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受験生にやらせてみると
「絶対値さえなければ」
と、慌てふためく人が多い問題です。
機械的な解法暗記に頼ってきた人や、Mr.丸暗記さんは残念ながら試験場で本問と出会った場合、退場を余儀なくされるでしょう。
当たり前のことが当たり前にできる
ということが前提の上で、ちょっとしたイレギュラーに対応するある種の「逞しさ」を要求する問題だと言えましょう。
(以下ネタバレ注意)
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(1) について
得体のしれない漸化式については
手を動かして実験
というように、ひとまず「彼を知ろう」という気持ちが大切です。
- \(a_{1}=a\)
- \(a_{2}=|a|-1=a-1\)
- \(a_{3}=|a-1|-1=a-2\)
- \(a_{4}=|a-2|-1=a-3\)
というように、\(9 \lt a \lt 10\) という条件から
しばらくは絶対値はそのまま外れる
ということが分かります。
そうなってくると
- \(a_{10}=|a-8|-1=a-9\)
- \(a_{11}=|a-9|-1=a-10\)
とこの辺りから神経を使わなければならないことになります。
次の \(a_{12}\) については
- \(a_{12}=|a-10|-1=-(a-10)-1=9-a\)
というように、絶対値が符号チェンジで外れることになります。
次の \(a_{13}\) については
- \(a_{13}=|9-a|-1=a_{11}\)
ですから、次の \(a_{14}\) は
- \(a_{14}=|a_{11}|-1=a_{12}\)
ということになります。
これ以後は「漸化式による同一のアルゴリズム」によって
\(a_{11}\) , \(a_{12}\) を繰り返す
という周期性をもつことになります。
したがって
$$a_{n}=\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
a-n+1(n=1 \ , \ 2 \ , \ \cdots \ , \ 10 ) \\
a-10(n=11 \ , \ 13 \ , \ \cdots)\\
9-a(n=12 \ , \ 14 \ , \ \cdots)
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}$$
ということで \(a_{n}\) が得られます。
(2) について
\(a_{n}\) を与える式が
- \(10\) 以下のとき
- \(11\) 以上の奇数のとき
- \(12\) 以上の偶数のとき
という場合によって変わってくるため、
\(S_{n}=a_{1}+a_{2}+\cdots+a_{n}\)
についても、同様に場合分けが必要となってきます。
\(n\) が \(10\) 以下のときは
- \(S_{n}=\displaystyle \sum_{k=1}^{n} (a-k+1)\)
を捌けば問題ありません。
\(n\) が \(11\) 以上のときは
- \(S_{n}=a_{1}+\cdots+a_{10}+(a_{11}+a_{12})+(a_{11}+a_{12})+\cdots+a_{11}\)
と、\(a_{11}\) で終わるのか
- \(S_{n}=a_{1}+\cdots+a_{10}+(a_{11}+a_{12})+(a_{11}+a_{12})+\cdots+(a_{11}+a_{12})\)
と、\(a_{12}\) で終わるのか
ということに気を付けて整理していきます。
解答はコチラ