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高次多項式に関する求値問題で、難易度としては基礎寄りの基本問題です。
因数定理の運用に関する問題としては適度な難易度であり、ポイントが絞られていることもあり、例題として扱いたい要素があります。
(以下ネタバレ注意)
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(1) について
Q(1)=Q(2)=\cdots=Q(2006)=0
という強力な条件は、因数定理をインスピレーションさせるでしょう。
2006 次式 Q(x) は
Q(x)=A(x-1)(x-2)\cdots(x-2006)
と表せます。
よく、この最高次の係数を忘れる人も多いので、気を付けましょう。
この最高次の係数 A を特定するための条件が Q(0)=-1 であり、これにより
\begin{eqnarray} A\cdot(-1)\cdot(-2) \cdots \cdot (-2006) &=& -1 \\ A &=& -\displaystyle \frac{1}{2006!} \end{eqnarray}
となり、
Q(x)=-\displaystyle \frac{1}{2006!}(x-1)(x-2)\cdots(x-2006)
ですから
\begin{eqnarray} Q(2007) &=& -\displaystyle \frac{1}{2006!} \cdot 2006 \cdot 2005 \cdots \cdot1 \\ &=& -1 \end{eqnarray}
と解決します。
(2) について
与えられた条件は
- P(1)=1 , P(2)=\displaystyle \frac{1}{2} , P(3)=\displaystyle \frac{1}{3} , \cdots P(2006)=\displaystyle \frac{1}{2006}
というように、因数定理を用いるにしても、右辺が変化していくためそのまま見ていてはやりづらいものがあります。
(1) の結果を活用しようと思うと
kP(k)-1=0
というように見ることで、
R(x)=xP(x)-1
という関数 R(x) の設定をしたくなると思います。
- R(x) は 2006 次式
- R(0)=-1
- R(k)=0 (k=1 \ , \ 2 \ , \cdots \ , \ 2006)
ということで、(1) の利用が整うような条件を満たしています。
これにより
R(2007)=-1
ということが従うため、
\begin{eqnarray} 2007P(2007)-1 &=& -1 \\ P(2007) &=& 0 \end{eqnarray}
を得て解決です。
難関大受験生からすると、誘導がなくて丁度良いぐらいの難易度と言ってよいでしょう。