変数の設定【一般性を失わない設定をする工夫】【2000年度 東京工業大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 問題文を見ると、変数らしい設定が何もありません。 自分で分野や変数を設定し、その設定の中で立式・処理を進めていく力は言うまでもなく重要です。 標準的な問題では「~~を \(x\) とする」というように、変数の設定が問題の中で与えられており、どんな文字をベースに立式していくかが明確であることが多いです。 しかし、問題が難しくなってくると、この変数の設定が解く側に課せられることになります。 問題を作る方からすれば、「問いかけ方」とい ...
直交2接線の交点の軌跡【楕円の準円】【2011年度 信州大学ほか】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 楕円の準円と呼ばれる有名テーマを扱った問題で、出典を挙げていくとキリがありません。 具体的な数値の場合も含めると多くの大学で出題されている問題ですが、今回は一般論でもってきました。 具体的な数字でも計算は割と大変なのですが、今回のように一般的に文字で処理するとなると、強靭な計算力と集中力が必要です。 難関大を目指すにあたっては一度は経験しておきたい話題です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読 ...
eの関数的な評価【微分による不等式証明の工夫】【2016年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2016年度東京大学理系第1問です。 ネイピア数 \(e\) の定義である \(\displaystyle \lim_{ x \to \infty } (1+\displaystyle \frac{1}{x})^{x} = e\) という定義をもとにした問題であろうことは分かると思います。 この年あたりから東大の第1問は「きちんと勉強してきましたか?」というメッセージが聞こえてきそうな基本的な問題が続いていました。 とは言え、「 ...
仮想難関大(オリジナル予想問題)【確率~サイコロの目の積が平方数となる確率~】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 仮想難関大シリーズということで、東大、京大をはじめとする旧帝大、東工大、国公立大学医学部医学科などの難関国公立大を想定したオリジナルの自作問題です。 「手垢の付いていない問題で最後の力試しがしたい」 という方はぜひご活用ください。 今回はサイコロの目の積シリーズです。 「サイコロの出た目の総和や総積が◎の倍数となるような確率を求めよ」 といったような問題はよくある定番の問題としてとりあげられ、皆さんも少なからず経験 ...
外心に関する論証【誘導なしで方針を考える】【2002年度 名古屋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 外心に関する論証問題です。 本問は名古屋大学の問題ですが、雰囲気は京大に近い感じですね。 昔の名古屋大学って結構切れ味が鋭い論証を要求していた時代もあって、個人的に割と好みだったりします。 最近の名古屋大学の問題はスタミナが必要な問題が多くて、昔と比べると問題の雰囲気も変わってきているなと感じます。 本問は誘導がないので、方針を自分で立てる必要があります。 普段の学習においては場当たり的に解くことなく、こういった方向性で進めようという構想をも ...
有理数に関する論証【うまい見方と、見れなかった場合のリカバリー】【2016年度 三重大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 有理数、無理数に関する論証は、証明問題であれば結果が分かっているのですが、真偽から判定させるような問題であると判断ミス一つで証明も反例も出せなくなります。 基本的には疑ってかかりましょう。 指導していて思うことですが、単元学習の段階だと、反例を出す力が乏しい人が目立ちます。 有名な反例については一通り経験しておくことが大切です。 「だってこういうことだってあるかもしれないよ」 という力は、もっと言えば「意地悪力」です。 基本的に ...
合成写像と定数関数【膨らむfへの対応】【1997年度 新潟大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 斬新な問題で、一見しただけでは様子がつかめないと思います。 抽象的な関数であり、相当な実力が試されます。 トップレベルの受験生にやらせてみても結構四苦八苦しています。 難問ですが、考え抜いた際の解決に至ったときの感動は大きいと思います。 まずはぜひ考え抜いてみてください。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 例えば、\(f(1)=f(f(12))=f(f(f(23)))=\cdots\) と ...
放物線上の3点による正三角形【座標平面における角度の扱い】【2004年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2004年度の東京大学理系第1問です。 本問は見た目からするとシンプルな問題なのですが、意外と手こずる相手です。 厄介なことに、ある程度の部分まではスイスイと手が動いていくので、逃げなければいけない問題にも見えず、深追いして時間だけを失いかねない恐ろしさもあります。 実際第1問という位置取りも相まってか、本問に時間をかけすぎて全体の時間配分が狂ってしまったという受験生も多く、沢山の受験生を翻弄した問題として有名です。 (以下ネタ ...
四面体の外接球の存在証明【三脚錐の活用】【2011年度 京都大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 四面体の外接球の存在を証明させる問題です。 パッと見て思うこととしては 平面バージョン 平面上に三角形 \(ABC\) を考える。 このとき3頂点 \(A\) , \(B\) , \(C\) を同時に通る円が存在する。 という2次元での話です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 2次元での話では言ってみれば、 3点 \(A\) , \(B\) , \(C\) からの距離が等しい点 ...
仮想難関大(オリジナル予想問題)【三角関数~合成とその扱い】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 仮想難関大シリーズということで、東大、京大をはじめとする旧帝大、東工大、国公立大学医学部医学科などの難関国公立大を想定したオリジナルの自作問題です。 「手垢の付いていない問題で最後の力試しがしたい」 という方はぜひご活用ください。 今回は三角関数の合成についてスポットを当てます。 三角関数については特に理系の人にとっては道具的な分野で、三角関数の処理自体は機械的なものになりがちです。 作問の意図としては、そんな機械 ...