたって \(x^{2}+y^{2}=1\) と \(y=ax^{2}+b\) を連立 ...
解の配置問題【左辺と右辺の組み換え】【2003年度 大阪市立大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2次方程式の解に関して注文が入る「解の配置問題」と呼ばれる問題です。 その中でも今回扱うのは 「少なくとも1つ」 というタイプです。 このタイプは手際が悪いとグチャグチャになる可能性が高いので、整理しながら集中して処理する必要があります。 王道的な態度に加え、こういう切り口から考えるのはどうだろうかという提案も込めて複数解法を紹介します。 とは言え、一度は自分の頭で考えて苦労しないと、工夫のありがたみ的な部分が薄れると思います。 自分で整理す ...