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第7講では3項間漸化式を扱います。
3項間漸化式
$$a_{n+2}+pa_{n+1}+qa_{n}=0$$
この3項間漸化式の狙い筋は
狙い筋
$$a_{n+2}-\alpha a_{n+1}=\beta(a_{n+1}-\alpha a_{n})$$
という形に変形することで、等比数列の形として処理することです。
つまり、
- \(a_{n+2}-\alpha a_{n+1}=\beta(a_{n+1}-\alpha a_{n})\) と変形したい。
- そんなうまい \(\alpha\) , \(\beta\) を見つけたい。
という気持ちが大切です。
そして、そんなうまい \(\alpha\) , \(\beta\) の正体は
\(x^{2}+px+q=0\) の 2 解
となっています。
この \(x^{2}+px+q=0\) を特性方程式と言います。
特性方程式の2解を考えればよい理由
$$a_{n+2}-\alpha a_{n+1}=\beta(a_{n+1}-\alpha a_{n})$$
これを整理すると
$$a_{n+2}-(\alpha+\beta)a_{n+1}+\alpha\beta a_{n}=0$$
となります。
つまり、最初に与えられた漸化式
\(a_{n+2}+pa_{n+1}+qa_{n}=0\)
を変形して
\(a_{n+2}-(\alpha+\beta)a_{n+1}+\alpha\beta a_{n}=0\)
となればよいので、
$$\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
\alpha+\beta=-p \\
\alpha\beta=q
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}$$
となる \(\alpha\) , \(\beta\) を考えればよく、それは解と係数の関係から \(x^{2}+px+q=0\) の 2 解ということになります。
この \(\alpha\) , \(\beta\) を見つけた後の対応です。
α と β が異なるとき
$$\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
a_{n+2}-\alpha a_{n+1}=\beta(a_{n+1}-\alpha a_{n}) \\
a_{n+2}-\beta a_{n+1}=\alpha(a_{n+1}-\beta a_{n})
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}$$
と2通りに変形できます。
これにより、
$$\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
a_{n+1}-\alpha a_{n}=f_{1}(n) \\
a_{n+1}-\beta a_{n}=f_{2}(n)
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}$$
という形の2つの式を得るため、これを辺々引くことによって、\(a_{n}\) を求めることができます。
α=β のとき
先ほどと違い
\(a_{n+2}-\alpha a_{n+1}=\beta(a_{n+1}-\alpha a_{n})\)
という1通りにしか変形できませんが、これを処理すると
\(a_{n+1}-\alpha a_{n}=(a_{2}-\alpha a_{1})\cdot \beta^{n-1}\)
という形を得ます。
これは第2講
-
漸化式の解法基本パターン 第2講【2項間漸化式:心霊写真型】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) このシリーズの一覧はこちら 前回の第1講で扱った Type 1 \(a_{n+1}=pa_{n}+q\) ( \(p \ ...
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で扱った「心霊写真型」(肩に何か乗ってる)です。
先ほどの \(\alpha \neq \beta\) のときは、処理が早いから2通りの変形をしただけであって、
元々は1通りで変形できれば十分
ということが言えます。
3項間漸化式は確率漸化式や、その他の分野との融合問題などにおいて処理しなければならない場面が多々ありますので、確実に捌ききれるようにしておきましょう。