カタラン数が素数となるための条件【2021年度 東京工業大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 今回設定されている \(a_{n}=\displaystyle \frac {{}_{2n}\mathrm{C}_n}{n+1}\) はカタラン数と呼ばれる有名な形の数であり、場合の数や確率の分野でよく登場する数です。 本問は「カタラン数だから何かあるのか?」と変に身構えてしまいかねませんが、「二項係数についての整数問題」と割り切って考えた方がいいでしょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) ...
カタラン数【最短経路の応用問題】【2008年度 九州大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) (1) , (2) について 最短経路の問題として (1) , (2) についてはきっちりと確保したいレベルの基本問題です。 (3) について 反面、(3) については「カタラン数」という話題にスポットが当たっており、 経験していなければ、その場での発想は不可能 と言ってもよいと思います。 カタラン数の話題を無視して、「純粋に腕力で押し切る」ということもできますので、試験場では腕力で愚直に計算することもできますが、ここではカタラン数とい ...
仮想難関大(オリジナル予想問題)【フィボナッチ数列を係数にもつ2次方程式の解】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 仮想難関大シリーズということで、東大、京大をはじめとする旧帝大、東工大、国公立大学医学部医学科などの難関国公立大を想定したオリジナルの自作問題です。 「手垢の付いていない問題で力試しがしたい」 という方はぜひご活用ください。 今回はフィボナッチ数列をテーマにした問題です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 元々は カッシーニ・シムソンの定理 \(f_{1}=f_{2}=1\) という条件の下で \(f_ ...
フィボナッチ構造の数列と複素数平面【2001年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 一見何かあるのだろうかと疑わせるような設定です。 フィボナッチ構造が見える分、何かあるのか?と疑ってしまいますね。 注意 厳密には、\(f_{1}=f_{2}=1 \ , \ f_{n+2}=f_{n+1}+f_{n}\) と初期条件が 1 , 1 であるものをフィボナッチ数列と呼びます。 今回は初項が違うので「フィボナッチ構造」という呼び方をすることにします。 東大は一見して、「何かあるのか?」と思わせるような出題がよくあります。 た ...
複素数平面における対称移動【実部虚部を持ち出すか否か】【2018年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2018年度東京大学理類の第5問で、複素数平面に関する対称移動という話題からスタートし、そこから肉付けがしてあります。 今でも記憶にあるのは、この年に参加した研究会の分析会議で「本問がこの年における最難問である」という意見が多数を占めていたということです。 確かに決して簡単ではないと思いますが、 通常東大受験生が学習しているであろう範囲内の学習で、十分対応可能である内容であるということ 突拍子もない発想を要求されるわけでもないこと 上手い解法 ...
シグマ計算基本方針 第4講【応用実践】【2005年度 大分大学ほか】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 【1】(以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 連続自然数の積のシグマ計算は工夫の余地があります。 バラバラに展開してしまった人は「ジェイソン」と呼ばせていただきます。 バラバラにして\(\displaystyle \sum_{k=1}^n k\) , \(\displaystyle \sum_{k=1}^n k^{2}\) , \(\cdots\) などを使って計算していくのは流石にシンドイと思います。 和の中抜けを ...
シグマ計算基本方針 第3講【二項定理の活用】【2007年度 大阪府立大学ほか】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) テーマ別演習「シグマ計算基本方針」第3講です。 このシリーズの一覧はこちら シグマ計算の基本方針は次の3つです。 シグマ計算基本方針 公式利用とその延長 差分解からの和の中抜け 二項定理の活用 今回の第3講では 二項定理の活用 を扱います。 二項定理を活用してシグマ計算する場面は特徴的であり、 二項定理を使うシグマ計算 コンビネーションのシグマ というのが見落としてはならない特徴であり、キーワードです。 ただ、単純に代入すればいいだけでなく、 ...
2021年度 北海道大学理系【総評と感想】
今年の北大理系数学を解いての感想です。 難易度について 北大は昔から標準的な問題をベースとした適度な良問を出題している大学です。 今年についてもその特徴は顕在で、すべての問題が決して無理のない標準的な問題のセットだったと思います。 今年のセットは計算量も多くなく、昨年度よりやや易化したと言えます。 2021年度 北海道大学理系 各解説記事 第1問 問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 平面ベクトルの問題としての出題ですが、適宜幾何的な見方をすることで、処理を手際よく ...
2021年度 北海道大学理系第5問【パラメータ曲線の扱い】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) パラメータ表示された曲線に関する基本的な扱いに関する問題です。 やるべきことは一本道であり、迷う余地がありません。 時間を奪われてもいけないレベルの問題であり、本問で躓くということは基本事項の抜けがどこかにあることを示唆するでしょう。 計算量もそこまで多くはありません。 そういった意味で、将来的に本問はどこかの問題集に収録される類の問題だと思います。 問題の難易度はやや易と言いたいところですが、出来具合についてはきっちりと差が付くと思います。 ...
2021年度 北海道大学理系第4問【連立漸化式と整数問題】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 連立漸化式をベースとした整数問題であり、ざっと見た感じだと 「証明のベースは漸化式と相性の良い数学的帰納法かな。全貌に関しては手を動かしてみないと分からんな。」 という印象でした。 (1) は計算するだけなので、問題はないでしょう。 (2) ですが、 \(a_{n}\) が常に偶数なのか、\(b_{n}\) が常に偶数なのか、時と場合によって違うのか という疑問のもと、実験して様子を掴んでみようと思いました。 実験の結果、\(a_{n}\) ...