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ピタゴラス数

ピタゴラス数 第2講【原始ピタゴラス数の一般解】【1999年度 京都大学】

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ピタゴラス数についてのテーマ別演習第2講です。

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第2講では原始ピタゴラス数の一般解について考えます。

この問題だけ見ると、

「なんだこのオチ」

と思うかもしれませんが、実はこのオチからもう少し話を進めると

 

原始ピタゴラス数の一般解

mnm \gt n を満たす互いに素で、偶奇の異なる自然数とする。

この mn  を用いて、a^{2}+b^{2}=c^{2} を満たす原始ピタゴラス数が

(a \ , \ b \ , \ c)=(m^{2}-n^{2} \ , \ 2mn \ , \ m^{2}+n^{2})

という形で表せる。

という原始ピタゴラス数の一般解が得られます。

あえてそこまで聞かずに、「言いたいことは \cdots 分かるよね?」と途中で止めるあたりが京大のにくいところです。
(誉め言葉です。)

そのあたりは【総括】で触れてあります。

まずは本問を解いてみることにしましょう。

(以下ネタバレ注意)

 

 

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(1) は第1講でも扱った内容です。

(2) はそんなに簡単ではないと思います。

与えられた等式を b^{2}=(c+a) (c-a) と見ます。
(最初のこの一手が言うほど簡単ではないでしょう)

(1) の結果から b=2B という形で書けますので

B^{2}=\displaystyle \frac{c+a}{2} \cdot \displaystyle \frac{c-a}{2}

となります。

見た目分数の形をしていますが、c , a はともに奇数なので、\displaystyle \frac{c+a}{2}\displaystyle \frac{c-a}{2}  はともに整数です。

つまり、(整数)×(整数)=(平方数) という形をしています。

ここで、問題で言われていることの主張に目を向けると

\displaystyle \frac{c+a}{2}=d^{2} と表せる

つまり、\displaystyle \frac{c+a}{2} というものが平方数であることを示せばよいことになります。

先ほどの (整数)×(整数)=(平方数) という形が、実は

2 \times 8=16 というタイプではなく、4 \times 9=36

という (平方数)×(平方数)=(平方数) タイプだということを目指すことになります。

ということは、次の一手は

\displaystyle \frac{c+a}{2}\displaystyle \frac{c-a}{2} が互いに素である

ということを目指せばよくなります。

お互いに素因数を分かち合うことなく、それぞれが平方数になっていることを目指すのです。

互いに素である(2以上の共通の約数(公約数)をもたない)という否定的な事柄の証明については背理法を選択します。

あとは手なりに進んでいくでしょう。

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