年別アーカイブ:2022年

2022/3/12

2022年度 東京大学理系第5問【空間における回転体】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 空間における立体の体積問題で、東大が好んで出題するテーマの一つです。 通過領域が絡んでいるという点でも東大らしく、「らしさ全開」と言ってよい問題でしょう。 回転後の立体 \(K\) を想像しようとしても難しいでしょう。 ひとまず回転前の状況で \(\mathrm{M}\) が動き得る範囲を捉え、その後その範囲を \(z\) 軸周りに回転させます。 回転前に限定しても動くものが \(\mathrm{P}\) ,  \(\mathrm{Q}\) ...

2022/2/26

2022年度 東京大学理系第4問【全称命題と存在命題】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 3次関数についての性質について論じる問題ですが、 全称命題 任意の○○に対して△△が成立する 存在命題 ある○○が存在して☆☆が成立する というような 全称命題、存在命題 を真正面から扱うことになります。 ひとまず出題者との会話のキャッチボールができるかどうかという部分でのフィルターとしてはたらくことになるでしょう。 また、 感覚的に「そりゃそうだろ」 とか、 「この部分直感的に処理しちゃいたいな」 というようなことが多々あるのですが、それを ...

2022/2/26

2022年度 東京大学理系第3問【定義の運用】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 「十分離れている」という言葉を定義し、その定義に関して何が言えるのか、どうなっていればよいのかを考えさせるという その場力 を要求している問題です。 ソーシャルディスタンスを意識したような用語だなと感じました。 解き終わってみると、特別難しいわけでもなく、計算量自体もそこまで多くはないのですが 様子を掴んだり状況を把握するのにエネルギーを使う と思います。 問題自体の難易度と、試験場での体感難易度には大きなギャップがあるでしょう。 問題自体の ...

2022/2/26

2022年度 東京大学理系第2問【漸化式と整数問題】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 漸化式によって定まる数列の整数的特徴を論じる問題です。 一般項を相手にはできませんから、漸化式を漸化式のまま扱うという力が必要です。 随所随所で 問題文で訊かれていること以上のことを見出す ということが必要になってきます。 実験し、手を動かして突破口を見出すことになるのですが、それでも最短距離でスムーズにいける人は割合的には少ないと思います。 難易度的にはやや難です。 試験場ではムキにならず、深追いしない方が得策でしょう。 解答はコチラ

2022/2/25

2022年度 東京大学理系第1問【微分法による最小値の導出】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 微分法により、関数の最小値を導出するという基本問題です。 インテグラルを含んだままの関数ですから、最後の最小値の導出にあたっては積分計算についても問われることになります。 やることが明確であるため、方針面で迷うことはないでしょうし、計算の内容や計算量についても標準レベルと言ってよい穏やかなレベルです。 それだけに試験場では確保したい問題と言えましょう。 解答はコチラ

2022/2/22

最短経路に関する応用問題【1981年度 高知医科大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 最短経路に関する問題は大抵の場合 場合の数・確率 の分野の問題です。 本問は最短経路に関する場合の数ではなく、最短経路を題材として式の扱いや論証力を試す最大最小問題です。 経験と思考力の双方が求められます。 割合的には思考力寄りの問題で、アイデア一つで困難を乗り越える感覚が味わえる好きな問題の一つです。 そのアイデアも突拍子もないものではなく、難関大受験生なら一度はどこかで目にしたことのあるアイデアです。 また、そのアイデアをインスピレーショ ...

2022/2/20

シグマ計算基本方針 第7講【3つ飛ばしの二項係数の和】【1997年度 岐阜大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) このシリーズの一覧はこちら   今回扱うのは3つ飛ばしの二項係数の和について扱います。 原題ではもう少し段階的な設問がありましたが、言われたことをやっているうちに終わってしまい、作業感が強かったため、考えてもらいたい部分については一部カットしました。   (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 二項定理の活用により仕留める方針が第一感です。 \((1+x)^{n}={}_{n} \ma ...

2022/2/19

仮想難関大(オリジナル予想問題)【幾何~主要定理のオンパレード~】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 仮想難関大シリーズということで、東大、京大をはじめとする旧帝大、東工大、国公立大学医学部医学科などの難関国公立大を想定したオリジナルの自作問題です。 「手垢の付いていない問題で力試しがしたい」 という方はぜひご活用ください。 今回は幾何に関する問題です。 出来る限りシンプルな設定で、欲張りなほど基本事項を詰め込みました。 ただ、どちらかというと昔のセンター試験っぽいなと思います。 座標やベクトルなどの代数幾何に比べて、この手の計量問題は演習量 ...

2022/2/19

2変数の漸化式【1996年度 北海道大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(n\) ,  \(m\)  という2変数が絡む漸化式の問題です。 試験場だと「ウッ」となるやもしれません。 ふたを開ければ、難関大受験生にとっては基本の処理となりますが、 ふたがそれなりに重い ふたが開けられても、その後の処理は差がつく という要素をもっており、完答するためには「確かな力」が必要となります。 試験場で見慣れない未知の問題に出会ったら、という耐性をつけるという想定で臨んでみてください。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タ ...

2022/2/16

ベクトルの三角不等式【1997年度 信州大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) ベクトルの三角不等式を題材とした問題です。 (1) ,  (2) までは基本的な内容の確認ですが、最後の (3) は難しいと思います。 ただ、ありふれた材料をもとにコクのある味わいに仕上げた名作です。 活路を見出せると気持ちよさを感じるでしょう。 ただ、限られた時間しかない試験場では撤退せざるを得ない可能性も大いにあります。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む ベクトルの三角不等式 (1) の (イ) で ...

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