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2次不等式の運用に関しての問題ですが、まともにぶつかると泥沼に嵌まる可能性が十分にあります。
一度は泥沼に嵌まるのも悪くはないです。
その経験は今後にむけて大きな糧となると思います。
(以下ネタバレ注意)
+ クリック(タップ)して続きを読む 条件 \(p\) が \(q\) であるための十分条件ということは 命題 \(p \Rightarrow q\) が真である ということです。 厳密には言葉足らずの部分もありまして、きちんと言えば ということです。 条件 \(p\) についての2次不等式を解いてみると \(\{x-(5+a)\}\{x-(5-a)\} \gt 0\) ですから となります。 条件 \(q\) についての2次不等式も解いてみると \((x-2a)(x-4) \gt 0\) ですから です。 文字を含んだ2次不等式の処理ということで、場合分けが生じ、この状態で 命題 \(p \Rightarrow q\) が真である ということを考えることは厄介でしょう。 考えづらさの根元にあるのは \((x-\alpha)(x-\beta) \gt 0 \ (\alpha \lt \beta)\) という2次不等式の解が \(x \lt \alpha \ , \ \beta \lt x\) という形、すなわち「\(\alpha\) , \(\beta\) の外側」という形である部分にあると思います。 これを打開する大きな武器が「対偶」です。 命題 \(p \Rightarrow q\) の対偶は \( \bar{q} \Rightarrow \bar{p}\) であり、これが真となる \(a\) の範囲を求めればよいわけです。 対偶をとることにより \((x-\alpha)(x-\beta) \leq 0 \ (\alpha \lt \beta)\) という形の2次不等式となり \(\alpha \leq x \leq \beta\) と、「\(\alpha\) , \(\beta\) の内側」という考えやすい形の解として考えることができるわけです。 対偶一発で非常に考えやすくなるということで、対偶の威力が実感できる問題です。 間接証明法としては対偶法のほかに背理法という証明法もあります。 使い勝手としては背理法の方が守備範囲が広いのは認めざるを得ません。 対偶については \(p \Rightarrow q\) という形の命題でしか使えませんが、背理法はその形に拘らないからです。 そういった意味で、背理法は対偶法の上位互換みたいなものであり、対偶でいけるものは背理法でもいけるということが多いわけです。 そんな中、対偶が輝く本問は初見だと頬がゆるむような気持ちよさがありますね。まともに解くと
打開策として