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未知数が3個に対して、条件式が2つですから、一見すると条件式の個数が足りず焦るかもしれません。
本問を解ききれるかどうかは、観察力などに加え、「諦めない心と粘り強さ」という精神論的な力が必要かもしれません。
そういった意味でキッチリと差が付くでしょう。
(以下ネタバレ注意)
+ クリック(タップ)して続きを読む \(x=1\) , \(y=1\) , \(z=1\) というのはすぐに見つかると思います。 それ以外で探してみます。 もちろん、簡単な数で探してみたいというのが人情でしょう。 そこで、\(0\) が絡むとどうなるかを考えてみます。 このときは \(xy+yz+zx=0\) となってしまい、条件を満たしません。 対称性から \(x=0\) として探してみます。 このとき $$\begin{eqnarray} ということになり、解と係数の関係から \(u^{2}-3u+3=0\) という2次方程式の解が \(y\) , \(z\) ということになります。 これを解くと \(u=\displaystyle \frac{3 \pm \sqrt{3}i}{2}\) ということになり、実数として存在しないため、不適となります。 この実験から というのが決め手となることが分かりました。 今は簡単な数である \(0\) として探しましたが、 として探しても同じように、解と係数の関係によって \(y\) , \(z\) を求めるということが見てとれます。 そこで、 \(x=k\) と固定して考えます。 これにより $$\begin{eqnarray} これは $$\begin{eqnarray} すなわち $$\begin{eqnarray} となります。 解と係数の関係から \(u^{2}-(3-k)u+k^{2}-3k+3=0\) という2次方程式の解が \(y\) , \(z\) ということになりますから、これらの解が実数として存在するために 判別式 \(D \geq 0\) であることが必要になってきます。 しかし、 \(D=\{-(3-k)\}^{2}-4 (k^{2}-3k+3)=-3(k-1)^{2}\) となり、\(D \leq 0\) となります。 逆にこの結果はシメシメで、\(D=0\) となるしか逃げ道がないわけです。 この路線で仕留めるものを【解1】としています。 与えられた条件が 3文字についての基本対称式 ということに注目し、残る基本対称式である \(xyz\) に注目します。 \(xyz=k\) とおくと、解と係数の関係から\(x\) , \(y\) , \(z\) は \(t^{3}-3t^{2}+3t-k=0\) すなわち \(t^{3}-3t^{2}+3t=k\) という3次方程式の解であることになります。 ここから、この3次方程式が3つとも実数解として存在するために、\(k\) が満たすべき条件は何かを探っていくわけです。 この路線を【解2】として紹介しています。 \(x=1\) , \(y=1\) , \(z=1\) しかないんじゃないか? という予想が立てば \((x-1)^{2}+(y-1)^{2}+(z-1)^{2}=0\) を目指せば解決です。 この辺りは邪推的なものもありますし、経験による天下り感を大きく感じる部分ではあります。 この見方ができなかったとしても、【解1】【解2】による粘り勝ちも可能なので、冒頭述べた諦めない心というのが大切です。実験してみる
\(x\) , \(y\) , \(z\) の中に2つ \(0\) があるとき
\(x\) , \(y\) , \(z\) の中に1つだけ \(0\) があるとき
\left\{
\begin{array}{l}
y+z=3 \\
yz = 3
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}$$実験から分かったこと
\left\{
\begin{array}{l}
y+z=3-k \\
yz = 3-k(y+z)
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}$$
\left\{
\begin{array}{l}
y+z=3-k \\
yz = 3-k(3-k)
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}$$
\left\{
\begin{array}{l}
y+z=3-k \\
yz = k^{2}-3k+3
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}$$路線2:3次方程式についての解と係数の関係を用いる路線
路線3:経験による一撃必殺