全称命題 第5講【楕円についての論証】【1990年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 全称命題シリーズ第5講です。 シリーズ一覧はこちら そもそも、今は「全称命題」というシリーズとしての問題としてこの問題と向き合っているから頭が全称命題モードになっていて、屁理屈を言おうと思えるかもしれません。 しかし実際試験場では何が出題されるか分かりません。 色々な問題に紛れてポンとおいてあったときに、冷静に全称命題だと見抜いて必要条件を出せるのかといった難しさがあると思います。 分野的にも整数や数 ...
全称命題 第4講【整数問題の基本手法の運用に帰着】【1991年度 金沢大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 全称命題シリーズ第4講です。 シリーズ一覧はこちら 今回は第3講に引き続き整数問題に関する全称命題です。 全称命題に関する基本的な対応については第1講で扱っていますが、今一度ここでも確認します。 step1全称命題だと見抜く 「任意の」「どんな」「全ての」\(\cdots\) という類の言葉は発見のシグナルです。 step2「じゃあ \(\cdots\)」と屁理屈(考えやすい簡単なケース)を言って答えの候補(必要条件)を出す。 ...
全称命題 第3講【整数問題】【一般項か漸化式どちらを扱うか】【1997年度 一橋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 全称命題シリーズ第3講です。 シリーズ一覧はこちら 今回は整数分野の全称命題を扱います。 必要条件を言う部分で整数問題としての処理が求められるでしょう。 その後の十分性の確認では第2講の内容が存分に現れるので、前回の内容の確認もできると思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む \(a_{n}=5^{n}+an+b\) とおきます。 全称命題と捉えて \(a_ ...
全称命題 第2講【一般項と漸化式】【1986年度 東京工業大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 全称命題シリーズ第2講です。 シリーズ一覧はこちら 全称命題についての対応は第1講で学びました。 全称命題特有の処理を施すわけですが、その後については「分野」ごとの常識力が問われる問題に帰着します。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 全ての自然数 \(n\) について \(a_{n}\) を割り切る素数を探すので、 \(a_{1}\) も割り切る必要があるよね? という屁理屈 ...
全称命題 第1講【恒等式として等号が成立するための条件】【1990年度 東京工業大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 「全称命題」というテーマ性のある話題を扱います。 これは分野は関係なく、「考え方」に難しさがあり、独特な議論の進め方をします。 対応を知らないと、白紙になってしまったり、見当はずれなことを場当たり的に書いて終了してしまいかねません。 全称命題だと見抜く「眼」と、見抜いた後の「対応」の両輪をきちんと揃えておき、ライバルに差をつけましょう。 シリーズ一覧はこちら 今回は恒等式となるための条件を考えるという問題です。 見た目が仰々しく ...
選べる漸化式【分析力や構想力を試す良問】【1996年度 名古屋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 機械的な態度になりがちな漸化式の問題の中で、分析力や構想力を要する良問です。 個性の強さゆえ、一度ネタバレすると新鮮味は薄れます。 初見の方はぜひ限界まで考え抜いてほしいと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む \(a_{1}+a_{2}+\cdots+a_{n}=S_{n}\) とおきます。 \(S_{n}=(a_{n}+\displaystyle \frac{1}{4})^{2} ...
正n角形の頂点によって作る三角形【2017年度 同志社大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) この手の問題は多くの問題集などにも収録されており、一度は経験したことのある人も多いでしょう。 また、正六角形や正八角形など、具体的な問題はやったことがあるという人も多いでしょうが、一般論として考えたことがある人はそこまで多くないのではないかなと思います。 具体的な問題の場合、「具体的だからこそできる解法」が収録されていることも多く、今回一般論で考えてみることにより、この手の問題について一度整理してみてほしいと思います。 少なくと ...
確率漸化式【設定する上での工夫】【2015年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 確率漸化式の標準問題の多くは、基本的な漸化式の処理力があれば、どちらかというと得点源になる分野です。 本問の場合、機械的な態度になりがちなこの分野の問題において、思考要素を含む問題であり、面白い良問だと思います。 確率の問題では 漸化式を導入するかどうか ということは、方針決定において非常に大きな選択です。 通常の問題であれば、 「~~の確率を \(p_{n}\) とおく」 「\(p_{n+1}\) を \(p_{n}\) ...
復元抽出による番号についての考察【2019年度 秋田大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 復元抽出(元に戻して取り出す)について扱う問題です。 今回は箱から番号付きのカードを取り出すという設定ですが、サイコロを振るということについてもある意味復元抽出と同じと見なすことができます。 サイコロを振るのも、箱から1~6の番号付きのカードを元に戻しながら取り出すのも同じことですから。 そういった意味で、目先のカードだのサイコロだのにとらわれることなく、復元抽出という大きな括りでの話題だと整理しておき、いざ出題されたときは判断 ...
サーブ権のあるゲームの得点推移【急所をいかに捉えるか】【2013年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 昔のバレーボールなどで採用されていた「サーブ権」をネタにした問題です。 今のバレーボールはラリーポイント制で、攻撃が決まったら即得点が入ります。 昔はサーブ権をもったチームのサーブから始まり、攻撃が決まれば得点、逆に攻撃を決められたらサーブ権が相手に移るだけというルールでした。 自分が小さいときはまだバレーボールはサーブ権があった記憶があります。 今の世代の受験生はピンとこないかもしれませんね。 (以下ネタバレ注意 ...