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係数が左右対称となっているような方程式を
相反(そうはん)方程式
と言います。
ノーヒントかつ初見だとアタフタしますが、大抵誘導がついています。
とは言え仮にノーヒントであったとしてもある程度は対応できるように準備はしておきましょう。
(以下ネタバレ注意)
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偶数次相反方程式の特徴
今回の例題をもとにしますが、偶数次の相反方程式の特効薬は
偶数次の相反方程式の特効薬
真ん中で割る
という態度になります。
今回は x^{2} の項が真ん中なので、この方程式の両辺を x^{2} で割ってやります。
今回 x=0 は x^{4}+2x^{3}+ax^{2}+2x+1=0 を満たしません。
なので、x^{4}+2x^{3}+ax^{2}+2x+1=0 を満たす x は
\displaystyle \frac{x^{4}+2x^{3}+ax^{2}+2x+1}{x^{2}}=0 を満たす x と同じです。
係数が左右対称であることが効いてくるため
(x^{2}+\displaystyle \frac{1}{x^{2}})+2 (x+\displaystyle\frac{1}{x})+a=0
とまとめることができます。
t=x+\displaystyle \frac{1}{x} とおくと x^{2}+\displaystyle \frac{1}{x^{2}}=(x+\displaystyle \frac{1}{x})^{2}-2 なので、
t^{2}+2t+a-2=0
という置き換え 2 次方程式に帰着します。
奇数次の相反方程式はどうするか
例えば
奇数次の相反方程式例題
x^{5}+2x^{4}+3x^{3}+3x^{2}+2x+1=0
という 5 次の相反方程式について考えてみます。
「真ん中がない」
といって騒がないようにしましょう。
観察力の問題ですが、係数が左右対称であるがゆえに、
奇数次の相反方程式は必ず x=-1 を解にもちます。
そうすると、因数定理より x+1 を因数にもつことになりますから、左辺を因数分解すると
(x+1)(x^{4}+x^{3}+2x^{2}+x+1)=0
ということになります。
そして、x+1 で括った相方の x^{4}+x^{3}+2x^{2}+x+1 は偶数次の相反多項式となっています。
相反方程式の解の特徴
逆数も解となる
相反方程式が x=\alpha を解にもつのであれば、x=\displaystyle \frac{1}{\alpha} も解となる
ということは証明まで含めて自分の中に落とし込んでおきましょう。
本問について
本問は誘導がついていました。
まぁノーヒントだとほとんど知識的側面で完答できるかどうかが左右される話題です。
そこで差がつかないよう多少のネタバレを割り切って誘導をつけた出題が多いです。
本問も相反方程式を題材としながら、オチは、置き換え2次方程式による解の配置問題です。
元々の題意を言い換える力が必要であり、演習に適した問題だと思います。