円を折り返した折り目の存在範囲【1992年度 千葉大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 円を折り返したときの折り目の存在範囲を考える問題です。 シンプルな題意ですが、解き進めていくといくつかの上級テーマが次から次へと襲い掛かってくるため、完答するためにはそれらを払いのけるだけの確固たる力が必要です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 座標の設定 まずは座標の設定です。 自然に設定するとしたら \(\mathrm{A}\)\((-1 \ , \ 0)\) , \(\mathrm{B}\)\((1 \ , ...
絶対値に関する従属2変数関数【2009年度 群馬大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 絶対値に関する従属2変数関数の最大最小問題です。 従属2変数関数については などで色々取り扱ってはいます。 これまで身につけたノウハウがきちんと通用するかを確認するとともに、手薄になりがちな手法も確認する目的として演習していただければと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 従属2変数関数の扱いの基本 従属2変数関数に関しては 文字消去 ということを狙うのがまずは第一です。 2変数関数から文字が消 ...
累乗根と大小比較【2002年度 名古屋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 5乗根に関する数の大小比較の問題です。 目に付いた特徴によって様々な解法が考えられるあたりが面白いところです。 結論自体に辿り着くことは決して難しくはないので、色々考えてみてほしいと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 結論の予想 あたりをつけるために、\(n=1\) としてみると \(a=\sqrt[5]{2}-1\) , \(b=1\) , \(c=\displaystyle \frac{1}{5}\ ...
整数値多項式【整数を代入したら整数が返ってくる多項式】【2013年度 中央大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題1はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題2はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 整数を代入したら、整数の値が返ってくるような多項式について扱います。 以下では便宜上、類題2で名付けられている 整数値多項式 という名称で以下呼ばせていただきます。 ここで扱うのは多項式の有名な性質の1つであり、しばしばネタにされる話題です。 色々訊かれることはありますが、その中で今回の話題を学ぶにあたり素直に訊 ...
等差中項に関する論証【2005年度 三重大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 等差中項に関する論証問題です。 本問はヒントなんだけど、ヒントになりすぎない絶妙な誘導が付いており、入試問題としてはよく練られた設計です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 一般に \(a\) , \(b\) , \(c\) がこの順に等差数列である \(2b=a+c\) ということは同値 ということが言えます。 このとき、\(b\) を \(a\) , \(c\) の等差中項と言います。 ...
2進法の位取り【1未満の数の2進法表示】【2002年度 静岡大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 見た目に腰がひけてしまうかもしれませんが、根幹が押さえられればあっさりと終わります。 訊かれていることを表面上だけでなく、さらに踏み込んで解釈できればやるべきことが見えてくるでしょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 10進法なら 例えば \(k=1 \ , \ 2 \ , \ 3 \ , \ 4\) に対して \(a_{k}\) が \(0 \ , \ 1 \ , \ , \ 2 \ , \ \cdots 9\) ...
2項間不等式【2003年度 京都大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2項間漸化式ならぬ2項間不等式です。 本問で扱う2項間の関係は「不等式」であり、数列 \(\{a_{n}\}\) を具体的に定めていく規則性のある等式ではありません。 そのあたりの言われれば当然のことをしっかりと意識しているかで偶然解けるか、必然的に解けるかが分かれるでしょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む ホントかよという気持ち もちろん、問題文で言われている主張は本当なのですが、 \(a_{n+1} \gt ...
相反式に関する不等式証明【2000年度 慶應義塾大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(x\) と \(\displaystyle \frac{1}{x}\) の対称式を相反式と言い、相反式に関する不等式証明の問題です。 (1) は特に問題はないでしょうが、(2) が解法によって大変さが変わってきます。 そのまま手なりに押し通すこともできますが、その場合は結構腕力が必要です。 試験場であれば傷だらけになるのを覚悟で茨の道を駆け抜けるのも致し方ないでしょう。 問題を読み、題意を把握した段階で疑問を感じたら、工夫の余地が見えてく ...
無理方程式と論証【両辺2乗と同値性】【1961年度 横浜国立大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) シンプルに無理方程式を解くという題意ですが、 バシッと完答できる アワワワとなって泡を吹く 実数解には辿り着けたが、論証面で傷を負う の3パターンのどれかにキッチリ分かれるでしょう。 このあたりの論証は普段からどれだけ丁寧に学習を積み重ねてきたかが問われます。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 基本方針 一見どこから手を付けたらよいのか立ち往生しかねませんが、基本方針としては根号を外す 「2乗操作」 を ...
ペル方程式 第4講【ペル方程式の解と近似】【1984年度 一橋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) ペル方程式の第4講は 「ペル方程式の解と近似」 という話題を扱います。 この話題を扱ううえでうってつけの例題です。 ペル方程式の解を用いて、\(\sqrt{2}\) の近似の精度をよくできるということを証明するというオチです。 初見であっても適切な誘導があり、割と親切な設計となっているため完答を狙いたいところです。 このシリーズの一覧はこちら (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について このシリーズで散々扱っ ...