実践演習 方程式・不等式・関数系

未知数の個数と条件式の個数【2004年度 公立はこだて未来大学】

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未知数が3個に対して、条件式が2つですから、一見すると条件式の個数が足りず焦るかもしれません。

本問を解ききれるかどうかは、観察力などに加え、「諦めない心と粘り強さ」という精神論的な力が必要かもしれません。

そういった意味でキッチリと差が付くでしょう。

(以下ネタバレ注意)

 

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実験してみる

\(x=1\) ,  \(y=1\) ,  \(z=1\)  というのはすぐに見つかると思います。

それ以外で探してみます。

もちろん、簡単な数で探してみたいというのが人情でしょう。

そこで、\(0\) が絡むとどうなるかを考えてみます。

\(x\) ,  \(y\) ,  \(z\) の中に2つ \(0\) があるとき

このときは

\(xy+yz+zx=0\)

となってしまい、条件を満たしません。

\(x\) ,  \(y\) ,  \(z\) の中に1つだけ \(0\) があるとき

対称性から \(x=0\) として探してみます。

このとき

$$\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
y+z=3 \\
yz = 3
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}$$

ということになり、解と係数の関係から

\(u^{2}-3u+3=0\)

という2次方程式の解が \(y\) ,  \(z\) ということになります。

これを解くと

\(u=\displaystyle \frac{3 \pm \sqrt{3}i}{2}\)

ということになり、実数として存在しないため、不適となります。

実験から分かったこと

この実験から

  • 実数として存在するかしないか

というのが決め手となることが分かりました。

今は簡単な数である \(0\) として探しましたが、

  • \(x=1\) ,  \(x=2\) ,  \(\cdots\)

として探しても同じように、解と係数の関係によって \(y\) ,  \(z\) を求めるということが見てとれます。

そこで、

\(x=k\)

と固定して考えます。

これにより

$$\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
y+z=3-k \\
yz = 3-k(y+z)
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}$$

これは

$$\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
y+z=3-k \\
yz = 3-k(3-k)
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}$$

すなわち

$$\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
y+z=3-k \\
yz = k^{2}-3k+3
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}$$

となります。

解と係数の関係から

\(u^{2}-(3-k)u+k^{2}-3k+3=0\)

という2次方程式の解が \(y\) ,  \(z\) ということになりますから、これらの解が実数として存在するために

判別式 \(D \geq 0\)

であることが必要になってきます。

しかし、

\(D=\{-(3-k)\}^{2}-4 (k^{2}-3k+3)=-3(k-1)^{2}\)

となり、\(D \leq 0\) となります。

逆にこの結果はシメシメで、\(D=0\) となるしか逃げ道がないわけです。

この路線で仕留めるものを【解1】としています。

路線2:3次方程式についての解と係数の関係を用いる路線

与えられた条件が

3文字についての基本対称式

ということに注目し、残る基本対称式である \(xyz\) に注目します。

\(xyz=k\) とおくと、解と係数の関係から\(x\) ,  \(y\) ,  \(z\) は

\(t^{3}-3t^{2}+3t-k=0\)

すなわち

\(t^{3}-3t^{2}+3t=k\)

という3次方程式の解であることになります。

ここから、この3次方程式が3つとも実数解として存在するために、\(k\) が満たすべき条件は何かを探っていくわけです。

この路線を【解2】として紹介しています。

路線3:経験による一撃必殺

\(x=1\) ,  \(y=1\) ,  \(z=1\)  しかないんじゃないか?

という予想が立てば

\((x-1)^{2}+(y-1)^{2}+(z-1)^{2}=0\)

を目指せば解決です。

この辺りは邪推的なものもありますし、経験による天下り感を大きく感じる部分ではあります。

この見方ができなかったとしても、【解1】【解2】による粘り勝ちも可能なので、冒頭述べた諦めない心というのが大切です。

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