Kenichiro Iwata

【モットー】:凡人の数学 ☛大学入試の数学は「正しく」勉強すれば報われることを伝えたいと思います。 【生業】:大学受験指導 【経歴】:名古屋大学理学部数理学科卒 【目標】:サイト名に込めました。(現在目標達成に向けて日々邁進)

2021/4/18

微分と不等式証明【誘導を活用するための工夫】【2007年度 大阪大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   不等式の証明がテーマとなっていますが、オチの問題で使いそうなものが (1) ,  (2) に散りばめられています。 (1) ,  (2) 自体は完答が狙える問題です。 試験場においては(1) ,  (2) までは確保したいところです。 ただ、緊張した試験場では何が起こるか分かりません。 「試験場補正」がかかってもおかしくはないでしょう。 本問はまさに実践演習といった感じです。 特別な何かがあるわけではありませんが、大切な手法や考 ...

2021/4/18

幾何・座標・ベクトル【別解の宝庫】【2002年度 京都大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 難関大の問題では図形を扱う際、どの分野で解き進めるかという選択を迫られることが多いです。 その分野として多いのが 図形を扱う代表的分野 幾何(三角比や初等幾何) 座標 ベクトル 複素数平面 という4分野です。 そして、見た目通りの分野が最短の解法になるとは限らないところが厄介です。 見た目ベクトルの問題だけど、座標で解いたり、見た目座標の問題なんだけど幾何的に見た方が早かったり \(\cdots\) といった具合です。 本問は非常に多くの戦略 ...

2021/4/18

空間座標における回転体【ズレて刺さった団子の回転体】【2014年度 名古屋大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   空間座標における回転体というトピックスで、難関大を目指すにあたっては避けては通れない話題です。 一般に 空間座標における回転体の扱い方 全体像を捨てろ 切ってから回す(先に回すな) 回転の中心からの最大距離・最小距離を捉える がポイントになる点です。 全体像については「仮に分かったとしても、それが体積を求めることに役に立つのか?」ということを考えれば、考えるだけ無駄です。 むしろ混乱するだけなので、考えない方がいいぐらいです。 ...

2021/4/18

減衰曲線【立式からその処理までの一連の流れを確認】【1994年度 東京工業大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   減衰曲線を扱った定番の問題です。 本問に限らず、同様の趣旨の問題は毎年どこかでは出題されます。 多少の亜種はありますが、シナリオは大きく変わりません。 今回は一番シンプルな  \(y=e^{-x}|\sin{x}| \)  というタイプの減衰曲線をもってきました。 これについては「定着するまできちんと勉強してきたか」ということで差が付くでしょう。 特に理系の現役生の方は数Ⅲの完成度がモノを言います。 数Ⅲについてはやるべきことや ...

2021/4/18

同次式(斉次式)の扱いと絶対不等式としての処理【2016年度,1990年度 立命館大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   特徴のある式についてはその個性を活かした扱い方をします。 もちろん、そんな個性のある式はそんなに沢山あるわけではありません。 対称式、交代式、相反式 \(\cdots\) など名前がある式については、個性があるから名前がついています。 今回はその中でも「同次式(斉次式)」というものを扱います。 同次式とは、各項の次数が同じ式のことです。 同次式の例 ①:\(3x^{2}+4xy-y^{2}\) ②:\(4x^{3}+5x^{2} ...

2021/4/18

従属2変数関数の最大最小【2018年度 福島大学】【2016年度 立命館大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)     2変数関数の最大最小問題で、本問のように「それ自身が問題」ということもあれば、「問題を解く中で処理する必要がある」場面もあるでしょう。 そういった意味で、最大最小問題についての基本的な方針は身につけておく必要があります。 今回は従属2変数関数の最大最小問題について見ていきます。 (1) で通用する態度が (2) で通用しないと思いますので、そのあたりをどう乗り越えるかを考えてみましょう。   (以下ネタバ ...

2021/4/18

積の形からの約数拾い【素因数の振り分けの工夫】【2005年度 東京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   約数を拾うタイプの問題で、定番の問題に見える一方、解き進めていくと、本問がもつ個性に注目して解き進める必要性も出てくるため、非常にいい問題です。様々な解法も考えられるため、教材として採用したくなりますし、実際様々な問題集などで採り上げられています。 問題自体は「積の形から約数拾い」という方針が目につく形です。 最初の一手である因数分解は恐らくすぐに気が付けると思います。 \(a(a-1)=2^{4}5^{4}M\) という形を得 ...

2021/4/18

不定方程式【積の形から約数拾い】【2016年度 東京理科大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)     本問は不定方程式に関する基本的な確認から、少し対応力が必要な設問まであります。 整数問題の有力方針 積の形から約数の拾い 余りで分類 評価する(範囲を絞る) と、整数問題に対する有力な方針は3つあります。 もう少し単純な例題で確認したい方は以下に折りたたんでおくので、「+マーク」をクリック(タップ)して確認してみてください。     + クリック(タップ)して続きを読む 積の形から約数の拾い上げ ...

2021/4/18

等式・不等式の証明【差がつく有名な形】【2009年度 東北大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)     等式・不等式の証明問題の問題として、本問は要点が凝縮されています。 そのためか練習問題として様々な問題集に収録されています。 演習の初期としては手ごろなレベルだと思います。 経験の有無に左右されるポイントや急所を含んでいますが、逆に言えば勉強していれば試験場では確保できる問題です。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む パッと思いつく方針としては 重要 \(x^{3}+y^{3} ...

2021/4/25

ピタゴラス数 第4講【イェスマノヴィッツ予想】【有名事実】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   シリーズ一覧はこちら   非常にシンプルな問題ですが、難問です。 本問は歴史的には1955年にシェルピンスキーという数学者によって解決されました。 その後、この問題は一般のピタゴラス数についても成り立つか?という疑問に変わっていきます。 すなわち \(a\) , \(b\) , \(c\) を \(a^{2}+b^{2}=c^{2}\) を満たす正の整数とする。 \(a^{x}+b^{y}=c^{z}\) を満たす正の ...

© 2024 MathClinic