年別アーカイブ:2021年

2021/8/22

グラムシュミットの直交化法【2012年度 東京農工大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) いかにも「何かありそう」な雰囲気を感じるでしょう。 グラム・シュミットの直交化法と呼ばれるものが背景にありますが、知らなくても解けるように、最初から設定してくれています。 「解く」という観点から言えば、基礎がしっかりしていれば言われていることをやっているうちに終わってしまうと思います。 そういった意味で、表面的には計算問題の側面が強いと思います。 ただ、せっかくなので、これらの設定がどのようになされたのかという部分まで触れようかと思います。 ...

2021/8/21

4次関数を2つの2次関数の合成で表す【2006年度 京都府立医科大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) オマージュ問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 一般性の高い4次関数を2つの2次関数の合成で表すということをテーマとした問題です。 原題の (2) は (1) をヒントにして地道に解くこともできますが え、ナニコレ、オシッコちびる という解法もあります。 私は最初ちびりました。 当時ちびった勢いで作ったオマージュ問題もあったので、よかったらどうぞ。 オマージュ問題だけだとただの自己満足になってしまいますので、原題と併 ...

2021/8/20

最大公約数についての数列【2012年度 東京都立大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 最大公約数についての数列を考え、和などを考える問題です。 標準的なレベルの問題で、野球で例えるなら135km/h 真ん中ちょい高めのストレートって感じですかね。 要するに長打が狙える打ちごろの球なので、できれば打ち損じることなくはじき返してほしいですが、記述面で書きづらさを感じるかもしれません。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 最大公約数に迫る一つの大きな武器が ユークリッドの互除法 ...

2021/8/19

対称性のある連立漸化式【2008年度 信州大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 3種の数列 \(\{a_{n}\}\) ,  \(\{b_{n}\}\) ,  \(\{c_{n}\}\)  についての連立漸化式の扱いを考えます。 特に今回は対称性のある連立漸化式について見ていきます。 連立漸化式については、テーマ別演習「漸化式基本パターン」 の第8講で扱っていますが、今回は「3種の数列」「対称性」という実戦的な話題にスポットを当て、実践演習という位置づけで扱います。 なお、本当は誘導の設問がついていましたが、今回は誘導が ...

2021/8/18

ウォリスの公式【積分漸化式と極限の良問】【2010年度 大阪教育大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題1はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題2はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) ウォリスの公式と呼ばれる有名極限を背景にもつ問題です。 入試において大切な要素や手法を含む問題なので、しっかりとモノにしつつ、問題自体で前面に押していないウォリスの公式の美しさについても軽く触れていく欲張りな構成にしたいと思います。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 例題に ...

2021/8/17

sinxに関する有名不等式【sinに関する数値評価】【2008年度 群馬大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(\sin{\displaystyle \frac{1}{2}}\) に関する数値評価の問題です。 (1) という誘導があるため、その誘導を利用すれば (2) の数値評価自体はそこまでひっかかることはないと思います。 厄介なのは (1) で、周期性を持つ \(\sin{x}\) の扱い、及び絶対値の処理をどのように処理するかという構想力が問われます。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 結局 \(| ...

2021/8/16

正三角形を折ってできる六角形【1982年度 法政大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 図形を折るこの手の問題は想像力が必要で、中学受験を経験している中高一貫校の生徒は割とそういう訓練を積んでいる人が多いです。 それがいいか悪いかはおいておきます。 見え方が鋭い人はそれを活かせばいいと思いますし、急所に辿り着くのに時間がかかるという人は多少時間がかかっても地に足つけて解ければいいと思います。 ただ、見える人には何が見えているのかということを意識しながら勉強していくことが大切です。 本問は見える人にはパッと見えるのでしょう。 戦略 ...

2021/8/15

正方形を折ったときの重なりの五角形【2001年度 東京工業大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 正方形の折り紙を折り曲げたときの重なりの部分が線対称な五角形になるときを考える幾何的な問題です。 このあたりの幾何的な考察はマニュアル的態度でどうこうするというよりは、観察力、洞察力を含めたその場力が必要です。 試験場においてこの問題自体が合否を左右するかというと、そこまで差がつかないと思います。 (確保できれば結構アドバンテージをとれるというレベル) (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して下さい 実際に折ってみる 実 ...

2021/8/13

メルセンヌ素数【基本的な性質と完全数との関連】【1962年度 京都府立医科大学ほか】

例題1はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(2^{n}-1\) という形の数をメルセンヌ数といい、特に素数となるメルセンヌ数をメルセンヌ素数と言います。 メルセンヌ素数は数学的に興味深い性質を多々もちます。 どこまで深入りするかも問題なのですが、今回は基本的な性質と、有名な完全数との関連にスポットを当ててみます。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 直接証明は見通しが悪い \(2^{n}-1\) が素数であるということを数式的に表現するのは難 ...

2021/8/12

補間多項式の考え方【マルコフの不等式】【1981年度 学習院大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) マルコフの不等式と呼ばれる次の定理 マルコフの不等式 \(f(x)\) を高々 \(n\) 次の整式とする。 \(-1 \leq x \leq 1\) において、\(|f(x)| \leq M\) ,  \(|f'(x)| \leq M'\) としたとき \(M' \leq n^{2}M\) が成り立つ。 という定理の \(n=2\) の場合の証明です。 古典的な内容であり、話の進め方も独特なものがありますから初見で対応するのは難しいと思いま ...

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