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サイコロの目によって得られる値に関する確率を考える問題です。
この手の問題は、
最終的に愚直に調べきる
という方向性となることが多いです。
その際は闇雲に調べるのではなく、
何かを固定して、残りがどうなっているかを考える
のが、自然かつ基本です。
例えば、(1) だと
- \(c=1\) のときは \(a\) , \(b\) はどうだろ?
- \(c=2\) のときは \(a\) , \(b\) はどうだろ?
というような感じです。
また、サイコロの目には上限がありますから、
\(abc-ab-2c \leq 0\)
というように上から押さえる形を目指したくなります。
これより
\((ab-2)(c-1) \leq 2\)
という積の形で考えるとなおさら考えやすいですし、
\(c\) の値を決めると、 \(ab\) が絞られる
という構造も目につきます。
先ほどの
- \(c=1\) のときは \(a\) , \(b\) はどうだろ?
- \(c=2\) のときは \(a\) , \(b\) はどうだろ?
という疑問にも答えやすくなる形でもあります。
(2) については、\(ab+2c\) , \(2abc\) というのが
- \(ab\) , \(2c\) という2数の和と積
という作為が目につくと
有名事実
正の整数 \(p\) , \(q\) に対して
\(p+q\) , \(pq\) が互いに素 \(\Leftrightarrow\) \(p\) , \(q\) が互いに素
という補題が想起されます。
この2数の作為を考えると、出題者にはこの補題を基にした路線があったのかもしれません。
ただ、係数の \(2\) から、偶奇に注目すると、\(ab+2c\) , \(2abc\) が互いに素であるとき、
\(ab\) が奇数
ということに気がつきます。
そうなってくると、
考えられる \(ab\) を羅列し、そのそれぞれに対して \(c\) の値がどうなっていればよいかを調べる
という路線の方が愚直ですが分かりやすく確実でしょう。
名古屋大学の場合、比較的1題にかけられる時間には余裕がある方なので、変に洒落たことをするよりは愚直に調べきってしまってもよいと思います。