独立2変数の絶対不等式【2005年度 東京理科大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 1変数に関する絶対不等式をもとに、独立2変数に関する絶対不等式まで扱う問題です。 (1) は定番中の定番の話題で、(2) も学習を進めている人からすれば経験しているという人も多いでしょう。 (2) は噛み砕き力があれば、初見でも対応は可能です。 ただ、マニュアルに依存していると何が言えればよいのかを噛み砕けず立ち往生しかねません。 結果的に分からなくて解答を見ること自体は否定しません。 知らなきゃキツイ問題や、経験に依存する問題があるのも事実 ...
2022年度 北海道大学 理系第3問【不等式で表される領域と面積】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 不等式で表される領域と、面積に関する問題です。 方向性自体は割と一本道で、迷うことはありませんが、それを処理しきるためには 「見るべき部分を見る」 ということが必要になってきます。 不必要な部分にとらわれすぎてしまい、身動きがとれなくなってしまう恐れは多々あります。 一つ一つの処理で特別なことはしていませんが、「やり方」に終始して根本的な部分を蔑ろにしてきた受験生からすると、 「聞けば分かる」 で終わってしまいます。 本番の入試で「聞けば分か ...
ベクトルの三角不等式【1997年度 信州大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) ベクトルの三角不等式を題材とした問題です。 (1) , (2) までは基本的な内容の確認ですが、最後の (3) は難しいと思います。 ただ、ありふれた材料をもとにコクのある味わいに仕上げた名作です。 活路を見出せると気持ちよさを感じるでしょう。 ただ、限られた時間しかない試験場では撤退せざるを得ない可能性も大いにあります。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む ベクトルの三角不等式 (1) の (イ) で ...
微分法の方程式・不等式への応用【1994年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 見た目は、どこにでもありそうな微分の運用問題のように思えます。 ただ、型通りの問題で終わらないよう、言葉にすることが難しい「センス」を要求してくるあたりが流石東大です。 本問は1994年度東京大学理系第1問です。 「これはテンプレ問題だ。いける」 と試験開始直後に意気揚々と取り組み始め、計算量の多さに血の気が引いていく当時の受験生の様子が目に浮かびます。 第1問という位置取りも相まって、平常心を失いかねない問題と言えましょう。 (以下ネタバレ ...
抽象的な関数の不等式【2000年度 早稲田大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(f(x)\) が具体的に与えられていない中で、不等式を解かせるという問題です。 根拠として使用してよいことと、マズイことがしっかり分かっているかを試す問題です。 論証という点において重きが置かれていると考えてよく、結論が合っているかどうかだけで判断せず、 言及すべき部分をきちんと言及しているか ということもきちんと確認したいポイントです。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む モデルケースで言えば 関数 ...
イェンゼンの不等式【証明】【2003年度 和歌山県立医科大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) イェンゼンの不等式と呼ばれる有名な不等式に関する証明問題です。 例題は具体的な関数で、文字数が (1) 2文字&2文字 (2) 3文字&3文字 という具体的な例です。 それにしてもアタフタする受験生は多いと思います。 初見殺しの要素は存分にありますから、ひとまずは要領を例題でつかむことを目的としてください。 有名テーマなので、初見でできなくても自信を失う必要はありません。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読 ...
有理数で挟まれた有理数の分母【ファレイ数列との絡み】【2014年度 横浜市立大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) すごくシンプルな題意ですが、やり始めると目が血走るでしょう。 \(\displaystyle \frac{2013}{2014}=0.99950438\cdots\) \(\displaystyle \frac{2014}{2015}=0.99950372\cdots\) としても「こっからどないすんねん」となるだけだと思います。 解答自体はものすごくアッサリ終わります。 解答のボリュームと難易度のギャップは大きく、内容的には経験などでカバー ...
三角形の内角に関する不等式【cosα+cosβ+cosγ≧1】【2005年度 京都大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 三角形の内角に関する不等式で、シンプルな題意です。 解法も様々考えられ、京大らしい問題だと思います。 試験場では愚直に解くのが現実的ですが、時間無制限で頭を鍛えるという点においては別解を考えるいい題材となるでしょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 方針1:和積公式 目標 \(\cos{\alpha}+\cos{\beta}+\cos{\gamma}-1 \geq 0\) が目標であるこ ...
不等式証明と大小比較【2009年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 不等式証明と、それを利用する数値の大小比較の問題です。 (1) の不等式証明から結構ハードです。 (2) も (1) の単純な運用では中々うまくいきません。 せめて (1) を利用して (2) だけでもチャチャっと片付けようとした人からすれば「よもやよもや」でしょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について ひとまず、\(\log{ \ }\) をとりたくなるでしょう。 そうなると \((1 ...
シャピロの巡回不等式【n=4のときの証明とその応用】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 難問です。 誘導があれば別ですが、今回は敢えて誘導なしで考えてみてほしいと思います。 ノーヒントで出題する大学があれば、鬼舞辻以上の鬼です。 仮に出題されたとしても、ほとんどの受験生は撃沈すると思いますので差はつかないでしょう。 「これ解かせる気ないだろ」というような出題の仕方は、あんまり自分の好みではないですが、たまにはウンウン唸る時間も必要です。 正直に言うと、自分は本問の背景にある「シャピロの巡回不等式」というものを知っていたため、純粋 ...