実践演習 方程式・不等式・関数系

3次方程式の解の絶対値【2004年度 岡山大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

ある一定以上の「確かな力」がないと、色々振り回される問題です。

ただ、いたずらな難問ではなく、戦略的に見通しを立てる力を鍛える題材としてとてもいい問題です。

場当たり的に解いてしまった人は

「何かグチャグチャやってたら解けた」

という人と

「グチャグチャやって手詰まりになっちゃった」

という人で分かれると思います。

つまり、見通しをもたずに場当たり的に解いてしまうと、結論まで辿り着けるかどうかがギャンブル的要素に左右されかねません。

(以下ネタバレ注意)

 

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最初の一手

ひとまず、\(x^{3}+px^{2}+qx+r=0\) という一般性の高い3次方程式を

「直接解いてどうのこうのする」

という人はいないと思います。

方程式の解の扱いについては

  • 代入
  • 解と係数の関係
  • 解の視覚化

という路線が大枠ですが、虚数解に関する条件を活かすということになると、「解と係数の関係」が有力な方針です。

ただ、むやみやたらに解を設定してもいけません。

実数係数3次方程式の解のもち方

実数係数の3次方程式は

実数係数の3次方程式の解の特徴

  • \(\alpha\) が解ならば、それと共役な \(\bar{\alpha}\) も解となる。
  • 少なくとも1つは実数解をもつ

ということが言えます。

さらに条件 (b) から、今回の3次方程式は

\(x=\alpha \ , \ \bar{\alpha} \ , \ t\)

という解のもち方となります

ただし \(t\) は実数です。

解と係数の関係を用いると

解と係数の関係から

$$\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
\alpha+\bar{\alpha}+t= -p \\
\alpha \bar{\alpha}+t\bar{\alpha}+t\alpha=q \\
\alpha \bar{\alpha} t=-r
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}$$

という式が成立します。

ここで条件 (b) が効いてきます。

\(|\alpha|^{2}=1\) ,  すなわち

\(\alpha \bar{\alpha}=1\)

です。

これを先ほどの連立方程式で使ってみると

$$\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
\alpha+\bar{\alpha}+t= -p \\
1+t(\alpha+\bar{\alpha})=q \\
t=-r
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}$$

とほぐせます。

ここから何をしたらよいのかを見失ってしまう人も少なからずいると思います。

ここからが冒頭述べた、

場当たり的に解いてしまうと\(\cdots\)

といった話です。

条件 (a) の使い方

条件 (a) は

\((p \ , \ q)=(\pm r \ , \ \pm r)\) (複号任意)

ということを意味します。

つまり、最終的には条件 (a) によって、\(p\) ,  \(q\) は消去できるということです。

条件1つで1文字消去

そうなってくると

$$\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
\alpha+\bar{\alpha}+t= -p \\
1+t(\alpha+\bar{\alpha})=q \\
t=-r
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}$$

という先ほど立てた式は実質

\(\alpha\) ,  \(t\) ,  \(r\)  という3文字分の条件ということになります。

最終的に\((p \ , \ q)=(\pm r \ , \ \pm r)\) という条件 (a) によって仕留めることを考えると

  • \(\alpha\) ,  \(t\) を消去して \(p\) , \(q\) ,  \(r\)  の関係式を Get
  • \((p \ , \ q)=(\pm r \ , \ \pm r)\) (複号任意) によって \(r\) に関する方程式を Get

という構想をたてたいところです。

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