無理方程式と論証【両辺2乗と同値性】【1961年度 横浜国立大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) シンプルに無理方程式を解くという題意ですが、 バシッと完答できる アワワワとなって泡を吹く 実数解には辿り着けたが、論証面で傷を負う の3パターンのどれかにキッチリ分かれるでしょう。 このあたりの論証は普段からどれだけ丁寧に学習を積み重ねてきたかが問われます。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 基本方針 一見どこから手を付けたらよいのか立ち往生しかねませんが、基本方針としては根号を外す 「2乗操作」 を ...
tanに関する不等式証明【相加平均と相乗平均の間】【1991年度 京都大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(\mathrm{tan}\) に関する不等式証明であり、「平均値の代入値」が \(\tan{a}\) と \(\tan{b}\) の相加平均と相乗平均の間に挟まれることを示させる問題です。 相加平均や相乗平均などの意味のある形の式が登場するため、目を引く主張ですね。 京大受験生であれば、右側の不等式については何らかの形で捌いてほしいとは思います。 難しいのは左側の不等式の証明で、何かしらの切れ味が求められます。 ただ、その発想は突拍子もな ...
サイクリックな形の2次関数の最大値【1964年度 横浜国立大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(a\) , \(b\) , \(c\) についての対称性(巡回性)をもった2次方程式、2次関数の最大値について考える問題です。 とりわけ (2) は絶対値付きの2次関数の最大値ということで、色々うるさそうな問題に見える反面、 なんかうまくできそう という気を掻き立ててきます。 こういう香ばしい匂いのする問題はある意味危険で、深入りしすぎて爆死する可能性も孕んでおり、試験場においては冷静な判断が求められるでしょう。 (以下ネタバレ注意) ...
独立2変数の絶対不等式【2005年度 東京理科大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 1変数に関する絶対不等式をもとに、独立2変数に関する絶対不等式まで扱う問題です。 (1) は定番中の定番の話題で、(2) も学習を進めている人からすれば経験しているという人も多いでしょう。 (2) は噛み砕き力があれば、初見でも対応は可能です。 ただ、マニュアルに依存していると何が言えればよいのかを噛み砕けず立ち往生しかねません。 結果的に分からなくて解答を見ること自体は否定しません。 知らなきゃキツイ問題や、経験に依存する問題があるのも事実 ...
放物線の交点による四角形の対角線【2011年度 立命館大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 放物線の交点によってできる四角形の対角線の方程式を求めるという問題です。 まともにカチ合うと茨の道であることは目に見えると思います。 テーマ的には 交点を通る図形の方程式 というテーマです。 よくあるのは 円と円の交点を通る円または直線 について扱った問題で、単元学習時点ではクセの強さゆえ、中々自分のものにするのが大変なトピックスだったと思います。 本問はそのような基本問題をしっかりと自分のものにしているという前提で、その考えを使いこなす応用 ...
放物線上の4点によって作られる四角形の面積の最大【1990年度 横浜市立大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 放物線上の4点によって作られる四角形の面積の最大値を考える問題です。 すごくシンプルな問題に見えますが、完答するためには確固たる足腰が必要な問題です。 手際が悪いと案外打ち損じてしまう可能性も十分ありますが、地道に鍛錬を重ねてきた人は初見であってもキッチリと確保してくるでしょう。 そういった意味で合否の分かれ目となりそうなレベルの標準問題です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 座標の設定 ひとまずは、 ...
楕円の法線と焦点【光学的性質の証明】【2009年度 鹿児島大学】
問題(改作)はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 楕円の法線と焦点に関する美しい比率に関する性質の問題です。 原題は次のようでした。 原題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 原題では、(2) で考える特別な点 \(\mathrm{P}\) に関して、 \(\displaystyle \frac {\mathrm{PF_{1}}}{\mathrm{PF_{2}}}=\displaystyle \frac {\mathrm{QF_{1}}}{\mathrm{QF_ ...
定点からの見込む角が等しくなる点の軌跡【2008年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 定点 \(\mathrm{A}\) , \(\mathrm{B}\) , \(\mathrm{C}\) が与えられ、 \(\angle{\mathrm{APC}}=\angle{\mathrm{BPC}}\) となる点 \(\mathrm{P}\) の軌跡を考えます。 題意はシンプルですし、恐らく直感的に結論も見える人もいると思います。 ただ、 その場所以外に点 \(\mathrm{P}\) は存在し得ない ということを論じきろうと思うと ...
3文字の対称式の値【2003年度 慶應義塾大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 3文字の基本対称式の値から、4乗和と5乗和という対称式の値を導出するという内容です。 なめてかかると、5乗和の方で「ん?」となるかもしれません。 確かな力があればそのまま押し切ることもできますし、エスケープしてリカバリーすることもできます。 様々な解法があるため、色々考えてみてほしいと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 基本対称式の値 解と係数の関係から $$\begin{eqnarray} \left\{ ...
放物線に接する外接円【1988年度 大阪大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 放物線に接する外接円の列に関する座標と数列の融合問題です。 放物線と円が接するという状態をどのように捌いていくか それによって得られた数列をいかに捌いていくか という部分が山場となります。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 設定 ひとまず今回の円 \(O_{n}\) の方程式を立式するために、中心の座標と半径を設定することにします。 中心を \((0 \ , \ a_{n})\) , 半径を \(r_{n}\) と ...