階乗に関する整数問題【2015年度 鳥取大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 階乗に関する整数問題ということで、最後のオチの問題は考えてみたくなる香ばしさがあります。 誘導付きなので、誘導をうまく活用できるかという要素の方が大きくなっています。 思考力(試行力)を養うためには誘導はない方がいいのですが、試験問題としてはこのぐらいでも機能すると思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について \(5!+4!+3!=120+24+6=150\) これを落とすことは許され ...
ピタゴラス数とペル方程式【2011年度 三重大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) ピタゴラス数に関する問題で、印象に残るインパクトをもった問題です。 強力な誘導がありますから、思考力や発想力というよりは、問題の主張を把握し、誘導の意味を見出す読解力寄りの力が求められます。 なので、問題を解くこと自体はそこまで難問ではないでしょう。 今回は、\(x\) , \(y\) が連続2整数となるようなピタゴラス数についてスポットが当たっていますが、これについてのちょっとした深掘りも考えてみましょう。 (以下ネタバレ注意) &nbs ...
仮想難関大(オリジナル予想問題)【整数~n進法の有限小数~】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 仮想難関大シリーズということで、東大、京大をはじめとする旧帝大、東工大、国公立大学医学部医学科などの難関国公立大を想定したオリジナルの自作問題です。 「手垢の付いていない問題で力試しがしたい」 という方はぜひご活用ください。 今回は整数に関する問題です。 \(n\) 進法に関する基本的理解について真正面から問いかける内容です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 位取り記数法について 普段我々が日常使って ...
約数と倍数に関する整数問題【1992年度 一橋大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 約数や倍数という整数問題の基本的な概念について扱う問題なのですが、決して簡単ではないでしょう。 整数問題らしく様々なものの見方に伴う別解があり、一つ一つが本問だけに限らず他の問題への糧となる内容を含んでいます。 聞けば簡単、解くのは別問題というタイプで、きっちりと差が付く問題です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について \(n^{2}\) と \(2n+1\) が互いに素とは、 \(n^{ ...
有理数で挟まれた有理数の分母【ファレイ数列との絡み】【2014年度 横浜市立大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) すごくシンプルな題意ですが、やり始めると目が血走るでしょう。 \(\displaystyle \frac{2013}{2014}=0.99950438\cdots\) \(\displaystyle \frac{2014}{2015}=0.99950372\cdots\) としても「こっからどないすんねん」となるだけだと思います。 解答自体はものすごくアッサリ終わります。 解答のボリュームと難易度のギャップは大きく、内容的には経験などでカバー ...
素数生成多項式【2002年度 慶応義塾大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 本問にまつわる話としては、オイラーの見つけた \(f(x)=x^{2}+x+41\) という式が有名です。 \(f(0)=41\) \(f(1)=43\) \(f(2)=47\) \(f(3)=53\) というように、素数を生成し続けます。 ただ、これは永遠に素数を生み出し続けるわけではなく、 \(f(40)=40^{2}+40+41=40 (40+1)+41=41^{2}\) となり、合成数も生まれてしまいます。 ただ、結構な長さで素数を生 ...
整数問題の観察眼【2011年度 和歌山県立医科大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 不定方程式ですが、絶対値と平方根が入っていて、このあたりの処理の手際の良さが差を生むでしょう。 現役生目線では標準~やや難だと思います。 ただ、医学科受験生にとってはこのあたりの負荷をかけられても耐えられる力がないと苦しいです。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 2乗路線について 絶対値についても、平方根についても 2乗処理 することで絶対値や平方根が外れるという性質をもっています。 ただ、2乗処理に拘 ...
3整数に関する不定方程式【難問】【1990年度 早稲田大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) シンプルな設定でルールはとっかかりやすいのですが、いざやってみるとどこから手を付けたらよいのか途方に暮れる難問です。 実際にこの年の受験生のほとんどが0点だったといういわくつきの問題です。 合否に影響のある問題でないことは確かなのですが、30年経った今でも勉強の糧として使える良問だとも思います。 最初に整数問題の有力方針を確認しておきます。 + クリック(タップ)して基礎を確認する 積の形から約数の拾い上げ 例題:\(x , y\) は自然 ...
マチンの公式とその周辺の等式【1987年度 埼玉大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) マチンの公式とその周辺の等式について触れることができる問題を紹介します。 表向きは \(\tan{ \ }\) が絡む整数問題という顔をしています。 背景的なものを抜きにした整数問題として見てもいい訓練となる問題であり、整数問題の実戦的な問題として丁度よいレベルの良問でしょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 図示してみると というように、ひとまず角度 \(\alpha\) , \(\beta\) ...
オーダー【素因数の個数】【2007年度 横浜国立大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 自然数 \(n\) がもつ素因数 \(p\) の個数を \(a\) としたとき、\(a\) を \(n\) の素因数 \(p\) に関するオーダーと言い、 \(a=\mathrm{ord}_{p}n\) と表すことがあります。 この記号自体はあまり馴染みがないと思いますし、事実本問においてもこの記号は用いずに \(f(n)\) を定義することで出題しています。 素因数の個数を「数 ...