問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)
ピタゴラス数についてのテーマ別演習第2講です。
シリーズ一覧はこちら
ピタゴラス数 第2講【原始ピタゴラス数の一般解】【1999年度 京都大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) ピタゴラス数についてのテーマ別演習第2講です。 シリーズ一覧はこちら 第2講では原始ピタゴラス数の一般解について考えます。 この問題だけ見ると、 「なんだこのオチ」 と思うかもしれませんが、実はこのオチからもう少し話を進めると 原始ピタゴラス数の一般解 m , n を m \gt n を満たす互いに素で、偶奇の異なる自然数とする。 この m , n を用いて、\(a^{ ...
ピタゴラス数 第3講【拡張版の等式】【2000年度 横浜国立大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) ピタゴラス数についてのテーマ別演習第3講です。 シリーズ一覧はこちら 今回はピタゴラス数の拡張として a^{2}+b^{2}+c^{2}=d^{2} を満たす自然数 a , b , c , d について扱います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 聞かれていることについては第1講で扱った平方剰余に近いものがあります。 そこで、(1) で ...
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) シリーズ一覧はこちら 非常にシンプルな問題ですが、難問です。 本問は歴史的には1955年にシェルピンスキーという数学者によって解決されました。 その後、この問題は一般のピタゴラス数についても成り立つか?という疑問に変わっていきます。 すなわち a , b , c を a^{2}+b^{2}=c^{2} を満たす正の整数とする。 a^{x}+b^{y}=c^{z} を満たす正の ...
ピタゴラス数 第1講【平方剰余】【2004年度 旭川医科大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) a^{2}+b^{2}=c^{2} を満たす自然数 (a \ , \ b \ , \ c \ ) の組をピタゴラス数と言い、特に a , b , c のどの2つも互いに素であるとき、原始ピタゴラス数と言います。 原始ピタゴラス数に関する入試問題は頻出であり、今回は何題かピックアップしてシリーズものとして取り上げたいと思います。 シリーズ一覧はこちら 今回は第1講ということで ...
ピタゴラス数 第2講【原始ピタゴラス数の一般解】【1999年度 京都大学】
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ピタゴラス数 第3講【拡張版の等式】【2000年度 横浜国立大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) ピタゴラス数についてのテーマ別演習第3講です。 シリーズ一覧はこちら 今回はピタゴラス数の拡張として a^{2}+b^{2}+c^{2}=d^{2} を満たす自然数 a , b , c , d について扱います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 聞かれていることについては第1講で扱った平方剰余に近いものがあります。 そこで、(1) で ...
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) シリーズ一覧はこちら 非常にシンプルな問題ですが、難問です。 本問は歴史的には1955年にシェルピンスキーという数学者によって解決されました。 その後、この問題は一般のピタゴラス数についても成り立つか?という疑問に変わっていきます。 すなわち a , b , c を a^{2}+b^{2}=c^{2} を満たす正の整数とする。 a^{x}+b^{y}=c^{z} を満たす正の ...
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ピタゴラス数 第2講【原始ピタゴラス数の一般解】【1999年度 京都大学】
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ピタゴラス数 第3講【拡張版の等式】【2000年度 横浜国立大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) ピタゴラス数についてのテーマ別演習第3講です。 シリーズ一覧はこちら 今回はピタゴラス数の拡張として a^{2}+b^{2}+c^{2}=d^{2} を満たす自然数 a , b , c , d について扱います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 聞かれていることについては第1講で扱った平方剰余に近いものがあります。 そこで、(1) で ...
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) シリーズ一覧はこちら 非常にシンプルな問題ですが、難問です。 本問は歴史的には1955年にシェルピンスキーという数学者によって解決されました。 その後、この問題は一般のピタゴラス数についても成り立つか?という疑問に変わっていきます。 すなわち a , b , c を a^{2}+b^{2}=c^{2} を満たす正の整数とする。 a^{x}+b^{y}=c^{z} を満たす正の ...
第2講では原始ピタゴラス数の一般解について考えます。
この問題だけ見ると、
「なんだこのオチ」
と思うかもしれませんが、実はこのオチからもう少し話を進めると
原始ピタゴラス数の一般解
m , n を m \gt n を満たす互いに素で、偶奇の異なる自然数とする。
この m , n を用いて、a^{2}+b^{2}=c^{2} を満たす原始ピタゴラス数が
(a \ , \ b \ , \ c)=(m^{2}-n^{2} \ , \ 2mn \ , \ m^{2}+n^{2})
という形で表せる。
という原始ピタゴラス数の一般解が得られます。
あえてそこまで聞かずに、「言いたいことは \cdots 分かるよね?」と途中で止めるあたりが京大のにくいところです。
(誉め言葉です。)
そのあたりは【総括】で触れてあります。
まずは本問を解いてみることにしましょう。
(以下ネタバレ注意)
+ クリック(タップ)して続きを読む
(1) は第1講でも扱った内容です。
(2) はそんなに簡単ではないと思います。
与えられた等式を b^{2}=(c+a) (c-a) と見ます。
(最初のこの一手が言うほど簡単ではないでしょう)
(1) の結果から b=2B という形で書けますので
B^{2}=\displaystyle \frac{c+a}{2} \cdot \displaystyle \frac{c-a}{2}
となります。
見た目分数の形をしていますが、c , a はともに奇数なので、\displaystyle \frac{c+a}{2} , \displaystyle \frac{c-a}{2} はともに整数です。
つまり、(整数)×(整数)=(平方数) という形をしています。
ここで、問題で言われていることの主張に目を向けると
\displaystyle \frac{c+a}{2}=d^{2} と表せる
つまり、\displaystyle \frac{c+a}{2} というものが平方数であることを示せばよいことになります。
先ほどの (整数)×(整数)=(平方数) という形が、実は
2 \times 8=16 というタイプではなく、4 \times 9=36
という (平方数)×(平方数)=(平方数) タイプだということを目指すことになります。
ということは、次の一手は
\displaystyle \frac{c+a}{2} と \displaystyle \frac{c-a}{2} が互いに素である
ということを目指せばよくなります。
お互いに素因数を分かち合うことなく、それぞれが平方数になっていることを目指すのです。
互いに素である(2以上の共通の約数(公約数)をもたない)という否定的な事柄の証明については背理法を選択します。
あとは手なりに進んでいくでしょう。