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実践演習 方程式・不等式・関数系

焦点を共有する楕円と双曲線の性質【楕円と双曲線の光学的性質】【2007年度 北海道大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

有名な2次曲線の性質の問題です。

背景には「楕円と双曲線の光学的性質」があります。

 

楕円の光学的性質

 

F から出た光は F' に向かって反射します。

つまり、接線 l_{1}\angle FPF' の外角の二等分線です。

 

双曲線の光学的性質

 

 

F から出た光は \overrightarrow{ F'P } 方向に反射します。

つまり、接線 l_{2}\angle FPF' の内角の二等分線です。

 

内角の二等分線と外角の二等分線は直交する

一般に、図のように、2\theta_{1}+2\theta_{2}=180^{\circ} なので、

\theta_{1}+\theta_{2}=90^{\circ}

ということになり、内角の二等分線と外角の二等分線は直交します。

 

上で述べたことははあくまで、光学的性質を認めた上での話であり、本問を解くにあたっては前面に押し出すわけにはいきません。

式的なバックボーンとともに示すことになります。

(以下ネタバレ注意)

 

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本問の流れとしては

step
1
焦点が共通であることを翻訳する

楕円 C_{1} の焦点 (\sqrt{\alpha^{2}-\beta^{2}} \ , \ 0) と、双曲線 C_{2} の焦点 (\sqrt{a^{2}+b^{2}} \ , \ 0)  が一致することから、

\sqrt{\alpha^{2}-\beta^{2}}=\sqrt{a^{2}+b^{2}}

すなわち

\alpha^{2}-\beta^{2}=a^{2}+b^{2}

を得ます。

step
2
交点をP(p \ , \ q) とおき、接線の式を立てる

楕円 C_{1} と 双曲線 C_{2} の交点を P として、先に文字で (p \ , \ q) などとおきます。

これにより、P における l_{1}l_{2} の接線の式はそれぞれ

\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} \displaystyle \frac{px}{\alpha^{2}}+\displaystyle \frac{qy}{\beta^{2}} = 1 \\ \displaystyle \frac{px}{a^{2}}-\displaystyle \frac{qy}{b^{2}} = 1 \end{array} \right. \end{eqnarray}

ということになります。

step
3
l_{1}l_{2} の傾きを出す

今回、楕円 C_{1} と 双曲線 C_{2} の交点は座標軸上にはありませんから、l_{1}l_{2} の接線には傾きがあります。

その傾きをそれぞれ m_{1}m_{2} とすると

m_{1}=-\displaystyle \frac{\beta^{2}p}{\alpha^{2}q}m_{2}=\displaystyle \frac{b^{2}p}{a^{2}q}

となり、

m_{1}m_{2}=-\displaystyle \frac{p^{2}}{q^{2}}(\displaystyle \frac{b\beta}{a\alpha})^{2}

を得ることになります。

step
4
交点 P(p \ , \ q) が満たすべき条件を整理する

pq

\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} \displaystyle \frac{p^{2}}{\alpha^{2}}+\displaystyle \frac{q^{2}}{\beta^{2}} = 1 \\ \displaystyle \frac{p^{2}}{a^{2}}-\displaystyle \frac{q^{2}}{b^{2}} = 1 \end{array} \right. \end{eqnarray}

を満たしています。

Step 3 で得た形から p^{2}q^{2}  についての連立方程式と見たくなります。

よって、p^{2}q^{2}  についての連立方程式として解くと

p^{2}=\displaystyle \frac{\alpha^{2}a^{2}(\beta^{2}+b^{2})}{\beta^{2}a^{2}+\alpha^{2}b^{2}}q^{2}=\displaystyle \frac{\beta^{2}b^{2}(\alpha^{2}-a^{2})}{\beta^{2}a^{2}+\alpha^{2}b^{2}}

ということになります。

比をとってみると、消える部分は消えますし、Step 1 で得た条件式は

\alpha^{2}-a^{2}=\beta^{2}+b^{2}

の形で使えばよいことが分かります。

全体的に

目標は2つの接線が直交するという「直交条件を示す」という分かりやすい目標であるため、やるべきことが全く見えないということはないと思います。

ただ、計算量は多く、計算のスジが悪いとグチャグチャになりかねません。

使ってよい手持ちの条件と、条件の翻訳で得られた形を観察して、ある程度の見通しを持ちながら計算を進める必要があるでしょう。

試験場で初見で出くわした場合、なおさら平常心を奪われると思います。

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