Kenichiro Iwata

【モットー】:凡人の数学 ☛大学入試の数学は「正しく」勉強すれば報われることを伝えたいと思います。 【生業】:大学受験指導 【経歴】:名古屋大学理学部数理学科卒 【目標】:サイト名に込めました。(現在目標達成に向けて日々邁進)

2024/4/28

2024年度 東北大学理系第4問【2球面の交円上を動く点の立式】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2球面の交円上を動く点の立式に関する問題です。 丁寧なレールが敷いてありますが、状況を見失ってしまう受験生も少なくないでしょう。 立式するための補助的な図をイメージできるとある程度スムーズに方向性が見えてくるでしょうが、律儀に図を描こうとして混乱したり、無駄に時間を失ってしまう可能性も十分あります。 座標軸を先にかいてしまうと、図を描くのが困難になります。 座標軸は一旦無視して簡易的な図が描ければ、何を目指せばよいか、あるいはどのように式を立 ...

2024/4/11

2024年度 東北大学理系第3問【文字列作成に関する確率漸化式】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 文字列作成に関する確率漸化式についての問題です。 問題文が長く、把握に時間がかかりそうですが、読み解いてみると、 ①:確率 \(\displaystyle \frac{2}{3}\) で末尾に A を追加 ②:確率 \(\displaystyle \frac{1}{3}\) で末尾に B を追加 ③:AAA というような A の3連続は不可 ④:BB というような B の 2 連続は不可 というルールで文字列を作成していくという単純なルールで ...

2024/3/29

2024年度 東北大学理系第2問【整式と対数関数の大小】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 不等式の証明からスタートし、それを用いて \(n \leq 2\log_{2}n\) を満たす正の整数 \(n\) を求めるという内容です。 (1) の不等式の証明では、与えられた条件式、特に (a) をどのように活用するかが問われます。 (1) の主張は大まかに \(x \geq 2 \log_{t}x\) ならば、\(x+1 \gt 2 \log_{t}(x+1)\) という構造になっており、さながら帰納法の橋渡し的な内容です。 これを用 ...

2024/3/27

2024年度 東北大学理系第1問【放物線と2直線で囲まれた領域の面積】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 放物線と2直線で囲まれた領域の面積に関する問題です。 文字を含んだ放物線を扱うため、計算量について身構えますが、数値的にキレイに仕組まれているため思っているほどの負担感は感じません。 様々な捌き方がありますが、基本的には手なりに進めていける問題です。 特に(3)は(2)ができていればボーナス的な問題であるため、しっかりと完答したいところです。 接点 \(\mathrm{Q}\) の \(x\) 座標 \(q\) の導出については、判別式の路線 ...

2024/3/25

2024年度 京都大学 理系数学【総評と感想】

2024年度京大理系 各解説記事 150分 6題 記述式 と、形式に変更はありませんが、 2023年度の 35点問題×4題+30点問題×2題 に対して、2024年度は 30点問題×4題+40点問題×2題 と配点が変わりました。 分野的トピックス 6題中4題に数Ⅲが絡んでいます。特にオチが極限という問題が3題ありました。 また、昨年(2023年度)あった小問集合はなくなりました。 各大問について 第1問(標準) 問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(n\) 色を準備し、立方体の ...

2024/3/25

2024年度 京都大学理系第6問【整数部分がn桁であるものの中で最高位の数字が1となるものの割合】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(2^{\sqrt{k}}\) の整数部分が \(n\) 桁となるものの中で、最高位の数字が \(1\) となるものの割合について、その極限を考える問題です。 \(2^{\sqrt{k}}\) が \(n\) 桁ということは \(10^{n-1} \leq 2^{\sqrt{k}} \lt 10^{n}\) ということになり、整理すると \((\displaystyle \frac{n-1}{\log_{10}{2}})^{2} \leq ...

2024/3/25

2024年度 京都大学理系第5問【領域の面積と極限】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 連立不等式で表された領域の面積と、その極限に関する問題です。 今回扱う \(y=\displaystyle \frac{e^{x}-e^{-x}}{2}\) ,  \(y=\displaystyle \frac{e^{x}+e^{-x}}{2}\) は双曲線関数と呼ばれる有名曲線であり、 \(\sinh{x}=\displaystyle \frac{e^{x}-e^{-x}}{2}\) ,  \(\cosh{x}=\displaystyle ...

2024/3/19

2024年度 京都大学理系第4問【条件によって分岐する漸化式】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 項の偶奇によって、次の項を定めるための漸化式が変化する、変則的な漸化式についての問題です。 最初の一歩目に大きな山場があり、その山場をクリアーすれば計算量は少なくシンプルに解決に向かうという京大らしい問題です。 (1) ,  (2) がほぼ同じ要領であるため、(1) ができれば (2) も解決する可能性が高く、逆に (1) ができないと (2) も厳しいでしょう。 スタートの \(a_{0}\) から奇数が連続するということは奇数が連続してい ...

2024/3/18

2024年度 京都大学理系第3問【2直線がねじれの位置にあるための必要十分条件】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2直線がねじれの位置にあるための必要十分条件を考える問題です。 必要十分条件ということであり、ねじれの位置にあるということを正確に翻訳するということになります。 直線 \(\mathrm{PX}\) , 直線 \(\mathrm{QY}\)がねじれの位置にあるとは 直線 \(\mathrm{PX}\) , 直線 \(\mathrm{QY}\) が平行でない かつ 直線 \(\mathrm{PX}\) , 直線 \(\mathrm{QY}\) ...

2024/3/13

2024年度 京都大学理系第2問【独立に動く2点を結ぶ線分の中点の存在領域】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 円板上の点と円周上の点を両端にもつ線分の中点の存在領域を考える問題です。 複素数 \(x\) ,  \(y\) はお互いに干渉することなく、独立に動くため、 まずは片方を固定し、1つずつ動かす という予選決勝法の考え方で捌いていくことを考えます。 その際、先にどちらを固定するかという点で体感のやりやすさ・やりにくさが若干変わってきます。 複素数を複素数のまま扱う方法もありますし、実部・虚部を持ち出し、 \(z=p+qi\) などとおいて、この ...

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