不等式で表された立体の体積【2007年度 北海道大学】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 「不等式で表された立体の体積」というテーマ性のある問題を扱います。 このあたりを場当たり的に何となく理解している状況から、自分が何をしているのかはっきりと説明できる状態に昇華させるためには 方程式や不等式というものの根っこ をおさえる必要があります。 ここではそこをガッチリと掴みながらこのトピックスはもちろん、その他の問題に対しても役に立つ考え方を身につけていってほしいと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)し ...
有名曲線【リサジュー曲線 (リサージュ 曲線)】【2014年度 同志社大学】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) リサジュー曲線と呼ばれる有名曲線について扱った問題です。 リサージュ曲線という呼ばれ方もあり、呼ばれ方に多少揺れがあります。 個人的にはリサージュの方が言いやすいですけど。 リサージュ曲線の定義 媒介変数 \(t\) を用いて リサージュ曲線 $$\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} x = A \sin{at} \\ y = B \sin{(bt+\delta)} \end{array} \r ...
有名曲線【カテナリー(懸垂線)】【2017年度 名古屋市立大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) カテナリー(懸垂線)と呼ばれる有名曲線を扱った問題を見ていきます。 カテナリー(懸垂線)とは カテナリー(懸垂線)は鎖やロープの両端をもってぶら下げたときにできる曲線と紹介されるのが有名です。 カテナリー(懸垂線)を与える式 \(a\) は \(a \gt 0\) を満たす定数とするとき、カテナリー(懸垂線)を与える式は カテナリーを与える式 \(f(x)=\displaystyle \frac{a(e^{\frac{x}{a}}+e^{-\ ...
三角比が等差数列をなす角度【sinθ,cosθ,tanθの並べ替え】【2003年度 札幌医科大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) この問題のオチは考えてみたくなります。 できることなら (1) や (2) の誘導なしで考えてみてほしいところですが、(1) , (2) 自体も筋が悪いとアタフタするかもしれません。 視覚的には といった感じでグラフ的にとらえると、確かに題意の主張は納得できます。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 基本的には微分してゴリゴリ路線です。 \(f'_{1}(x)\) を計算 ...
有名曲線【等角螺旋と特徴的な性質】【2000年度 神戸大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 有名曲線の一つである「等角螺旋」と呼ばれる曲線について扱った問題です。 対数螺旋、ベルヌーイの螺旋など様々な呼ばれ方がありますが、性質的なものと関連付けると等角螺旋という呼び方が「名が体を表す」ような呼び方なのでここではそう呼ばせてもらいます。 本問は教科書的な力で言えば 微分法の基本的な運用力 ベクトルを用いて座標平面上の角度を扱う力 パラメータ表示された曲線の弧長を求める力 が問われています。 上記の力をはかるためには、別に等角螺旋を題材 ...
等面四面体【体積計算と存在証明】【2014年度 早稲田大学】【1999年度 京都大学】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 4つの面が全て合同である四面体のことを「等面四面体」と言います。 この等面四面体については初見でぶつかると、ほとんどの人がはじき返されることになります。 初見であれば、ひとまずは全力で考えてみてください。 脳に汗をかいて脱水症状になりかけたら、知識として糧にしてしまうのも仕方ありません。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む まともにぶつかると 真正面からぶつかると、体積計算をするにあたり、底 ...
取り出したカードの数が等差数列となる確率【2005年度 京都大学】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) とてもシンプルな問題ですが、いざ考えてみると難しく感じるという、いかにも京大らしい問題です。 愚直に押し切る方法と、見方を変えればあっさりと解決できる方法があります。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 愚直に解くとなると \(n=3\) のとき \((1 \ , \ 2 \ , \ 3)\) \(\cdots\) 公差 1 \(n=4\) のとき \((1 \ , \ 2 \ , \ 3)\) , ...
2直線の交点の軌跡【文字消去が困難なときの工夫】【2006年度 島根大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2直線の交点の軌跡というテーマ性のある話題です。 単元学習で軌跡を学習したばかりの状態でこのテーマに取り組むと、「あれ?」となる人が多いでしょう。 方針としては複数考えられますが、どのような方針が自然かということについて比較検討まで含めて考えていきます。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 思いつきやすい方針 軌跡の基本は \((X \ , \ Y)\) とおき、\(X\) , \(Y\) の関係式を ...
3辺の巡回ベクトル【隠れた条件と1次独立性】【2016年度 東京海洋大学】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 巡回性をもった設定であり、「そそる」香りが漂ってくる問題です。 アッサリと終わってしまう人もいれば、右往左往する人も出てくると思います。 キレイなバラには棘がある とはよく言ったものですが、本問は若干棘があるように思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 「\(\triangle{ABC}\) が正三角形 ならば \(\vec{p}=\vec{0}\)」の証明 について まずは \ ...
微分方程式【積分因子法】【2000年度 東京理科大学】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 微分方程式は厳密には教科書範囲では発展扱いとなっていますが、知識の差で出来具合が大きくならないように誘導をつけて出題されることはしばしばあります。 1階の微分方程式の有名な解法としては 変数分離法 積分因子法 というものがありますが、今回は「積分因子法」に焦点を当てていきます。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について (1) は「関数方程式」として見ることになります。 恒等式と見ることになり ...