不定方程式【積の形から約数拾い】【2016年度 東京理科大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 本問は不定方程式に関する基本的な確認から、少し対応力が必要な設問まであります。 整数問題の有力方針 積の形から約数の拾い 余りで分類 評価する(範囲を絞る) と、整数問題に対する有力な方針は3つあります。 もう少し単純な例題で確認したい方は以下に折りたたんでおくので、「+マーク」をクリック(タップ)して確認してみてください。 + クリック(タップ)して続きを読む 積の形から約数の拾い上げ ...
等式・不等式の証明【差がつく有名な形】【2009年度 東北大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 等式・不等式の証明問題の問題として、本問は要点が凝縮されています。 そのためか練習問題として様々な問題集に収録されています。 演習の初期としては手ごろなレベルだと思います。 経験の有無に左右されるポイントや急所を含んでいますが、逆に言えば勉強していれば試験場では確保できる問題です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む パッと思いつく方針としては 重要 \(x^{3}+y^{3} ...
ピタゴラス数 第4講【イェスマノヴィッツ予想】【有名事実】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) シリーズ一覧はこちら 非常にシンプルな問題ですが、難問です。 本問は歴史的には1955年にシェルピンスキーという数学者によって解決されました。 その後、この問題は一般のピタゴラス数についても成り立つか?という疑問に変わっていきます。 すなわち \(a\) , \(b\) , \(c\) を \(a^{2}+b^{2}=c^{2}\) を満たす正の整数とする。 \(a^{x}+b^{y}=c^{z}\) を満たす正の ...
ピタゴラス数 第3講【拡張版の等式】【2000年度 横浜国立大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) ピタゴラス数についてのテーマ別演習第3講です。 シリーズ一覧はこちら 今回はピタゴラス数の拡張として \(a^{2}+b^{2}+c^{2}=d^{2}\) を満たす自然数 \(a\) , \(b\) , \(c\) , \(d\) について扱います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 聞かれていることについては第1講で扱った平方剰余に近いものがあります。 そこで、(1) で ...
ピタゴラス数 第2講【原始ピタゴラス数の一般解】【1999年度 京都大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) ピタゴラス数についてのテーマ別演習第2講です。 シリーズ一覧はこちら 第2講では原始ピタゴラス数の一般解について考えます。 この問題だけ見ると、 「なんだこのオチ」 と思うかもしれませんが、実はこのオチからもう少し話を進めると 原始ピタゴラス数の一般解 \(m\) , \(n\) を \(m \gt n\) を満たす互いに素で、偶奇の異なる自然数とする。 この \(m\) , \(n\) を用いて、\(a^{ ...
ピタゴラス数 第1講【平方剰余】【2004年度 旭川医科大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(a^{2}+b^{2}=c^{2}\) を満たす自然数 \((a \ , \ b \ , \ c \ )\) の組をピタゴラス数と言い、特に \(a\) , \(b\) , \(c\) のどの2つも互いに素であるとき、原始ピタゴラス数と言います。 原始ピタゴラス数に関する入試問題は頻出であり、今回は何題かピックアップしてシリーズものとして取り上げたいと思います。 シリーズ一覧はこちら 今回は第1講ということで ...
フェルマーの小定理【2項定理からのアプローチ】【2011年度 関西大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) フェルマーの小定理 \(p\) を素数 , \(a\) を任意の自然数とするとき \(a^{p} \equiv a\) (mod \(p\)) また、\(a\) と \(p\) が互いに素であるとき \(a^{p-1} \equiv 1\) (mod \(p\)) というフェルマーの小定理をオチにした問題であり、様々な大学で類題が出題されています。 高校生で扱える範囲で、この話題を扱おうと思うとどうしても似通った問題となって ...
ランダムウォーク【事象の内訳を捉える】【2017年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 原点からスタートし、ある確率に従って進む方向が決まるという、よくある設定の問題です。 本問は2017年度の東大の問題ですが、この年は例年に比べ基本的な問題が多く、とりこぼしが致命傷になるような問題が並んでいた年でした。 そんな中の一問が本問であり、難易度としては基本的だと思いますが、「試験場補正」がかかりかねない問題だとも思います。 場合の数や確率は、試験場においては 「計算上、出てきた数値を信じるしかない」 という側面があると ...
y=xについて対称な2曲線【式で攻めるか、図で攻めるかの判断】【1989年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) シンプルな問題です。 こういう問題はいったん手が止まってしまうと、ムキになって冷静さを失いかねませんから、試験場だと難易度とは別に危険なタイプの問題ですね。 時間無制限で取り組む分には得られる教訓も多く、いい問題です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む まずは、 本問の選択肢 図形的に攻める 式から攻める という2路線の検証ですが、図形的に攻めるのは得策ではないでしょう。 曲 ...
内積についての論証問題【必要性と十分性の論証】【1987年度 東京水産大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 内積は値(スカラー)だという認識が弱い数学が苦手な受験生は \(\vec p\) の形を見て心を閉ざしてしまいます。 一方である程度数学に前向きな人から見ると、本問は巡回性があるキレイな設定なので解く気を「そそります。」 ざっくり分けると (1) , (2) と (3) , (4) で話題が分かれています。 なので、今回の解答は(1) , (2) で一度流れを切って分けています。 (以下ネタバレ注意) &nb ...